喪黒福造さんの映画レビュー・感想・評価

喪黒福造

喪黒福造

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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.9

こんな帰省先嫌だ、の究極系。
シリアスで不気味な雰囲気は上手く作られていると思うが、なぜこれほどまでに奇妙な慣習が行われるようになったのか、その全容が明かされることはなく、全てこちらの考察に委ねられて
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怪物(2023年製作の映画)

4.4

誰しもが食い違う主張や思い込みによって他人を傷つけたり、傷つけられる経験があっただろう。怪物とはこうしたすれ違いによって仕立て上げられる存在である。
だからこそ、しっかり向き合うことが出来れば、理解し
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.7

不安定な人間関係の下育ち、幼少期から人を痛め付けることで快感を得ることに気づいた主人公。決して抑えることの出来ない殺人衝動は、出所後すぐに猟奇的事件を引き起こし、その犯行の一部始終が明らかにされる。実>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.0

儀式が始まるや否やさっさと霊が憑依してくれるからホラー映画特有のもどかしさがなくて良い。オチも非常に綺麗。

イノセンツ(2021年製作の映画)

2.9

子供による能力自慢対決。
スリラーとしては弱いし、面白くなかった。

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.0

当時を象徴する音楽やファッション、スケボーなどのカルチャーと、人との繋がりや遊びを通して、楽しくて心苦しくもある青春を鮮明に映し出している。16mmフィルムだからこそ、90年代の様子を違和感なく楽しめ>>続きを読む

CUBE(1997年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

正にデスゲーム系映画の教科書。
パワー系、早死にするやつ、頭脳系、医療系、ニヒリスト、ゲームの鍵を握る異端児を1人ずつ配置すればはい完成。
皆で仲良く脱出したいけど、仲間内での殺し合いは必須。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1

IMAXで観ました。
流石、VFXの技術が素晴らしい。ゴジラの絶望的に高い戦闘力、それを現在持てる最新技術で存分に体感できた。

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.6

人間自身が肉体的な変容を遂げ、進化することが社会的問題の解決になる?
過去から見た人間の進化、新しい喜びと快楽の発見は信じ難いものであるが、それが世界的スタンダードとなる未来がやがて訪れる。
一見する
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.7

ボーが母に会いに行くってだけのストーリーだけど、その行程が大冒険になってる。母の注ぐ愛情は支配的でデタラメ臭いしヒステリック、ボーはそれにビビってる様子で、悪夢を見るようになったのはきっとママのせい。>>続きを読む

ヒミズ(2011年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

稲中卓球部やヒメアノ〜ルで有名な漫画家古谷実原作のヒミズ。それを冷たい熱帯魚の監督である園子温が実写化。日本社会に潜むクズ、タカが外れている人間の描写が酷くリアルで、精神的なグロさが心をえぐってくる。>>続きを読む

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.7

チタンやrawを観る限り、本監督は精神と肉体の変容を巧妙に交えて、愛とジェンダーという題材を表現するのが得意なんだろうなと感じる。
それも女性を主体として、動物的というか野性的な側面をしっかりと映すた
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.4

結構わかりやすい。お手軽なスリラー作品としては良い。

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.5

ただのホラー映画ではない、グロ要素あり。
ダディは...気の毒だったね。

武器人間(2013年製作の映画)

3.0

めちゃくちゃ面白いし嫌いじゃないんだけど、B級映画のグロって結構強烈だわ。

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

4.2

肉体的、精神的苦痛を伴う暴力描写が好きな人にはたまらない映画なんじゃないか。不快感は強めだけど、ラストシーンはちゃんと腑に落ちると思う。

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

4.2

カルトらしい意味のわからないコンテクストと生々しい描写がたまらん。
煩悩を悪とすることから義務付けられている禁欲を貫こうとする信仰心と、信仰心では縛りきれない人間的な欲望がせめぎ合う様がバカほど面白い
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.4

クラスメイトの一言や周りの視線で友人との関係に疑問を抱くようになるのは思春期によく起こる現象。今思えば、自分にもそういった時期があったなと。こういう子供の頃の感覚を繊細に描いた本作は刺さる人には刺さる>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.5

