春とヒコーキ土岡哲朗さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

春とヒコーキ土岡哲朗

春とヒコーキ土岡哲朗

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パージ(2013年製作の映画)

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自分も加害者だと気づいて変わる勇気。

間違っている主人公。
社会の不条理の中では、自分を正当化して家族を守るために道徳を捨てるのも仕方ない。奥さんも、子供が嫌がるのを聞かずにホームレスの腹を切る。息
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14歳の栞(2021年製作の映画)

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子供に見えても、あの頃から人間だった。

こんな映画、二度と作れない。中学生のとあるクラスに50日間密着。そう聞いただけでもデリケートな年齢の子たちに密着を許す学校なんてそうそうないぞ、と思わされる。
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

たくさんの可能性から、一つの現実を選ぶ、受け入れる。

ホラーテイストがたくさん。本当のホラー映画ほど怖がらせるわけではないが、ホラー的演出やビジュアルがあれば、怖がらせなくても「ホラー表現」だなと思
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

怖がって闇を見ていると、闇を理解しはじめてしまう。

人の闇と向き合っているうちに、自分に闇を感じてしまう。
主人公は、獄中の殺人鬼に頼まれた「一件だけ紛れている冤罪」の証明のため、独自で調査する。主
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

一見無機質にアレンジされた、やっぱり希望のヒーロー。

怪獣対ウルトラマン。
ウルトラマンの映画と聞いて怪獣とのバトルシーンを期待するが、ヒューマンドラマ、政治ドラマもある。そのドラマ要素に行く前に、
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チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ(2022年製作の映画)

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ディズニーなのに、と思うけどディズニーにしかできない。

アニメキャラ大集合。それも、ディズニーだけでなくいろんなアニメのキャラクターが出てくる。正直、日本人にはピンと来ないキャラクターが多かったが、
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さがす(2022年製作の映画)

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道徳からはみだしたところにも、苦しむ人がいる。

娘がシスターにつばを吐くシーンが一番笑った。怖い、暗い映画なのに笑ってしまうところがいくつもあったが、このシーンが一番豪快だった。そして「大人は分かっ
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

町で叫ぶおじさん、誕生の秘密。

狂人の暴走の全て。
ムロツヨシがどう怖いんだろうと思って見に行ったが、序盤はムロツヨシ演じる田母神が悪いと思うところが一切ない。無償で休日や仕事の合間を使ってYout
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

仕事とは、大人が本気で夢物語を現実にすること。

衝突はあれど、それぞれが真剣にやっている。
たくさんの人の手がかかっているアニメ作品。その一人ひとりが自分の作業にこだわりを持つ職人だから、監督の思い
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

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まっすぐシンプルにかっこいい映画。

キャラクターの変化を細かく描かなくてもいい。
トム・クルーズ演じるピート目線でずっと物語は進み、彼抜きでの若者たちだけの描写はほとんどない。だけど、各キャラクター
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

神話の破壊。

(2017年、公開初日に観た感想です)

シリーズを壊す問題作。それを最も象徴するのは、まっすぐな希望の体現者ではなくなってしまったルーク・スカイウォーカーだ。ダークサイドの力に怯える
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ありがとう。でも、まだ飲み込めていない。これから消化していく。

(2019年公開初日に観て、数日思いふけったときの感想です)


正直、戸惑っている。面白かった、楽しかった、ありがとう。でも、しっく
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

良いキャラぞろいだが、前提が悪すぎる。

ショッキングな始まり。ジョン・コナーが、T2のあとすぐ殺されていたという設定。しかも、シュワ型ターミネーターで動揺させた隙をついての攻撃で、T2の感動を思い切
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

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大満足のエンタメで有終の美。

今までの恐竜パニックに『ミッション:インポッシブル』を足して新しいものに。
恐竜が追いかけてくるのをハラハラと逃げるシリーズだが、今回は恐竜以外の要素でのアクション、ミ
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ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

国と国の信頼のお話。

過酷な世界の伝記。『モアナ』やスター・ウォーズのようにワクワクと明るい方面ではなかった。『モアナ』スタッフによる作品ということと、予告で砂漠地帯をアルマジロに乗って走る姿が、タ
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キャラクター(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

なりたい自分にあらかじめなっていないコンプレックス。

創造と本物。
本物の迫力を知らないからリアルなものが描けない、ということがコンプレックスの漫画家。これまでの人生で自分が培ってこなかったものを、
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海底47m(2017年製作の映画)

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海底に閉じこまれる恐怖を、完全に疑似体験。

サメ映画かと思ったら、サメ抜きでも怖い状況。サメ映画ってもはやファンタジーだけど、この映画は、自分がこの状況に置かれたら……と想像がしやすいシチュエーショ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

すごいことを成し遂げるには、命を取られるリスクが必要。

すごいものを撮ってやる、がモチベ。UFOの攻撃に晒される兄妹の話だが、メインのモチベーションが「生き延びる」とか「倒す」ではなく、「UFOを撮
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呪詛(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

