実験することそのものを、ジャンルにしてしまうという意味で、真に革新的な「続編」なのかも。
一作目を超えたか否かは多分重要ではない。
映像表現の新たな地平を見せてくれる野心作というより、安心してこの実験>>続きを読む
コントラストのみならず、例えばピンクの淡い色合いは、画質の良いバージョンで見て初めて良さがわかる。他の作品も改めて良い状態で見返したい。
ローラとフォン・ボーンが、初めてデートしてからキスするまでのシ>>続きを読む
トキシック作家主義。
制作・配給・上映の全段階に、(おそらく本人の意図すら超えて)作家の権威があまりにも強く現れている。
興行として成立させるための手段なら仕方ない部分もあるけれど、少なくともそんな作>>続きを読む
踏まれる髪結や、桶を打つ雨音。最後の紙風船。
どうにもならない予感が細部に満ちている。
語られる物語以上の広がりを感じさせる演出。
普通に面白かった。
確かにグリフィスのクロスカッティングと、比較すると面白い。
前半の蜂起には、感情移入を利用したサスペンスとは違う緊張感がある。
メガネのイメージは、ほとんど主題として反復される。
公開の時に見てたのすっかり忘れてた。
前半は格好いい画面が多かった、ぐらいしか記憶がない。
音の演出も作り込まれてた気がする。
エンディングと、エンドロールの文面から検閲を潜り抜けた作品だとわかるって>>続きを読む
決して手放しの感動では終わらせてくれないが、物を作ること、物を考えることは、自分の置かれた構造を如何に変えていくのかを表明することなのだと、『ジャンヌ・ディエルマン』の製作過程そのものが教えてくれるみ>>続きを読む
幼い頃のことから宗教や政治のことまで対話できているし、遠方にいても必ずSkypeで話し合う(例えばジャンヌ・ディエルマンが、家に閉じ込められていたとしてもリモートで誰かと繋がれていたらとか考えてしまう>>続きを読む
本気で期待していたので、蓋を開けてみたら、構造的なことを考えても仕方なかったのかと、やや残念。所々の画面や演出は格好良かったんだけど、『X』のRJが惨殺されるシーンみたいな、一瞬でもテンションをガン上>>続きを読む
最近見始めた『ベルリンアレクサンダー広場』にしろ、本作にしろ、70年代後半のクロニクル映画の方が、ジャンルとしてのメロドラマに近接してる。
キャンプな要素が全面に展開され、ショットも編集も過剰。
ヒト>>続きを読む
授業で見て、特に予備知識も期待も無かったけど、めちゃ良い。
ドイツ製ヤングアダルト。
異性間で思いが通じ合ったかと必ず非対称な繋ぎで亀裂を暗示し、それは必ず後の展開で回収される。表面上はメロドラマを展開しながら、その根底に断絶や孤独を描く(そもそもサークやミネリのメロドラマがそういうも>>続きを読む
アンナ・カリーナ出てるからだとも思うけど、序盤はゴダールとか当時のフランス映画みたいな感じ。
言われてるほど鏡や視線の交錯はピンと来なかった。
面白いかと言われればそんなことはない。
なんだこれ。
終盤で主人公を罵倒して蹴りを入れる女の人が、ずっと敬称「Sie」を使ってるのが面白かった。
ファスビンダーの映画では「豚」「Schwein」が罵倒語で頻出する。
オープニングがめっちゃ『ジャンヌ・ディエルマン』。
行動を監視してる人間がやたら出てくるのが怖い。
日本家屋、日本の風景で純然たるメロドラマをやる時の一つの正解のような。
反復される音楽がドラマを語り、登場人物達は家屋に抑圧されて生きている。
隣に座ったお爺さんが、登壇した岡田茉莉子の似顔絵を熱心に>>続きを読む
ファスビンダーの白黒時代では一番面白いと思う。
様式的演出がほぐれてカメラワークや照明に意匠が凝らされているが、カラー時代のキャンプな要素はまだそこまで展開されていない。
オープニングクレジットとか普>>続きを読む
シャンタル・アケルマンは、粘土をこねるみたいに次々と空間を変形させる。
単に左右対称な画面の中央に扉が配置されているのではなくて、そこから「手前から奥へと」伸びる空間が生まれている。
と思ったら今度は>>続きを読む
映ってしまったものは、映したものである。かつて撮られたであろう謎のフィルム画面が最高に気持ち悪い。
序盤の「女優」のカメラテストの場面からして、フィルムカメラで人を映す行為そのものが持つ不気味さを感じ>>続きを読む
ドクター・ストレンジMoMのクライマックスの元ネタってこれ?
しかも、サム・ライミって、『死霊のはらわた』から『ダークマン』までは特に、身体をバラバラにしたりくっつけたりするぞ。
変な映画!でも面白い!
韓国映画久しぶりに見た。韓国行きたくなる。
コーエン兄弟をもう少し荒くコミカルにしたみたい。
クライマックスの家の格闘とか『ブラッド・シンプル』みたいだったし。
過去から現在、未来までのすべての出来事を一直線に繋ぐことを拒否するかのようなぶつ切りの編集と溶けるようなフラッシュバックは、目的や意図を持つ確固たる主体であるはずのリディア・ターの中にある「ほつれ」を>>続きを読む
おもしろ人間大集合みたいな感じ。
非常に良かった。
多分小学生の時に見て以来。
星条旗は、冒頭の大学やプロレス会場とかにも出てくる。(プロレス会場の受付がオクタビア・スペンサーだったのにびっくりしたけど、ここからゼロ年代のハリウッドの雇用状況が浮かび上>>続きを読む
再鑑賞
視線の演出は勿論、映画としての演出は今作が一番見応えがあった。
ただ、トランス女性を巡る表象については、時代の限界を感じる。
レプリゼントしたこと自体の意義と、激しく傷つき、連帯する人を失うと>>続きを読む
再鑑賞
改めて映像も物語も素晴らしい。
どうやって手をつけようかまだ悩むけれど、ファスビンダーは間違いなく面白い。
モノクロ撮影の強度が半端じゃない。
『サンセット大通り』×探偵モノを織り交ぜ>>続きを読む
「狂った機械」こと無人オートバイで爆走するクライマックスがやっぱり最高。機関車が間近に迫るところは、キートンと同じように叫んじゃった。
序盤の尾行シーンで、泥棒とキートンの動きが完全にシンクロするのが>>続きを読む
一回目でも凄い映画だと思ったけど、二回目見たら、発見があまりにも多くて退屈しなかった。
本当に素晴らしいと思う。
日常の細かな所作の反復と差異が、パターソンにとっては愛おしくて堪らない>>続きを読む
再鑑賞。
いけすかない親戚の連中が、ペタンクに興じるのがめっちゃ面白い。
一回目よりは楽しめたけど、やっぱりノレない要素の方が多いな。
正直言って、この作り手は、人文学も創作も政治的活動も、ナメてね?>>続きを読む
撮影格好良すぎ!
序盤の雷鳴と、結婚式の場面の鐘の音が不気味。
最悪な展開が上乗せされていく恐怖も最高だった。
レコードがループしたり、ラジオの音声がノイズで途切れ途切れになったり、音で遊ぶ演出が面白い。1940年にして、フリッツ・ラングは、ヒップホップ的感性あったんじゃないか?
照明や音がループし、愚昧な主人>>続きを読む