psychedeliaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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万事快調(1972年製作の映画)

5.0

トリュフォーの映画はイマイチ面白いと思わないのに, ゴダールには妙に心を惹かれるのは何故なんだろ。意味は分からなくても, やっぱり面白いんだよね。冒頭のページ捲り&サインの気取ったリズムからして堪らな>>続きを読む

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

5.0

こういう映画は映画館で観ないと駄目なのだと, 分かっていても我慢出来ずにDVDなんかで観てしまうのが意志の弱い証拠。でもよかった。思った通りの活劇大作だったので, 観る前よりも映画館で体験したいという>>続きを読む

食人族(1981年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

本作を初めて劇場で鑑賞したことを記念して再レビュー。
随分以前のことだが,新聞(たしか朝日だった)の文化欄に,パンクロック,正確にはロンドンの初期パンクに関する記事が載っていたのを読んだことがある。手
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ザ・フライ(1986年製作の映画)

5.0

監督がクローネンバーグなのは知ってたけど,メジャーな映画だから,過激な描写はないと思っていた。結果は....
やっぱりグチャグチャのネチョネチョでした。この親にしてこの子あり。この監督にしてこの作あり
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江戸の悪太郎(1959年製作の映画)

5.0

さすがはマキノ雅弘の職人藝。上映後次第に場内に明るみが戻る中でそう唸らされた。
戦前の時代劇全盛期と違い,保守的な映画作りが目立った戦後の時代劇の数々の中にあって,それでも清新な人間ドラマを撮り得た数
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PicNic(1996年製作の映画)

5.0

新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』が公開ということで,観た。
美しい画が沢山あった。それは光景の美しさではなく,人間がいるからこその美しさだった。岩井俊二は非日常の中の日常を映して一編の透明なファン
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ドラえもん のび太のパラレル西遊記(1988年製作の映画)

5.0

旧ドラえもん映画全25作中文句なしの最高傑作。芝山努の演出は,東映時代劇でいうと佐々木康のようにメリハリがないことに特徴があるが,本作は純粋な活劇に徹したためか見違えるほど冴えている。ドラ一行と三蔵法>>続きを読む

ターミネーター(1984年製作の映画)

3.0

惜しむらくは本作の出来が良過ぎたことだ。こういう映画は少々引っ掛かりがある方が面白い。
具体例を挙げればターミネーターの攻撃の仕方があまりに人間と変わらないこと。設定から考えればそれが自然だけど,敵の
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ドラえもん のび太と鉄人兵団(1986年製作の映画)

2.0

原作と違ってリルルの言動をぎこちなくしたのは間違いだったと思う。彼女はスパイロボットだから人間と全く変わらない所作が求められるし,ロボットが人間の歴史を繰り返していることのメタファーとしてそれははたら>>続きを読む

ケイン号の叛乱(1954年製作の映画)

5.0

本作の一番の欠点は欠点が無さ過ぎることだ。あまりに劇映画的に出来過ぎていて,却って現実感がない。
特撮の出来は最高だし,軍法裁判の応酬劇も実にサスペンスフルだ。だが,題材に見合ったギラギラした人間関係
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ドラえもん のび太の海底鬼岩城(1983年製作の映画)

5.0

これは良いね。面白い。
旧ドラ映画の中でも『大魔境』『竜の騎士』と並ぶ佳作でしょう。次点はぐっと落ちて『日本誕生』や『アニマル惑星』辺りかな。
本作のゲストキャラクターのエルは,新ドラの映画まで含めて
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映画ドラえもん のび太の人魚大海戦(2010年製作の映画)

2.0

大学生にもなってアニメなんか観るもんじゃない....そう思いながらも観てしまうのが趣味人間の悲しい性。しかも幼少期のバイブルたる『ドラえもん』とあれば尚更。年寄りが未だに『鞍馬天狗』に魅かれるのと同じ>>続きを読む

ドラえもん のび太の魔界大冒険(1984年製作の映画)

3.0

旧ドラの映画の中でも名作の呼び声が高いが私はあまり好きではない。リメイク版を観てからその気持が強まった。藤子・F・不二雄にしてはストーリー運びがやや雑で,リメイクがそこの欠損を上手く補填していただけに>>続きを読む

エル・ドラド(1966年製作の映画)

5.0

本当はこういう映画をテレビ画面で観てはいけないのだと思う。ジョン・フォード,ハワード・ホークス,ウィリアム・ワイラー,こういった面々の大作映画はやはり劇場の大画面で観なければ本当の楽しさは分からない。>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い(2007年製作の映画)

3.0

初めて全編通して観られた新ドラの映画。(以前『新鉄人兵団』が酷すぎて途中で観るのを止めた)
私は旧ドラの映画は世間の評判ほどには出来の良いものだったと思っていないので,この新劇場版に旧版よりも勝る要素
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暗くなるまで待って(1967年製作の映画)

5.0

リチャード・クレンナって若い頃は随分とナイスガイだったんですね。『白いドレスの女』での情け無い役柄のイメージしかなかったので一つの驚き。
この作品はアメリカ映画なのだが,007シリーズで名高いテレンス
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張り込み(1987年製作の映画)

5.0

アメリカ映画界の80年代最高の職人監督と言われるジョン・バダム。お手並み拝見とばかりに観てみた。
何で今までこんな面白い映画を観ていなかったのだろうか。スリルありアクションありロマンスありの,80's
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劇場霊(2015年製作の映画)

