悪夢的な演出が容赦無く襲ってきて良い意味で陶酔できた。
山頂での謎のオペラシーンが好き。
ドタバタコメディ映画かと思いきや、ラストで急に軍国主義の到来を予知するかのようなディストピア的世界観をぶち込んできて鳥肌が立った。
ベラルゴシが高田純次に見えてくる。
この映画に出てくるノマド達、定住者達、誰も幸せそうでない。
このような映画がアカデミー賞を取るような風の時代は今来ている。
前編で夫であるジークフリートを謀殺されたクリームヒルトの人格がこの後編で大きく異なっていく。
フン族の城攻めのシーンが圧巻。
この時の生々しく、荒々しい演奏は本当に神がかってる。
何度見ても最初のラジカセサイコキラーからの熱量に鳥肌がたつ。
デヴィッドバーンの成熟された歌声と諧謔的な歌詞が耳に刺さる。
序盤あんまスパイクリーぽくないなと思ったら後半でここぞとばかりに黒人差別問題をぶち込んできてて笑った。
エチオピアの崇高な歴史を人々はもっと知るべき。
ハリウッドは無理矢理黒人俳優を映画にねじ込むのではなく、シバの女王に関する映画をオール黒人俳優キャストで制作した方が良い。
ファスビンダーの中でもとにかく難解。
やはりどれほど革命に燃えている若者達でも、そうした大衆心理は資本によって搾取され、表面上だけの薄っぺらいつものになってしまうのか。
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