成瀬巳喜男の映画を面白いと思ったことが一度もないのが自分でも驚き。
専業主婦に疲れた主婦が自分の仕事を持とうと家出し, 社会の厳しさに直面して自分の甘さを痛感して帰ってくるという, それだけの物語>>続きを読む
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アパッチ族の隠し金山への地図を手に入れた保安官。彼と因縁のあるお尋ね者の一党がその地図を狙うが, 保安官は既に焼き捨てた後だった。悪党たちは保安官を捕らえ, 金山の場所へと案内させるのだった。その道>>続きを読む
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大英帝国領下のインドで発生した宗教紛争のさ中, 叛徒に包囲された砦からカラプールという都市までの500キロをオンボロ機関車で突っ走るという決死行。ストーリーだけで言えばこんなに単純なアクション映画は>>続きを読む
なんでこんな映画にジャン=ルイ・トランティニャンとカトリーヌ・ドヌーヴが出演する必要があるのか分からない。大筋は「暴走族に妻と子を殺された男が復讐する」ってだけの話なんだが, 時代が時代なのと, フ>>続きを読む
マカロニウェスタンは似たような映画ばかりなので, 時々同じ作品を途中まで初見と勘違いして観てしまう。本作もそうで, "爆破屋"が出てきてやっと思い出した。ストーリーでなくてキャラクターに記憶が紐付いて>>続きを読む
不快指数がどうとか, 愛すべきクソ映画とか, カルト的に騒ぐほどの映画では無かった。
素直に白状すれば, 予告編を見た段階では私もかなりの期待をしていたのだ。粒子の粗い画面, 陰鬱さと不穏さを助長>>続きを読む
ダリオ・アルジェントの原色の美学を体験するには映画館で見るのが最も適しているのではないかと思う。加えてゴブリンの喧しいBGM。やっぱりホラー映画は見世物でないとね。
クラレンス・ブラウンとグレタ・ガルボのコンビ作はこれ以前に『肉体と悪魔』を観ている。率直に言ってあっちの方が数倍は面白い(といって『肉体と〜』が名作だとは思わないが)。トーキー初期の映画であるためか>>続きを読む
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悪人が純粋過ぎる存在に出会うことで改心するというプロットは活劇の王道みたいなもので, 『どろろ』の原作の白面不動の話とか, 市川雷蔵の『弁天小僧』とかが代表例だ。
その場合重要なのは, 悪人たる登>>続きを読む
コナンの劇場版って, なんか年々ドラマが雑になってません? 爆破事件発生までが早過ぎぃ!
あと, カルタの名人がやたら出てくるのに, 結局主人公側が最強というお定まり。百人一首の特訓中に開眼した和葉>>続きを読む
ハーリン凋落のきっかけとなった不良債権映画。
本作の問題点はただ一つ。人間描写の失敗だ。ジーナ・デイヴィス以下個性的な海賊団を主人公にしておきながら, 彼ら同士での人間ドラマが全く描かれていない。>>続きを読む
市川崑といえば泉鏡花原作の映画化など, 「日本的伝統美の中に耽溺した」映画作家というイメージを勝手に持っていたのだけど, こんなハイテンポでスタイリッシュなサスペンス・コメディも撮っていたんですね。>>続きを読む
なんすかコレ。なんでこんな面白い映画を誰も今まで教えてくれなかったんですか?