恐怖が観客に降りかかるよう綿密に作られてるのが、陰湿。

観客への呪い。この映画の一番の特徴は、ラストで発覚する仕掛け。冒頭、娘を呪いから救いたい母親が、観客に向けて語り掛ける。「どうしても娘を救いた
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

25周年、ルフィの夢の意味を問う。

カリスマ歌手ウタを映画一瞬で作り上げる。25年やっている漫画で、映画一回きりのキャラクターが大きな存在感を放たなければいけない。そこへの力の注ぎように圧倒された。
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ランボー(1982年製作の映画)

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バケモノにされた人間の、同情と無反省。

主人公が、ホラーのバケモノ扱い。ベトナム戦争でPTSDになったランボーは、町を歩いていただけで不審なやつと認定されて警察に絡まれる。警察の異常なリンチで戦場の
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

信じたいものを信じ切れるなんて、類まれなこと。

たくさんの痛快な瞬間と、2匹のヤギ。うるさいヤギが面白すぎる。姿が見える前から、なんちゅう悲鳴だと面白さが溜まって、いざ姿が見えて大きい2匹のヤギだっ
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

残された者である自分がどう思うか、を大切にすればいい。

喪失感を癒す話。亡くなった人が、これから生きる人にどうしてほしいと願っていたか、という考え方を否定したのがよかった。前作主演のチャドウィック・
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

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徹底的に、日本。
 
元祖「ゴジラ」の2016年版。1954年、水爆実験に日本が巻き込まれた第五福竜丸事件。その年のうちに、水爆実験のせいで生まれた大怪獣「ゴジラ」の映画が公開された。放射能をゴジラと
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RRR(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

巧みに、パワー全開の原体験を見せられている。

またパワーマックスで「これがインド映画か」と楽しませてくれた。『バーフバリ』の監督の映画が、日本でも前作以上に多くの人に広まって話題になっている。見たら
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

迫力を完全再現と、一発目でかますまさかの配役。

まさかの、宮城リョータが主人公。原作でも、バックボーンが描かれずに一人だけ情報が薄いキャラクターになってしまった宮城。原作で同時に登場した三井の陰に隠
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

変えるためには、やるしかない。

願いを叶えるために戦う意味。呪いによってうつむいて生きる乙骨。しかし、それをプラスになりうると思ってくれた五条が、彼を呪術高専に入学させる。この出会いは彼にとって救い
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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

正しく強く成長したキャラクターたちに感動しっぱなし。

思う存分、最終決戦を楽しめた。前作の退屈さと打って変わって、今回はずっと重要なシーンで面白かった。今まで見てきたキャラクターが、勇ましく戦うのを
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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1(2010年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

うーん、次のクライマックスにすべての期待をかける。

最終章は二部作で余すところなく映画化したわけだが、省略してよかったと思う。
最初の、ハーマイオニーが両親の頭から自分の記憶を消す場面は、とても悲し
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ハリー・ポッターと謎のプリンス(2008年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

謎のプリンスが重要じゃないのが引っかかる。

今回は結構変なバランスの映画。スラグホーン先生の出番が多いのがまず不思議。物語も佳境に来ているのに、悪役ではなく、新任の先生が何を隠しているのか探るのがハ
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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(2007年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

闇を目前に、仲間に涙する。

ドローレス・アンブリッジ、一番嫌いなキャラ決定。ヴォルデモート陣営じゃない悪役という特殊な立ち位置で、ヴォルデモート陣営の誰よりも腹立たしい。ハリーを嘘つき扱いして「ぼく
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ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

分かってもらえないトラウマを持つことが何より恐怖。

ロンが最悪の思春期。
3大魔法学校の大会という盛り上がり要素と、ヴォルデモート復活に至るまでの暗さという、大きな軸と色があるんだけど、それ以上に気
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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004年製作の映画)

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大人の怖さが炸裂する。

シリウス登場の幽霊屋敷のシーンが緊張感がハジケていて面白い。ロンを助けにハリーとハーマイオニーが屋敷の部屋に入ると、ドアの裏に囚人・シリウスが。シリウスの汚い笑い顔や、まとも
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ハリー・ポッターと秘密の部屋(2002年製作の映画)

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ロックハートの重要性。

ロックハートという、比較対象であり賑やかし。小さいころはドビーが印象強かったが、ドビーの出番は3回だけ。一方、ロックハートが、賑やかしキャラの割にずっと出てくることに気が付い
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ハリー・ポッターと賢者の石(2001年製作の映画)

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詰め込みすぎて最高な異世界出発映画。

お金と気合いが入ってるから、今見ても迫力がある。20年前の映画なので、当時の印象に比べたら作り物に見えるところもあるが、それがあることで、その他の大部分は今見て
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劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

世界は圧倒的な力を持っている。

世界はたくさんの命を産むが、人間が世界を知ろうとすると命を落とす。人の命を自分の目的のために淡々と使える心のない人間を、心ある人間がどれだけ憎んでも、奪われた命は戻っ
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