とんこつたろうさんの映画レビュー・感想・評価

とんこつたろう

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海街diary(2015年製作の映画)

3.8

外見では"ほっこり系ムービー"の形を取ってはいるが、『家族の事情』という体の良い言葉で隠れてしまう、人間関係のややこしさを根本に孕んでいる。
責任を回避しようとする大人を厳しく描くことにこだわる是枝監
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国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

3.8

サスペンスにしろ感動大作にしろ、韓国映画には観客を圧倒する強いエネルギーが溢れていて、常に感心させられる。
ギャグセンスに関しては頂けない部分が多いが、本作もまた涙腺を緩ませるノウハウを知り尽くした脚
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イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち(2014年製作の映画)

3.5

主人公たちの過去から現在に至るまでの描写がスキップされた点は、人格形成にや行動に説得力を持たせる機会を逃しているため非常に惜しい。
だがテレパシーをごく自然に描くタッチは、今までありそうでなかった奇抜
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プロジェクト・アルマナック(2014年製作の映画)

3.2

時間モノとしては突っ込むべき余地もあるし、アングル綺麗すぎたりPOVである必要あったのかなとはなります!
まあでも娯楽的な要素とのバランスを考慮すれば、差し引いて楽しめる程度で粗も目を瞑れちゃうかな。
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ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス(2014年製作の映画)

3.7

コテコテのディストピア映画やんけコレ!ティーンズ小説の枠を超えたというか、社会の裏に蠢く統治者たちの思惑を描いた本格政治サスペンス。
地味すぎてアクションを求めた観客には総スカンされるけど、設定の土台
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青、そして少しだけピンク(2013年製作の映画)

4.1

コテコテのゲイ映画としての過激な旨味を持ちながら、ノンケ10代のプラトニックな恋愛模様に胸躍らされたのは予想外の驚き。親戚のオバサン目線で甥っ子の色恋沙汰を見守るような、そんな目線で親しめます。

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ベアリー・リーサル(2014年製作の映画)

3.4

肝心なアクション部分が控えめで、構成のバランスが悪いなという印象。
ティーンズ向け青春映画の筈なのに、男子と女子のどちらが観ても消化不良で中途半端。学園コメディとしては"あるあるネタ"に怯える主人公の
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追憶と、踊りながら(2014年製作の映画)

3.6

悲劇とは乗り越えるものではなく、寄り添い受け入れていくしかないのかもしれない。沢山の陳腐な言葉より、同じ悲しみを共鳴し合える存在がいかに心強いかを体現したベン・ウィショーの演技が素晴らしい。その奥ゆか>>続きを読む

グッド・ストライプス(2015年製作の映画)

3.9

たまに出てくる下北オシャレ感が鼻につくけど、現代日本平均カップルの身の丈に合った恋愛映画なんじゃないかな。
堅実なクセに、肝心なことは余り考えてない感じ凄くイマっぽい。でもそれで良いと思う。デキ婚で得
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あん(2015年製作の映画)

4.4

笑いどころも多く愛らしい作品だけど、他人の痛みに共鳴する強さが芯の部分にしっかり据えられているんです。
他愛ない会話に見え隠れする、世間に埋もれた不条理な哀しみ。そこに対する河瀬監督と樹木希林の息遣い
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ピッチ・パーフェクト(2012年製作の映画)

3.8

展開も選曲もありきたりで、グリーの焼き直しみたいな映画なんだけど、そのベタな要素を上手に見せるっていうオーソドックスさは確かなセンス。
なによりレベル・ウィルソン嬢の圧倒的な存在感ね。これだけで一見の
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ゼロの未来(2013年製作の映画)

3.3

好きか嫌いかと聞かれれば苦手。
己の幸せを願うばかりに世間から孤立する潔癖な男の話。その一つの願望に対して作品まるごと向き合ってるわけだから、受け手の問題ではあるが共感要素ないと退屈しちゃう。
でも監
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エヴァリー(2014年製作の映画)

3.8

アクション、コメディ共にゴア描写満載で抜群にセンスの良い出来栄え!ドラマパートがスピード感を削ぐことで切り替えの粗は目立つが、補う魅力は濃厚に際立つアクの強いキャラクターたち。90分という時間のなか、>>続きを読む

サンドラの週末(2014年製作の映画)

3.7

ドキュメンタリーのように描きながら、無駄のない会話劇の緊張感は巧みな計算のうえで成り立つもの。
弱者への優しさに伴う自分の責任とか、正論を突きつけることの残酷さとか、甘っちょろい精神論を悉く突き放す厳
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真夜中のゆりかご(2014年製作の映画)

3.6

人の業を静かに語る映画と思いきや、展開から心理描写まで案外丁寧に映し出されており、観客と作品の距離感は良い塩梅に保たれている。
主人公の罪とは驕りそのものなのだが、共感の余地は十分にあるうえ何より気の
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私の少女(2014年製作の映画)

