二回鑑賞。
容易くは理解できず直接的な感情表現も間接的な意思表示もぎこちない人間達が空想上の役割を演じることで、互いに「家族」という役割を演じていることが浮かび上がる。同時に、捨象されてたノイズを知覚>>続きを読む
手と同じくらい足も重要な映画だと思った。
主人公は、柔らかな手で財布を弄り、足でアパートの部屋や廊下を行ったり来たり。だからこそ、壁・鉄格子に囲まれたあの場所への着地が綺麗。
駅のチケット売り場での集>>続きを読む
生まれて初めて、両親にも友達にも干渉されず、たった一人で何かを育て上げたという経験は、たとえ自分の身の破滅を招いたとしても、ティンヤにとっては成長だったのだと思う。
みはるの後ろにドコモタワーが見える場面が、素晴らしい。
みはると春樹の関係性の変化がとても丁寧に描かれるからこそ、小川さんが演じてる役柄に思いを馳せてしまう。
暗い部屋の中で行われる親密な関係性の構築は、白黒撮影によって艶やかに暖かく描かれる。でも、セクシュアルな関係性と親密な関係性は重なるようでいて、同じではない。
「あなたは友達だけど、大切な人ではない。>>続きを読む
60年以上前の映画の画面にここまで驚けるんだと感激した。同時にひどく怯えた。
病的な長回しも、無情なほど整理された巨大なオフィスも、こちら側を睨みつけてくる子供達も、ゲラゲラ笑い続ける群衆も、全ては寝>>続きを読む
最後の食卓が、本当に嫌い。
こういう「私たち善良で良識ある人間だけが真相に気づいていて、他の奴らはバカだからわからない」っていうマインドに陥るのわかるけど、そういうのを堂々と振り翳してるからいつまでも>>続きを読む
見た当初はあまり面白くなかったし、多分見返してもそんなに面白くないと思う。ただ、現実への解答をアメコミ映画が模索しているのを見るにつれ、最後にブルース・ウィリスが出てくる意義について考えるようになった>>続きを読む
殺人事件の犯人が果たして愛した男なのかどうかという謎で引っ張りつつも、後半からはほとんど「トキシック・マスキュリニティ」への恐怖が描かれている。
同時に、グロリア・グレアムが、必ず男性から「見下ろされ>>続きを読む
箱の中身はなんじゃろな的なアレは、デヴィッド・リンチも思い出すし、もっと言えばマクガフィンの先駆けじゃん!とか思った。
イメージが脈絡なく出てくるが、それらが視覚的にはつながってる(月にかかる雲→目を>>続きを読む
『サスペンス映画史』を読んで。ようやく見た。人間が失踪するサスペンス映画って考えてみたら多いな。
やっぱデカい列車が動き始めるのとか、馬に乗って銃撃戦とかカッコいいしアガるな。
しかも、これだけ盛りだくさんの内容なのに、一回も切り返したりクローズアップしたりしない。定点とパンだけで、画面を面白くし>>続きを読む
『RAW』や『junior』が人間の肉体の変容を気味悪く描きながら、最終的には割と普遍的な「成長譚」に収まっていたことを踏まえると、メタファーですらなく機械と合体した主人公が、破壊の限りを尽くした果て>>続きを読む
日常を破壊する暴動・紛争をワンカット長回しでしつこく描いた所で、「リアル」に迫った映像となることはないと、昨今のテレビニュースを見れば簡単にわかることだが、それでも本作のノスタルジーや感動に偽りを感じ>>続きを読む
もう4回ぐらい見てる。
こんだけ綺麗に面白く地元を撮ってくれたら感無量です。トランプの使い方は『緑の光線』かな。
誰かが誰かのことを思ってるという極めてシンプルな関係性でさえも、映画はスリリングで美し>>続きを読む
再鑑賞
『復讐 消えない傷痕』とほぼ同じ話だけど、『CURE』で会得したJホラー演出が冴え渡り、結果的にこれ以上恐ろしい映画はないのではないかっていうぐらい気味の悪い映画になってしまってる。
冒頭で「>>続きを読む
最初のヤクザの事務所で、長方形の金属探知機が部屋の真ん中にある絵面が、the1975のジャケットみたいでおかしかった。
復讐も真相も次第にどうでもよくなり、引き伸ばされたモラトリアムが終わるのを待って>>続きを読む
凄いなこれ。
冒頭5分からして怖すぎ。見ているこちら側の予想より数秒早く人が死ぬ。
ヤクザが人を殺して薬物を売り捌いているという500回ぐらい見た設定も、この映画を通して見ると平穏な日常を破壊する巨大>>続きを読む
再鑑賞
野原と森が広がる郊外の一軒家という典型的なアメリカの田舎の風景から見えてくる世界の終わり。
あの家にあったオルゴールの置物とか、暖炉の上の写真とか小道具の使い方も秀逸。
窃視オープニングからクライマックスの無差別攻撃まで、実話のゾディアックと『ダーティハリー』を連想。謎の真相を追うこと以外何もないバットマンは、陰鬱というより虚無的。そんな彼が遂に法的後ろ盾すら失う場面>>続きを読む
中学の頃に見て以来久しぶりに。
セリーナ・カイルがキャットウーマンになる場面で泣いてしまった。
仮面舞踏会で素顔になるブルースとセリーナ。
ドイツ表現主義とフィルムノワールの陰影が覆うゴッサムシティが>>続きを読む
品もないし芸もない。展開が矢継ぎ早だから飽きはしないけれど、「消費」した感覚しか残らない。商業芸術である映画なら、それは決して悪ではないが、投げやりなギャグの耐性がついてからは特に楽しくもない。
倫理>>続きを読む
ワイズ版と展開はほとんど変わってないのに、紛れもないスピルバーグ映画になってるから凄いと思う。
女性になったオルランドが宮殿を飛び出し城の迷路を走っていると、突然カットが変わり洋服が変わり時代が100年飛ぶというシークエンスには痺れた。カット一つで時代なんか超えてみせる映画のマジック。
確かに>>続きを読む