1.0

『女優霊』が面白かった,という理由だけで何も前調べなしに観た。
共通点は...柳ユーレイが出演してることだけだった。(しかもカメオ出演レベルのシーンの短さ)
人形を題材にしたホラー作品は,日本では『怪
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映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

5.0

この映画の主演は事実上はクレジットの通りジャクリーヌ・ビセットになるのだろうが,その実だれも主演でない,登場人物全員が主役の映画である。劇中劇の主演俳優から記録係に至るまで,一人ひとりを映す時間が殆ど>>続きを読む

ベスト・キッド(1984年製作の映画)

5.0

観るまではパッケージと前評判の印象からてっきりカンフー映画の一種だろうぐらいに思ってたのが蓋を開けてみたら青春映画だった。しかも80年代ヤング・ムービーの王道をゆく,特に独創味のないあっさりめの恋愛を>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦(2011年製作の映画)

3.0

クレヨンしんちゃんでやる必要のない映画だった。しかもしんちゃん映画というよりレモンちゃんの映画になっている。『八つ墓村』みたいに。
シリアスなドラマや文芸映画はともかく,活劇に関しては子供と大人の嗜好
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タイタニック(1997年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます


これはハリウッドでしか作ることの出来なかった壮大な悲恋物語だろう。時々,この映画がロマンス物として撮られたことに苦言を呈するコメントを見掛けるけれども全く賛同できない。タイタニック沈没事故が何故あ
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生首情痴事件(1967年製作の映画)

5.0

そのむかし大蔵映画という映画会社があって,ユニークな作品を作っていた。設立第一回作品の『太平洋戦争と姫ゆり部隊』(たしか70mmの大作ではなかったか)を除き殆どが成人映画だったが,当時の成人映画はにっ>>続きを読む

海女の化物屋敷(1959年製作の映画)

4.0

"海女映画"なるジャンルの存在を知ったとき,その新東宝らしい悪趣味に己のゲテモノ喰いの本性を大いに刺激されたことを覚えている。
その系譜に累するものを今実際に観てみて,海女映画というのが実は「ジャンル
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下宿人(1926年製作の映画)

3.0

ヒッチコックのサスペンス第一作だそうで。
本筋に入る前の前奏曲の部分,つまりマクラのところで多用される字幕の効果が当時としても珍しい工夫を凝らしてあり,ゴダールを想起させて面白い。ヌーヴェルヴァーグの
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ニューヨーク1997(1981年製作の映画)

4.0

ジョン・カーペンターの映画を観るのは久しぶりだ。本作も名画座でやるまで待とうと思っていたのだが,急にアクション映画の気の利いたやつが観たくなって,矢も盾もたまらずに観た。
面白い。と先ずは言っておこう
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アンジェラ・マオの女活殺拳(1972年製作の映画)

5.0

アンジェラ・マオのカンフー映画はいくつか廉価版が出たので観やすくなった。レンタルビデオ屋にも一二本は置いてあったりする。
未だなかなか観られないのがノラ・ミャオだ。彼女のベスト・アクトは『ドラゴンへの
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ドラゴンへの道(1972年製作の映画)

5.0

ブルース・リーって,陽気な役の方がよく似合いますね。
ちなみに原題の直訳は「ドラゴンの方法論」だそうです。「ドラゴンへの道」だとThe way to the dragon だもんね。

コクリコ坂から(2011年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

間違ってclipしてしまったのでレビュー書いとこ。
たしかこれはちゃんと劇場で観たんだ。それは覚えている。
ただ,細かい話はあまり覚えていない。学生運動の種火みたいな生徒たちの物語だった気もするんだが
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一心太助 天下の一大事(1958年製作の映画)

5.0

かつての東映のエース監督,松田定次は,いくつかのインタビューの中でマキノ雅弘に関連して次のように答えている。
「沢ちゃん(沢島忠監督)が東映で一種沢島流みたいなものを作ったでしょ。(マキノ雅弘は)ああ
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眠狂四郎 炎情剣(1965年製作の映画)

5.0

この作品の原作は確か正編の短編集の中には収録されてなく,アウトテイク集のような一冊に纏められていたと記憶している。しかもそれほど印象の強い原作ではなかった。
この映画版はそれを脚色することにより時代劇
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BU・SU(1987年製作の映画)

5.0

優れた作家は名を上げるためのチャンスを決して無駄にしないものだ。どんな小さな,不利な局面であろうともそれを打破し,己の藝術を世に問はんとする。
サム・ライミ,ピーター・ジャクソン,塚本晋也....イン
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太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

5.0

ヌーヴェルヴァーグ以前のフランス映画を殆ど観ていない眼からすると,こういう本式のサスペンス映画がフランスにあるということに理不尽な驚きを覚える。まともに考えれば日本でもATGと東映が同時に在ったように>>続きを読む

都会を動かす手(1963年製作の映画)

5.0

この映画を早くDVD化してもらいたい。若しくはどこかの名画座で上映してもらえないものか。ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞した傑作だが,日本での知名度はゼロに近い。
そもそも監督のフランチェスコ・ロージ
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先生のお気に入り(1958年製作の映画)

5.0

こういう映画を撮れてしまう辺りがアメリカ映画の巨人たる所以だと思う。確立された映画の理論体系。映画大国と称されるにしくはない。
その為にすれっからしの映画ファンからは忌み嫌われることも多い。それは例え
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ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり(1985年製作の映画)

5.0

生首を持ったジャケット画像で有名な本作。実はラヴクラフト原作なんですってよ,奥さん。
物語はシュールの極みで,奇天烈な発明に熱中するルームメイトのために学長を殺されたり恋人を生首にレイプされそうになる
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