tntnさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.9

不毛の大地をひたすらに、本当にひたすらに「歩む」しかない時間の中、迫られる選択は膨大でもそれに対する結果はどこまでも宙吊り。「視線の演出」とかいう映画の醍醐味でさえも、この荒涼とした物語の中では信頼で>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

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今のモードじゃなかっただけで、多分傑作だと思う。

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

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写真=静止画だからこそ、「あの日、あの時、あの場所」という感覚が強まる。空港、廃墟、地下都市、博物館、パリ、墓地。ナレーションでいくら壮大なスペクタクルを語られても、全てはカメラが切り取った定点でしか>>続きを読む

ソク・ソク(2019年製作の映画)

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同性愛を扱う作品は多いけれど、エイジングや伝統的な家族制度への問いかけも含めているのは珍しいと思う。
しかもちゃんとロマンチックなのが良いし、ラストのやるせなさには映画を消費の対象で終わらせない作り手
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.8

ジャンクスリラーとしては文句なく楽しい。あくまでジャンクな領域に止まってるとは思うけど。

滝を見にいく(2014年製作の映画)

3.8

老人版『ワイルドツアー』
森の中で人間関係が育まれる様をどう撮るのか。

否定と肯定(2016年製作の映画)

4.2

陰謀論 ホロコースト否定論は、緻密かつ客観的な資料分析に基づいた歴史研究の一つではなくて、民族主義に基づいた恣意的な資料解釈によって生まれるデマである。
判決の後に、アーヴィングに握手をしないというの
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.5

トキシック・マスキュリニティ・ポルノ
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』から批評性を全部剥ぎ取るとこうなる

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

3.8

お母さんの言葉の一つ一つに知性が感じられるからこそ居た堪れなくなる展開。
テレビ、宇宙に希望を感じていた人々。
競争社会からドロップアウトして東ドイツに来たという幻想も今にしてみると切実な展開に見える
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

4.1

これとクリーピーと予兆で、全盛期の作風を再解釈し尽くした感じはあって、黒沢清がネクストステージ目指すのもわかる。正しくjホラーしつつ、ポスト311映画としても成立してる。いつ消えてしまってもおかしくな>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

-

後で色々考えるけど、とりあえず
『This must be the place』は、ストップ・メイキング・センスの時より好きだ。

逃げた女(2019年製作の映画)

4.0

『ブロークン・フラワーズ』という映画がある。ビル・マーレイ扮する、かつてプレイボーイだった初老男性が元カノ達の元を訪れる物語だ。映画が進むにつれて、この男は人との関係をしっかり築けないままこんな歳にな>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.5

ちょうどいい
ただ、この映画の中で「ジェントルメン」としての魅力を持ってるのが白人男性しかいないってのは、なんというか単純に「気になった」。別に娯楽映画としては及第点だと思うし、スラム街のアフリカ系移
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勝手にしやがれ!! 脱出計画(1995年製作の映画)

3.9

ふざけの中にある品の良さ。ジャンル映画のお手本。向こう側としての、オーストラリアや海という概念は確かに黒沢映画に頻出するし、それ以外にもダンボールやビニール袋なんかは、アメリカ製フィルムノワールにおけ>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

4.5

至近距離かつ真正面からカメラを向けられた時、人間は多分動揺する。
「被写体」になる経験を幾ら繰り返したとしても、カメラやその背後のカメラマン、映画監督の姿と対峙することを迫られると、俳優の表情にはほん
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勝手にしやがれ!! 強奪計画(1995年製作の映画)

4.0

可愛い。哀川翔も前田耕陽も菅田俊も洞口依子も國村隼も七瀬なつみもみんな可愛い。効率のいい長回しも決まってる。『蛇の道』あたりの超絶陰惨なノワールは、こういうひたすら楽しいエンタメの脱構築だったってのも>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

5.0

ウルトラやべえ
可能な限り最高の鑑賞状態だった!
1984『ストップメイキングセンス』
1985『the perfect kiss mv』
1986『サムシング・ワイルド』
毎年こんなに素晴らしい仕事
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.7

思えば、フランシス・マクドーマンドって、いつもアメリカの荒野に佇んでいた。回想の代わりに断片が語る不可逆な時間の堆積。シネコンのスクリーンに不釣り合いな静かで暗い映像。物悲しい空気に、時折漂う伝統的ア>>続きを読む

その女を殺せ(1952年製作の映画)

4.5

タクシーで説明される状況、首飾りが落ちた先に見える暗殺者、列車と並走する車と、全編「移動」が映画を進める。文字通り「narrow margin」な列車内を行き来して出会った人物は本当に探し求めた対象な>>続きを読む

トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして(2020年製作の映画)

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往年の名作や話題作も含めて、いかにハリウッドがトランスジェンダーの人々を偏見に満ちた視点で描いていたかがこれでもかと例示される。
こうした視点を獲得してしまうと、「過剰なポリコレ」「多様性が芸術性を曇
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Eggs 選ばれたい私たち(2018年製作の映画)

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映画の完成度としてどうこうと言う気にはあまりなれない。
あるいは、テーマとしての着地の是非を問えるほど知識や理解が追いついていない部分もある。というぐらい、「見たことない」「聞いたことない」「知らない
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.0

長い。これは劇場で見てナンボの作品だったな。
それでも面白い。
ストーリー自体は地上波のテレビドラマとかでも描かれそうな30代の女性の人生模様を追うだけなのだが、普通はセリフや数秒のカットで済ましそう
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ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

3.8

パーティー映画。
ドラッグとセックスの合間に書いてる詩が大評判になり、結婚式を台無しにされたはずの娘は簡単に父親と和解する。
こういうご都合主義への真っ当な批判は全て延々と続く浮遊感の前で霧散する。
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街の上で(2019年製作の映画)

4.3

「あんた、誰だよ」「お前、あの子の彼氏なの?」
こうした問いになかなか答えることのできない人達が、様々な場所で同じ時間を共にして生まれていく街。その時間は、曖昧模糊として、何の変哲もなくて、効率や生産
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山の焚火(1985年製作の映画)

3.8

後でもう一回じっくり見返したい。
友達は激烈にハマっていた。100人見てハマる人は10人にも満たないかもしれない。でもハマった人達は、一生忘れられない体験になる。芸術ってそういうものだと思う。

ミラーズ・クロッシング(1990年製作の映画)

3.8

ちょっと長すぎるけど、バイオレンスの厭さは流石だった。

夕陽の群盗(1972年製作の映画)

3.7

もっとリリカルな青春西部劇かと思ったら、意外と娯楽寄りだった。編集のキレの良さがかっこいい。彼らがもう少し大人になった姿を見たらグッとくるかもしれない。

脱獄の掟(1948年製作の映画)

4.3

クッソ面白い。
人間の感情がぶつかり合う時は、ただ会話でさえ、殴り合い、銃撃戦と同じく暴力的なシーンになりうる。
それにしても80分にも満たない尺に展開が詰め込まれていて一瞬も飽きなかった。
今まで見
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