touchさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.5

"俺は悪い人間だから 天国には行けない"
* * *
うーん…微妙。
チベット仏教とハイテクが融合した村の描写は目新しかったが、アジア圏文化をごちゃ混ぜにする世界観は文化盗用と言われても致し方ない具合
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栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

3.8

"地獄に落ちろ"
* * *
これぞアート映画。
幻想的なおとぎ話の森に分け入っていき、夢と現実、過去と現在、生と死の線引きすら曖昧になる不思議な感覚。
枯葉を踏む音、風の音、寝息、鳥のさえずり…微か
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

-

"彼は永遠に私のもの"
* * *
監督来日プレミア試写会にて
不気味な"手"を介した危険な降霊術が有害と分かっていながらやめられない薬物乱用のメタファーに。
悪ノリを繰り返す若気の至りの果てに彼らが
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(2023年製作の映画)

3.8

"人間ってなんですか"
* * *
すぐには受け止めきれない衝撃作。
観ている間、ずっと息が苦しかった。
宮沢りえ・磯村勇斗の掛け合い、それを引き立てていくオダギリジョー・二階堂ふみの好演。
寄りのシ
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.4

"スパイは最高の俳優だ"
* * *
キノフィルムズより招待いただき試写にて
ガイ・リッチー監督が『コードネーム U.N.C.L.E.』をステイサム映画として語り直したら…という映画オタクの夢企画みた
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.8

"死にしがみつく者は生き 生にしがみつく者は死ぬ"
* * *
行く先に災いあり、疫病神と化したジョン・ウィック。
流れるような横移動の格闘がより演舞的に。ゲーム由来の俯瞰ショットなど趣向を凝らした見
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ハント(2022年製作の映画)

3.9

試写にて
イ・ジョンジェ念願の企画という初監督&主演作品
1980年代、軍事政権下の韓国で画策される大統領暗殺の陰謀…当時の政治的背景を忠実に捉えて、暴力の連鎖を描き切った超骨太なスパイサスペンスの野
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.7

"人をわかるとはどういうことですか"
* * *
今泉監督ならではの茶目っ気あるユーモアが随所に散りばめられているが、作品全体のトーンとしてはホラー風味。
監督の過去作とは異質で新鮮だった。
.
井浦
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台北ストーリー(1985年製作の映画)

4.0

"結婚は万能薬ではない"
* * *
誠品生活日本橋『深夜書店~本とアートと台湾と~』上映にて
アメリカや日本など諸外国に影響されながら経済的に急成長する台湾、家族や友人関係、金銭のしがらみに振り回さ
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.7

"人にはいるべき場所がある"
* * *
南イタリア港町の抜群のロケーション。
ゴッドファーザーも裸足で逃げ出す勧善懲悪守護天使マッコールさんに目をつけられたが最後、壊滅待ったなしのシチリアマフィアの
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.4

"道を誤らないでね"
* * *
Filmarks試写会にて
巨匠マーティン・スコセッシ監督作、全てが上手すぎる。
3時間半の長尺でも退屈させない脚本、見せ方、編集のキレの良さに感服。
キャリア最高を
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

3.6

"わたしはいつも間違えるから"
* * *
冒頭の精肉作業からB級スプラッターの予感が高まり、家族・友人からの仕打ちで溜まりに溜まった主人公の不満や怒りが次第に明らかになっていく、が…
安直なリベンジ
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.5

"ホワイトクリスマスだな"
* * *
熊は、います!!
凶暴化した捕食者の頂点を前に人間は木端同然…キャッチーなあらすじ、快活なコメディパートとは裏腹に「これが自然の摂理だ」と言わんばかりの容赦ない
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.8

"背骨が曲がっていたら 性格も歪んでいるとでも?"
* * *
期待以上の良作だった。
ME(筋痛性脳脊髄炎)をわずらう女性をサリー・ホーキンスが好演。
「簒奪者」のレッテルを貼られたリチャード三世の
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

"We have no choice."
* * *
台湾の劇場で観た。
物理学の専門用語が飛び交う討論、公聴会での聞き取りシーンなど堅い会話劇が中心となる3時間。
前評判で覚悟していたが、想像以上に
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僕と幽霊が家族になった件(2023年製作の映画)

3.6

Netflix配信で観た。
今年度アカデミー賞国際長編部門 台湾代表作品。
同性愛嫌悪の警官が運命の赤い封筒を拾ったことで事故死した見ず知らずの男性と冥婚することに…。
同性婚が認められるようになった
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.7

"誰もが弱さを認められたらいいのに"
* * *
変化球の遺産相続殺人モノ2時間ミステリー
原作2〜4巻の広島編がコンパクトにまとめられており、かなり見やすかった。
.
次第に明らかになる一族のトンデ
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フルタイム(2021年製作の映画)