ミア・ゴスの目が笑ってない、無理やり作った笑顔が不気味すぎて完全に魅了された。あんなもんどうやっても殺されるルートから外れられない。
そんで母親には全く同情しないけど、あんなシリアルキラーに世話されて
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誰も知らない(2004年製作の映画)

3.6

周りの大人たちはうっすら気づいているんだろうけど、知らないフリをしてこの問題に踏み込もうとはしない。ネグレクトは母親だけの問題ではないだろうに、残酷な実態を突きつけられた感覚。この映画が公開されて20>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

3.7

辛い現実の中で生きるオフェリアが空想の世界に導かれるストーリー展開ではあるが、決してそのファンタジーの世界が煌びやかであるわけではない。掟を敗ればグロテスクな化け物が追ってくるし、妖精のビジュアルが全>>続きを読む

(2021年製作の映画)

-

ルンルン気分で散歩させていた生首を人間へと蘇らせ、よく分からん人物と結婚したかと思ったら速攻婚約破棄、最後には骨。
なんだこれって感じだが、クセになりそう、不気味だし、意味不明で面白い。
ストップモー
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

(この映画の解釈を忘れない様に、ほぼ自分用のレビュー..)

マリアは頷くこともできない知性の豚2匹に手足を与え、服を与え、食料を与え、甘い言葉と蜜で誘惑し、人間としての尊厳を与えて共同体となる。
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X エックス(2022年製作の映画)

3.7

老いと欲望、本作ではこの2つの性を激しいポルノ描写とグロ描写で見事に繋ぎ合わせている。
ただ、なぜこれがババアの殺戮衝動を駆り立てるのか、この映画の前日譚であるパールを観ない限りは常人には理解できない
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エスケイプ・フロム・トゥモロー(2013年製作の映画)

1.5

ディズニーで無許可撮影したっていう話に惹かれたが、考察もクソもない、何を伝えたいのかさっぱり分からないB級映画。意味ありげで何も意味が無いストーリー構成。嫌悪感が止まらないし、単純につまらん!

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.9

この祝祭では明らかな悪意を持って生贄を捧げているわけではなく、人類学の研究対象としてその慣習を見ることができる。だからこそ、衝撃的なグロ描写とエロ描写はただ残虐で気持ちの悪いものとして自分の目に映るこ>>続きを読む

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

4.5

極限までセリフを省き、音と情景をリアルに演出した本作。そんな美しいレイアウトが、聾唖者である2人の関係を、なんとも魅力的で愛らしいものとする。

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.7

孤独感とストレスを抱きながら、大きな責任がのしかかると、その人のアイデンティティは破壊され、信じ難い奇行に走ってしまう。その孤独感を断ち切ることこそ、彼女が幸せになれる道なのだと思う。

痛々しい描写
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ライトハウス(2019年製作の映画)

4.4

灯台の光と暗闇とのコントラストを強調するモノクローム映像、文学のように情景が迫ってくるコンテクスト、得体の知れない恐怖心を増長する轟音とダイナミックな音響。この映画の全ての仕掛けが観る者を閉鎖的で謎め>>続きを読む

ミスト(2007年製作の映画)

4.5

対人間と化け物との2種類の抗争の描き方が秀逸。さすが胸糞映画なだけあって、いつも後味の悪さに苦しめられるが、何度も観たくなる名作中の名作である。単なるSF映画ではなく、徐々に激化していく人間同士の対立>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

4.5

柳楽優弥、大泉洋、門脇麦の演技力が流石すぎる。脚本と俳優、美術も音楽も素晴らしい、これぞエンターテインメントであり、終始圧倒された。

芸人という厳しすぎる世界、それでもなお夢を追い続けるプロ根性は傍
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アス(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ジョーダンピール監督作品であるゲットアウトでは人種差別を、本作ではアメリカに蔓延る格差社会の問題をテーマにしている。

一家に突然襲いかかる同じ容姿、能力を持つクローン人間達。これは出処によって富裕層
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.5

作中で感じる違和感が終盤以降で綺麗に回収されて気持ちがいい。

ネタバレになりそうなのでほとんど話すことはできないが、アーミテージ家の目的を知ったらそれまでの点と点が繋がり、パーティーに集まった人々の
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