このレビューはネタバレを含みます
変態映画と聞いていたけれど、そこまで過度な描写はなく、耽美な世界(特に饗宴のシーンの絵画的美しさ)と作り込まれたシナリオに魅了されました(シナリオに引っ掛かっかる部分があったので2度鑑賞)。
冒頭>>続きを読む
無償の愛と妄信的な愛が生んだ悲劇。
「誰も彼のようには愛せない」と語られるけどそりゃそうだ。あまりに不遇過ぎる...。でも、二人の関係性は時に可愛いらしく、バイクで走るシーンとか何だかんだでプチル>>続きを読む
狂気の連続!ここまでやってくれると生まれる心地良さ。愛から生まれた狂気の戦いなのだけれど、最後は愛そっちのけで開花したエゴとエゴのぶつかり合い。間に挟まれた彼女の悲痛さが...(種を蒔いちゃったのは彼>>続きを読む
原作は有名なカフカの小説。ある日目が覚めたら巨大な虫になっていたというあれ。
でも、この映画では虫をCGや被り物使わずに表現しています。大の大人が手足をもぞもぞさせ、甲高い声を捻り出してます。最初は>>続きを読む
手から剣が生える人間がバタバタと悪を薙ぎ倒す!訳ではなく、過去のトラウマに苦悩し迷走する話。ヒーローにしない所がさすがロシア。にしてもあっさり人殺しすぎなような...。
この映画はとりあえずチュル>>続きを読む
あんまり期待してなかったけどこりゃやられた!ドランを彷彿とさせるようなスローモーションの多用、空間と後半の舞台となる森の美しさ!とりあえず美的センスには惚れ惚れ。終始鳴り響く弦楽四重奏の不穏さもまた良>>続きを読む
火山の麓で暮らすグアテマラのマヤ族の話。グアテマラ!珍しい未開の映画ってことで鑑賞。
日本人からすると全く遠くにある民族の文化。それは自然への崇拝や霊導師なんかがいたり、古くからの風習が色濃く残って>>続きを読む
狂気!醜悪!泥濘を這い回った後の絶望と大量虐殺の後の拍手、何より少年の表情と刻まれていく皺が重苦しさと絶望を如実に語ってくれます。
簡単に人や作り上げてきたものを焼き払う炎。それに焼かれた628の村>>続きを読む
希望を簡単に踏み潰した後に与える絶望とか酷いよ大人たち。それでも、曖昧な霧の中の希望や光を見失わず歩き続けた姉弟の姿に心打たれます。
雪の中時間が止まったように立ち止まる人々を描いたシーンは鳥肌物>>続きを読む
女性の性的立場の弱さ、認識の甘いルームメートや男のがさつさ、知識ある大人たちの薄っぺらさ、形式的な世の中の冷たさに振り回される主人公。
手持ち、固定、長回しなどの使い分け上手くて、そこに浮かび上がる空>>続きを読む
「どんだけ文明が発達しても大事なものはなくさないようにしましょう」な映画。それを映像表現のあり方や資本主義に基づく主体性の欠如などを交えて説いてます。
言いたいことは分かるけど、いかんせんアニメの>>続きを読む
母親と二人の娘の愛憎劇。現在をモノクロで、追憶をカラーで描いてます(この辺もどことなくタルコフスキー風)。
ほの暗いカラーで描かれる追憶と娘の成長の日々。サーカスのシーンは幻想的でした。簡単に男に身>>続きを読む
閉塞感漂う冷やりとした映像美の世界。タルコフスキーに影響を受けたような水の使い方と光の使い方も幻想的で上手い。これだけでも見る価値はありました。
物語は自我と無知からくる恐怖に捉われた少年の話。 タ>>続きを読む
歪んだ性癖と互いの願望による行き違いを繰り返す愛が苦しい...。でも、1度流れ出した狂気は止める術がなく、跡形もなく消えた愛の後の空虚に何とも言い難い余韻が残りました。
宇宙開発に見る理想とその危うさに苦悩し、自身の描く思想に押し潰された一人の男の話。
時代背景もあり、登場する人々が理想に固執する姿が物悲しく痛ましい。繰り返される概念的言葉の数々はタルコフスキーに>>続きを読む
ゲーテの「ファウスト」を下敷きに、白魔術、黒魔術を織り混ぜながら幻想的に描いた作品。でも、この映画に出てくるのは悪魔と言っても人間で、内在する欲望に溺れてく。結局悪魔さえも思うままに動かしちゃったカト>>続きを読む
ワルシャワ蜂起の中、下水道に逃げ込んだレジスタンス。力なき抵抗の虚しさとその末路。生き地獄とも呼べるような環境の中でさらけ出された人間の脆さに心打たれ、戦争の陰惨さを思い知らされる。
抵抗3部作。他も>>続きを読む
「オイディプス王」が原作の物語。でも、パゾリーニらしく時代が交差したり(時代が変わっても人間の本質は変わらないってことを伝えたかったのでしょうか?)