4.1

"ここで働くならフェアプレーで"
* * *
フランス映画批評月間にて
スト&デモの影響で交通網が麻痺したパリで通勤に四苦八苦しつつ、家事と育児に追われ、その中で転職活動もこなす…中間管理職女性のマル
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

"シャンパンは表彰台までおあずけだ"
* * *
職人業に徹した監督の手腕。
偏愛的なメカの駆動描写も単なる車マニア向けサービスカットに留まらず、しっかり物語の熱量・加速に寄与している。
アカデミーの
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ほつれる(2023年製作の映画)

3.8

"一途なことって、理想的で良いことだと思いますか?"
* * *
言葉とは裏腹、隠しきれない動揺のシグナル…手の震えや微かな目の動きで匂わす門脇麦の抑制された演技。
田村健太郎演じる夫とのギスギスした
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シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

4.2

"夏が過ぎ去っても 演劇の感動は永遠に残る"
* * *
ディズニー社より招待いただき試写にて
こんなクィア・ムービー観たことない!
ひと夏の子ども演劇合宿に密着したドキュメンタリー風の内幕モノ。
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キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

4.0

"部屋に入るまでは帰らない"
* * *
試写にて
途切れることのない緊迫感で最後まで息もつかせない、ほぼリアルタイムの80分。
ドア一枚を隔てた押し問答だけで見応えある重厚なサスペンス劇として成立さ
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あしたの少女(2022年製作の映画)

4.1

"もっと早く知りたかった"
* * *
俳優ペ・ドゥナの唯一無二の魅力を再認識する大傑作。
高校生のソヒが職業実習生として送り込まれた先は、利益至上主義・過重労働の搾取が常態化する悪質な企業だった…。
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.9

ウルリケ・オッティンガー監督「ベルリン三部作」上映にて
痛快なアート映画だった。ワインにコニャックにビール…次々と飲み干す主人公の「片道の旅」は傍目には破滅的に映るが、彼女は一貫して解放の希望を追い求
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.8

"退屈、根こそぎ吹っ飛んでっちゃうようなの、見せてあげようか"
* * *
試写にて
岡田麿里脚本の真骨頂、ここに極まる快作!
時の檻の中で"変化すること"を禁じられた人々のそれぞれの想い…エゴと情念
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ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

3.7

"どこにも馴染めない"
* * *
未成熟な子ども同士の危なっかしい交流、大人の目の届かない所で起きる美化されがちな性的虐待の剣呑さ。
死体のフリや幽霊ごっこ、不穏な死の匂いが常に漂う。
スマホやSw
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ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

3.5

"少しは私のおかげですよね?"
* * *
ヒューマンドラマに重きを置いており、オケ演奏シーンに期待していると肩透かしを食らう。
その割に親子それぞれの葛藤にどう折り合いをつけて答えを出すのかという肝
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エリザベート 1878(2022年製作の映画)

3.6

"私は行儀が悪いの"
* * *
ヴィッキー・クリープスがシシィを好演。
王族として常に品位と美貌を求められる生活…窮屈さに徹底して抗う姿はいわゆる"わきまえない女"といえなくもないが、フェミニズム的
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

-

"目覚めたければまず眠れ"
* * *
試写にて
ハイキーで爽やかな彩色と内幕のモノクロ、書き割りっぽいのに奥行きがある不思議な背景、偏執的な横移動のカメラワーク…劇中劇のメタ構造が常に「舞台」を意識
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.2

"人生のすべてを味わって"
* * *
なんという人間讃歌!
今年イチ笑って、めちゃくちゃ感動した!
順調だったバレエ人生からの挫折、思いがけない出会いから始まる新たな日々への第一歩。
音楽と踊り、上
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アデュー・フィリピーヌ 2Kレストア(1962年製作の映画)

4.1

"ちゃんとモップを握れ! 缶を動かすな!"
* * *
これぞヌーヴェルヴァーグ!
軟派なテレビマンの端くれとまんざらでもない仲良し二人娘、付かず離れずの三つ巴。
なんとなく"映画づくり映画"として進
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.3

"オオカミがくる"
* * *
最初から最後までずっと凄かった…
エポックメイキングなストップモーションアニメの新境地、夢にも出そうな大怪作。
重ね塗りとスクラップ&ビルドを繰り返しながら3Dと2Dを
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疫起 エピデミック(2023年製作の映画)

3.8

"私だって家に帰りたい"
* * *
Netflix配信にて
SARS感染拡大が迫る2003年の台北、病院封鎖による混乱と医療従事者の奮闘を描いた台湾映画。
突然の封鎖に戸惑う人々、感染経路が分からず
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