春とヒコーキ土岡哲朗さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

春とヒコーキ土岡哲朗

春とヒコーキ土岡哲朗

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隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)

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惑星移民というSFな設定で、日常の差別に気づく。

移民受け入れや、違う人種を拒否する感情の話。
Xとの歴史的背景があって差別しているわけじゃない。ちがうというだけで怖がっている。ちがうから、乱暴な者
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

形が定まらない夢も、火と水のようで美しい。

絵が綺麗すぎる。
ピクサーはいつも最新のCGで綺麗な絵を見せてくれるけど、久しぶりに驚くほど綺麗だった。特に炎と水のゆらめきが綺麗。主人公2人が火と水なの
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

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嘘で塗り固めて、本物の幸せを掴もうとした男の半生。

ディカプリオ演じる主人公は、自分が生徒として転校した先の学校で1週間も代理教師になりすますという詐欺の天才。
その後もパイロットや医者など、いろん
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天国と地獄(1963年製作の映画)

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誘拐事件を通して人間の醜さが浮き彫りになる。

会社を自分のものにしたい頑固な権堂(三船敏郎)。そこに誘拐事件が発生。他人の息子のために身代金を払うか、自分の地位のために株を買うか、人間の本性を試され
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

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おかしなキャラたちで描く、挑発的反戦映画。

タイトルにもなっているストレンジラブ博士の登場シーンがめちゃくちゃ少ない。でも印象は抜きん出ている。マッドサイエンティストであり、姑息な政治屋。

無責任
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ゼブラーマン(2003年製作の映画)

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退屈な日常から抜け出す快感。

主人公は、父親としても教師としても虐げられているダメなオッサン。そんなオッサンの趣味は、ゼブラーマンのコスプレ。「ジュース買いに行っちゃおうかなぁ、この格好で」と屋根か
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ファニーゲーム U.S.A.(2007年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

我々も、この暴力の犯人である。

受け入れざるを得ない、映画へのアンチテーゼ。
二人の青年が映画製作者、一家が映画の登場人物、そして我々観客が観客、という状態の比喩だったと気づいて、「そういう意味か!
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月世界旅行(1902年製作の映画)

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短い時間でたくさん展開があって驚いた。

世界初の本格SF映画。
動きの緩急や、遠近法、折りたたまれるセット、水の表現……当時の技術での見せ方の工夫がたくさんあって、メリエスが魔術師と呼ばれたのが納得
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HANA-BI(1997年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

優しくて、暴力的で、儚い。

全体的に「静けさ」なんだけど、それなりのバイオレンス。途中、銃声のみが聞こえるシーンでは、静けさの中だからこそ痛みがある。
約100分とは思えないくらい展開と感情が詰まっ
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

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自分の才能を信じ続けた男の、喜劇にも見える奇行。

笑いを愛し過ぎ、脚光に執着する男・パプキン。
スターの代役を頼まれる妄想や、女性への自慢が痛すぎる。ことあるごとに母親に注意される幼稚っぷり。勝手に
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アイアンマン(2008年製作の映画)

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とにかくアクションシーンがかっこいい。

ロボットスーツ登場前の、兵器ジェリコのお披露目の時点で大迫力。
初めて空を飛び回るシーンのわくわく感がすごい。
大きなミサイルで狙われても、すっとよけて敵の戦
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GOEMON(2008年製作の映画)

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ド派手に落ち着いた、痛快娯楽映画。

江口洋介演じる圧倒的ヒーロー性を持った石川五右衛門が、ファンタジックな映像の中で、自由を求めて戦う。
“天下の大泥棒”という豪華な響きが本当に似合う、でかい男。光
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キャンディ(1968年製作の映画)

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意味不明、目的皆無、倫理違反しまくり。

ファンタジックな宇宙から、輝く海が映り、枯れた大地に美少女が降り立つ。キャンディの魅力が神秘的だってことだろう。とてもかわいい女の子が、不謹慎な不条理に巻き込
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仮面の男(1998年製作の映画)

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THE 誇り高き英雄物語。

セリフにもあるが、ディカプリオが「目」で二役を演じ分けている。若き暴君と、人生を奪われた青年。
前半は、仮面の男が物語とどう関係があるのか不明。だが、仮面の下の事実が分か
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

現実離れしている様で、日常に潜む無関心という罪。

冷え冷えとした感じで始まり、家族の食事が、なんかグロい。食事している人間ってのをまじまじとうつされると、欲の塊に見えて気味が悪い。
不健全な家族の日
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17歳の肖像(2009年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

後悔する恋愛で若者は学ぶ。

音楽会のシックさや、ジャズクラブのゴージャズさ、デイヴィッドがどんな仕事をしているかという興味など、ジェニーは知らない世界にどんどん手を伸ばしてしまう。

パリのおしゃれ
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

情熱がある、という呪いで地獄行き。


お笑いが全てと決めた若者が、世界の生きづらさに苦しむ。

おれにはこれしかない、と道をはっきり決めるのは視界がブレなくて良いことのように思えるが、それ以外の全て
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

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どでかいアドベンチャーを予想してたら、繊細な映画だった。

エンタメ全開の『サマーウォーズ』、ヒューマンドラマとして分かりやすい『おおかみこどもの雨と雪』は好き。だけど、『バケモノの子』、『未来のミラ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