そう叫びたくなる映画だった。
シドニー・ルメットという監督の凄さを本当に知った作品。アル・パチーノが素晴らしいのもあるのだが, とにかく主人公が「アッティカを思い出せ!」の一言で大衆を扇情していく場面の高揚感は他に類を見ない。映画>>続きを読む
『ザ・グリード』『ディープ・ブルー』と並んで私の世代には馴染みの深いモンスターパニック映画。
小学生の頃には随分楽しかった記憶があるのだが, 見直してみると丸出だめ男。あとの2作との差を感じる結果>>続きを読む
公開が『君の名は。』より前で良かったね, という映画である。それでなくとも, 『天空の城ラピュタ』とか『イノセンス』とか元ネタを思い出させる場面が多いんだから。
それにしても, こんな最近の作品>>続きを読む
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このアニメ映画は, キャリアの栄華半ばにして銀幕を去ったという往年の大スター, 藤原千代子の生涯を追うドラマである。映画の世界の内幕をアニメによって描くという行き方が既に面白い捩れを孕んでいるが, >>続きを読む
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冒頭, 泥土に塗れた砂漠を一人の男が棺桶を引きずりながら歩いている。
次の場面では女が鞭打たれている。下衆な笑いを浮かべた男達が縛られた女を取り囲んでいる。鞭が振り上げられること何度目か, 突如銃声が>>続きを読む
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レニー・ハーリンの初期作品。典型的なB級ホラーだがしっかりした演出力で楽しめる。
しかし不満点もないことはない。
先ずストーリーを説明しよう。
舞台は20年振りに運営が再開された刑務所。そこで初>>続きを読む
2001年製作のカーペンター作品。
面白いには面白い。しかし何となくパワーダウンしたような。どうしたカーペンター。
考えてみて段々分かってきた。21世紀でこんな安っぽい特撮をやる意味がないんだ。手>>続きを読む
この映画に関しては, 見て感じた印象を言葉を尽くして再現しようとすると却ってその印象がぼやけてしまう気がする。というのは, 所謂名作と言われる映画は小難しい部分が少なからずあるものだが, この『七人>>続きを読む
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冒頭で「人は集まると他人の陰口を言うことに時間を費やす。だから私は極力人を避けて生きてきた」という主人公の言葉が語られる。
プラトンが『国家』中において行なった善の「イデア」の証明が, 悪の「イデア>>続きを読む
ダリオ・アルジェントの最高傑作といわれているらしい。
たしかに, 今まで見たアルジェント作品の中では一番面白かった。
アルジェントの映画はどれもやたら大仰な言葉使いでなされる悪魔信仰や宇宙論の説明に満>>続きを読む
ホラー映画を好んで見ていながらマリオ・バーヴァの作品はこれが初めて。なんとも情けない。
幻想味溢れるオープニングの美しさもさることながら, その後の揺れる看板の大写しで始まる開幕など, 印象的なカット>>続きを読む
なにが恐ろしいってこんなワケの分からない作品がBC級ホラー映画の世界では良心的な出来だという事実である。演出は順当だしカメラワークも稚拙というほどでない(ところどころストーリーの繋げ方や役者の演技に不>>続きを読む
このところレニー・ハーリンの映画を本作含め何本か見たのだが, その上で断言することは, 本作がハーリンの最高傑作だということだ。「シリーズ物は一作目のみ傑作」の法則を破って意外と面白く出来てしまってい>>続きを読む
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正統派に見えて実は全身パロディというタイプがある。かの美空ひばりなどがそれで, 彼女は今でこそ演歌の女王のように言われているが元々は笠置シズ子の物真似として出てきたのである。ジャズを歌い, 時にはブル>>続きを読む
『ゾンビ伝説』というより『インディー・ジョーンズ ゾンビの秘密』とでもした方が良い。ホラーよりむしろ冒険映画的色彩が強い。監督がウェス・クレイヴンだけにちょっとしたアートっぽさ有り。
記憶を失くした女暗殺者, なんていう面白そうな題材をなんでこんなに詰まらなく出来るのだろうか。クールなスパイアクションにすれば良いものを「どんなになっても女は聖母」とアジる大通俗の保守的な映画に堕落さ>>続きを読む
宝の持ち腐れという言葉があるがこの作品がまさにそうだ。若山富三郎ほどの剣戟スターが主役の映画に銃撃戦を期待するバカがどこにいる? 脚本も行き当たりばったりなことこの上なく, 伊吹吾郎の存在意義が分から>>続きを読む
堕ちた巨匠みたいに言われてるJ・リー・トンプソンだけど, キャリア初期にはこんな傑作も撮ってたんですね。下手な人が撮ったらやっすいメロドラマになりそうな題材をキチンとサスペンスとして成立させている, >>続きを読む
今更初めて観たってのが恥ずかしいくらいの定番作品。この時代のアメリカ映画の軽妙さは今でも十分通用する。テンポが良いんだもの。コメディはあんまり見ないんで, ジョン・フォードとかウィリアム・ワイラーとか>>続きを読む
やっぱり沢島忠は錦之助と組んだのが一番。私が今まで見た数少ない沢島作品の中で最も攻めてると感じたのは橋蔵主演の『若さま』シリーズの二作だけど(こう言うと『森の石松鬼より恐い』を見てないのがバレる)沢島>>続きを読む
実写映画の監督5傑が, 黒澤溝口成瀬小津伊藤なら, アニメ映画の5傑は高畑宮崎押井今原となるのだろうか。一見いつものジブリ映画と変わらぬ出来のようにみえる本作も, 上の5人の作と比べると, 明らかに伸>>続きを読む
この映画を見ているさ中, ずっと頭の中に『アパートの鍵貸します』があった。あの映画で, 同じくジャック・レモン演じるバドの未来が, これなのかもしれない, はっきりした根拠はないがそう思った。
『アパ>>続きを読む
この映画を一言で表すなら, スキー版『トップガン』である。
原田知世がコケる。とにかく最初から最後までコケまくる。「内足の癖直せって言ったろ」このセリフ何回出た? 監督は内足に思い入れでもあるんですか>>続きを読む