まず目につくのが荒廃した景色の美しさ。特に父親>>続きを読む
オリヴェイラいわく「古くて新しい社会問題を描いたお伽噺」だそう。貧困によって卑しさを抱えた人たちを皮肉たっぷりに描いてます。
盲目のじいさんが持っているお布施を集めた箱を巡って、周りの人たちの妬み>>続きを読む
汚物やら拷問がめちゃくちゃ直接的に描かれててびっくり。盛大にやらかしてます。この監督やっぱぶっ飛んでるなー。
構図の美しさがあるから序盤はまだある種の神聖さみたいなものも感じれたけど、中盤から終盤>>続きを読む
戦争の空虚さを歴史や神話を交えながら語ってます。途中に混じる神話の安っぽさとかオリヴェイラらしい。悲惨で虚しいラストは人間の愚かさを思い知らされます。
不穏で陰気な2時間25分。 作中、老人が語る「非音楽の実現」という言葉通り、終始不協和音を聴かされてるようなつかみどころのない映像。でも、引き込まれてくから不思議。
長回しの連続の面白さもあるのかもし>>続きを読む
追憶の白さと現実のほの暗さ、少年の言葉を呟くラストが印象的。言葉の力と美しさを堪能。暖かい映像ではないけれど、静かな優しさとか柔らかさに満ちてます。
昔出会った女性を探し求める男の話。でも、ストーリーに深い意味はなく、切り取った街並みの美しさとそこに流れる時間に惚れ惚れ。写真集眺めてるみたいな感覚。登場人物も美男美女ばっかでBGM的映画に調度良いか>>続きを読む
映画監督と新米女優の恋、芸術と現実の矛盾と混在をモノクロで映した映画です。
アンチドラッグ映画を作るための条件が「ドラッグを運べ」という皮肉。でも、フランソワが嫌悪は感じながらも割りきって映画作り>>続きを読む
イタリア統一に揺れるシチリアと貴族社会の衰退を一人の公爵の目線から描いてます。
主人公のサリーナ公爵は地位も権力もあるのに1歩引くところは引けて魅力的な人物です。演じるバート ランカスターは恥ずかし>>続きを読む
南仏の港町でのモラトリアム。 詩を作りながら過ごす淡々とした日常と自分探し。
まず目につくのが舞台となる港町の美しさ。主人公が佇む白い墓地と奥に広がる海が印象的。やっぱりヨーロッパの町って立ち並ぶ家>>続きを読む
宗教と性の関係、過去との決別を主人公のトラウマと混ぜて描いてます。依存、嫉妬、執着とかホドロフスキーの中では分かりやすい。でも、良かったかというと別の話でエログロが多く、死が軽く扱われる世界観にあまり>>続きを読む
もっとシュールなの期待してたな。ジャケットのインパクトに負けてます。
姿形は黒人男性な宇宙人の日常。言葉も分からず、見るもの全てが初めてな世界で起こるドラマを描いてます。
コメディーとかドラマとか>>続きを読む
うん、とってもダーク。こういうアニメ探してました。
舞台は惑星イガム。ここでは人間より大きいドラーグ人が暮らしていていて(ドラーグ人に比べたら人間はありんこサイズ)、人間はペットとして扱われたり害虫>>続きを読む
自分なりの悦楽に浸る人達。で、それを描くのがヤン シュヴァンクマイエルだからちゃんと行くとこまで行っちゃってます。
粘土で作った模型に一枚一枚羽貼ってったり、パンちぎって丸めたり、大がかりな機械作った>>続きを読む
出会いも別れも唐突な愛。二人が過ごした時間はアントワーヌの踊りのように我流で私的な二人だけのもの。
「愛されてると確信している人間はどれほど大胆になれることか」
と言ったのはたしかフロイト>>続きを読む
15才のポーリーヌが触れる大人の世界。
狡猾で好色なアンリと、典型的な「いい人」なんだけど少し鬱陶しいピエール。愛に燃えたいと言い、アンリに惹かれるマリオン。
そんな大人達の色恋沙汰に振り回されたポ>>続きを読む
自殺願望のある男が自殺の協力者を探すという話。その方法は車で移動しながら乗っけた人と世間話をして、最後に「自分の名前を呼んで、起きなかったら土をかけてくれ」と頼むというもの。
最初の設定からしてあんま>>続きを読む
直接的に描かれるカニバリズムと示唆されるだけの獣姦。神がかってさえいる原始的信仰(最後のセリフにはこっちが震えました)と互いの弱みをチラつかせながら足を引っ張りあうブルジョア達。本来あるべき欲望となに>>続きを読む