4.3

児童虐待や同性愛差別、不法移民など社会の暗部とされる問題に、臆することなく対峙し紡ぎ合わせた社会派作品。
他人との関わりを隔絶された少女が真っ当な愛情に触れ、執着にも似た危うげな脆さを曝け出す様には、
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シグナル(2014年製作の映画)

2.7

全編に渡る気怠さに対し不釣り合いで壮大な結末は、トンデモ映画として2015年に名を残すほどの悪行。脚本は丸っきり破綻しているが、クライマックスのスローで魅せる戦闘シーンには光る映像センスが感じられる。>>続きを読む

メイズ・ランナー(2013年製作の映画)

4.0

空前のティーンズノベル・ブームということで、ハンガーゲームやトワイライトに倣い製作されたのが本作品。
奇抜な設定だけがウリの凡庸SFかと思いナメて掛かるも、急展開の連続で魅せる脚本の妙は見事なクオリテ
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チャッピー(2015年製作の映画)

4.1

泥臭い血塗れのヨハネスブルグで、叫ぶように生きる主人公たちの純粋な愛と狂気が堪らなくカッコいい。
ごっこ遊びの様に強奪を繰り返す彼らの野蛮さと、時代の最先端を象徴するチャッピーのテクノロジーの融合が生
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駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)

4.3

庶民文化に対する拘り抜かれた時代考証は、昨今の大河劇からも頭ひとつ出たクオリティ。
その上、まるっと当時からやってきたような満島ひかりの芝居は、単に若いとも言えぬ絶妙な年齢に差し掛かった独特の色味。艶
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白河夜船(2015年製作の映画)

3.9

恋愛体質。相手にのめり込むほど孤独に沈む女って不憫だよね。
ズルい男に会ったが最期、真面目な奴なら尚更厄介。「僕は駄目な奴なんだ」という自虐的な匂いを漂わせ、自分が悲劇的な運命の被害者の様に振る舞うん
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ザ・トライブ(2014年製作の映画)

3.2

どんなにエモーショナルな出来事が起きようと、役者の表情が寄りで迫られることはない。一切の全てを手話で見せつける聾の世界は、引きの撮影を通して健常者の観客と敢えての距離を生み出している。ここで起きる事に>>続きを読む

ラスト5イヤーズ(2014年製作の映画)

2.6

敢えての演出なのだろうが、視点を主演2人のみに固定する製作側の意図が空回り。周囲の祝福もなければ、支えもないので、現実感のないママゴトのような結婚生活に。
それらが起因した一連の出来事であるかもしれな
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

2.8

ジャンキー中年探偵が複雑に絡み合う問題を繋ぎ合わせ、裏に蠢く陰謀を炙り出すっつう、主人公はともかく筋は王道のハードボイルド。
事件ひとつひとつの素材はパンチが効いているからこそ、終始アンニュイな笑いの
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Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.5

普遍的な幸せを見た事のない青年と、それを知っているからこそ希望を捨てられぬ母の想い。彼らの間に生じる溝とは単なる感情の軋轢に過ぎず、恨むべき者が存在しないからこそ、一生かけて重い十字架を背負って生きる>>続きを読む

海にかかる霧(2014年製作の映画)

3.2

船員が抱える欲望が歪に絡み合い、究極の緊張感を機に心の醜悪さが引き出される演出は、さすがサスペンスの本場韓国の底力といえよう。
とはいえ冒頭の日常シーンでは登場人物たちの闇や怒りの種があまり描かれない
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寄生獣 完結編(2015年製作の映画)

3.4

謎の存在 田宮涼子の描写が原作よりもやや踏み込まれており、深津絵里の厳かな口調も相まって、パラサイトの存在意義に対する関心と同情を誘う。
だがひとつひとつの会話に時間を割き過ぎる癖があり、「ここは泣く
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シンデレラ(2015年製作の映画)

3.3

脇役たちの衣装と意識的に差を出したドレスの色味や軽さなど、その存在感を盛れる限り華やかに描いた舞踏会シーンは、シンデレラの原点的な味わいが楽しめる。
だがケイト・ブランシェット扮する継母が、なぜ欲に塗
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セッション(2014年製作の映画)

3.8

最高峰レベルのスパルタ教育とは寵愛なのかエゴなのか。結局それを決めるのは受け手側の才能次第であり、実力主義の酷な現実をまざまざと観客に突き付けた挑戦的な作品でもある。
鬼講師フレッチャーの在り方に対す
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子連れじゃダメかしら?(2014年製作の映画)

3.5

やはり下劣ネタをアメリカ人にやらせるとエグ味も増して逸品の仕上がり。家族ドラマだろうが容赦がない!おまけに野球ドラマや女子の成長劇やらと、USA全部乗せな感じが、コメディ版ラーメン二郎と称すべき盛り付>>続きを読む

ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

3.6

裁かれる事と許される事は別物であるというテーマは見応えあるが、裁判編で掘り下げるべき闇がおさわり程度でしか抑えられていないのが残念。
余貴美子演じる校長による興醒めのひと言もあって、個人的には大人時代
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