事なかれ主義も加害者である。

クラブで踊る男たちの、下品な腰つきのアップを連続で見せられるところから始まる。男の脂ぎった性欲の気持ち悪さ。無防備に泥酔したキャシーを見て男たちは「もうそれがまずいって
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フィアー・ストリート Part 1: 1994(2021年製作の映画)

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異なるタイプの殺人鬼が同時に見られる。

タイプの違う殺人鬼が集まって、お得だった。
『スクリーム』風の殺人鬼がショッピングモールを襲う冒頭が迫力あって面白かった。そして、レザーフェイスやジェイソンの
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

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悪人であることに腐らずに、人とつながることに喜ぶ。


悪人でもなくしちゃいけない人情。

敵を惨殺する反省の色なしの受刑者たちが、強制的に任務に挑まされる。それなのに応援したくなるヤツらばかり。娘に
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バーン・アフター・リーディング(2008年製作の映画)

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真剣だって言い張ってずっとふざけてる映画。

ガッツリしたスパイもののようなオープニング。しかし、小汚いジョージ・クルーニーに、バカ全開のブラピ。特にブラピのバカ具合が面白かった。大事なときに鼻血を出
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バトル・ロワイアルⅡ【特別篇】REVENGE(2005年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

“ゲーム”よりも、それをさせる“社会”を取り上げた話。

メッセージが露骨すぎる。
RIKIは好きだけど。

「1」と同じことをやっても仕方ないけど、課題が「殺し合い」から「戦争」にがらりと変わって、
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シャイニング(1980年製作の映画)

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じわじわと豪華な映画を観ている贅沢さと、ニコルソンが斧を持ち出してからの盛り上がり。

オープニングからものものしい音楽で、「山奥」という日常と離れた空間に車と一緒に観客も連れていかれる。いろんなシー
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オーシャンズ11(2001年製作の映画)

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小粋で熱いスペシャリストたちの全員野球。

髭を剃ってどハンサムになったジョージ・クルーニー。さらに、ブラピの登場でジワジワこっちのテンションは上がる。仲間集めでどんどん粋なヤツらが揃っていく。バシャ
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

戦時の、人の心がパンクしていくのを描いた作品。

主人公たちが入隊のために坊主にするところから始まる。散髪屋で髪を剃るというワンアクションで戦争に放り込まれてしまう、カジュアルさが怖い。そこに大きな関
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ディア・ドクター(2009年製作の映画)

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平穏な町に不穏な嘘で影がかかる。
田舎の和やかさと、それを崩しそうな怪しげな雰囲気が入り混じる。
実はヤブ医者な男。自分のエゴでヤブ医者を始め、それが人の役に立つようになって、かえって罪悪感が芽生えて
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シャレード(1963年製作の映画)

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おしゃれで本格なミステリー。

オードリー・ヘップバーンがめっちゃかわいいし、めっちゃ面白い。

話の緊張感、オードリーの魅力、撮り方の巧さのマッチ具合が完璧!

「あなたの欠点は」「何だ」「ないわ」
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ハンコック(2008年製作の映画)

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珍しいヒーロー像を楽しめる。
みんなに好かれるヒーローになるための第一歩で刑務所に入る型破りさ。出所を求められ、ヒーロー的に銀行強盗撃退。この時点で第1話って感じの起承転結をしていて、一つのお話が終了
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バトル・ロワイアル 特別篇(2001年製作の映画)

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世の中を生きるということの一つの側面。

殺し合いの構図は、まったくの非日常ではない。どんなに各人の思いがあろうと結果が全てだという現実の厳しさを具現化した、超現実。

可愛らしい解説ビデオ(おめでと
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ライムライト(1952年製作の映画)

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人生を笑いに捧げた人間の叫び。
舞台上でパフォーマンスをするシーンも多く、本筋とは別に、それはそれで面白い。
主人公が、衰退していく自分と成功していくテリーを比べ、祝福する反面、嫉妬や自分の非力さへの
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インシテミル 7日間のデス・ゲーム(2010年製作の映画)

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見ず知らずの人間と信じあおうとするが、裏切られたら怖い。
主人公たちが車で連れて来られるシーンから始まり、最初から非日常で助走を省いているが、実験1日目ではまだみんな日常の感覚を引きずっているので、そ
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ナイト&デイ(2010年製作の映画)

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2大スターの爽快な娯楽映画。
オープニングからミステリアスな雰囲気で引き寄せられる。飛行機の中では、トリッキーかつワイルドな肉弾戦がかっこいい。キャメロンとトムのテンションの食い違いっぷりに、「この映
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大奥(2010年製作の映画)

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件ごとに描かれるキャラが限られていて、漫画をほぼそのまま凝縮したんだろうなと思った。
柴咲コウをたっぷり見られるのかと思ったら、オープニングで一度写ったきり、1時間くらい出てこない。ストーリーにはつい
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キサラギ(2007年製作の映画)

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緊張感漂うけど楽しい密室劇。
初めの30分、コメディかと思いきや、ミステリーへと発展。それも、何度もひっくり返っていく本格っぷり。そして、ほとんど登場しないのに中心人物である、如月ミキの特殊な存在感。
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バンテージ・ポイント(2008年製作の映画)

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視点多用が面白い。
短時間の出来事を何回も辿ることで重厚にするアイデアは、この映画が初めてではないにしても、完璧に使いこなしている。演壇に隠された爆弾が爆発するシーンは絶望度が強く、何回も繰り返すに値
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