TaTさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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(1956年製作の映画)

3.9

時代に翻弄されるポーランド。その中で暗躍するレジスタンスや内乱と裏切りを描いたミステリー。3つの回想とそこに浮かび上がる一人の人物。犯人わりとはすぐに分かってしまうのだけれど、暗く沈鬱な映像と緊迫感あ>>続きを読む

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.5

ホドロフスキーが芸術や映画の力を信じてるんだとよく分かる。そしてホドロフスキーの偉大さを思い知らされる。それにしてもダリとかミック ジャガーとか半端ない。やると決めたら命懸けでイメージを作り上げようと>>続きを読む

アワーミュージック(2004年製作の映画)

4.0

終始繰り返される想像や詩の重要性とそこから浮き彫りになる現実、垣間見えるゴダールのアイデンティティー。ゴダールは映画と現実の間に橋を作ろうとしたのでしょうか?想像と現実の丁度中間にあるような映画。

薬指の標本(2004年製作の映画)

4.2

事故で薬指の先を失った女は一人の標本技師の元にたどり着く。そこでもらった靴と標本技師のミステリアスな雰囲気に女は自然と飲み込まれていく。 

昔浴室だった場所で愛を重ねる二人。オルガ キュリレンコの恍
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毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)

4.1

ワンシチュエーションの会話劇。最初は演出家と女優のセリフ合わせから始まって、作中の劇が内包する問題の口論となり、徐々に演出家が物語の中に取り込まれていく。
二人の演技の使い分けが上手くて、段々その境界
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ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

3.7

自殺ごっこが趣味の色白少年と常識にとらわれないスーパーおばあちゃんの恋愛話。実は苦難もあり、それを経て自然を愛しながら自由に生きようとするおばあちゃんと、それに影響を受けて少しずつ変わっていく少年。二>>続きを読む

白い馬(1952年製作の映画)

3.8

これまた絵本のような物語。少年の純粋さと自分の力を誇示したいがためにそれ邪魔する大人たち。干潟、砂地、海、自然も美しい。モノクロの中の白い馬も。

赤い風船(1956年製作の映画)

4.3

絵本のような素敵な話。少年と風船の友情にほっこり。街並みも風船も綺麗。赤って好きな色。すごくアクセントになりますよね。

ウイークエンド(1967年製作の映画)

4.0

地獄のような週末を通して描かれる狂気。
序盤に出ててくる渋滞のシーンから度肝抜かれます。絶えず鳴り続けるクラクション。渋滞の車の間で行われてるキャッチボールやチェス、猿やラマが乗った車や馬車なんかも渋
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フィツカラルド(1982年製作の映画)

3.5

やろうと思わなければ何も成されない。にしてもこの時代にわざわざこれやるか?とは思う。でも、船での山越えは壮観だったしロマンを感じましたー。

セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

4.2

謎の追いかけっこ、逆さリンゴ通り、胡散臭いマジック、飴舐めてトリップ、全身タイツにローラースケート、黒魔術的飲み物、救出作戦。
訳分からないしほとんどが意味なんてない。「ただの悪ノリでしょ?笑」って思
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

5.0

今年最後の映画は2回目のロランス。 

なぜこうも全てが変わってしまったのか?男から女になったことで感じる隔絶。彼女(彼)は終盤に語る。「目線は空気と同じくらい大事」だと。それは作品を通して注がれ続け
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ルナシー(2005年製作の映画)

4.4

最初パスタ食べながら観てたけど、 冒頭いきなり映るうねうね動く舌のストップモーション、その後豚の体からこぼれ出す臓物。そういえばヤンシュバンクマイエルの映画ってこんなだったと後悔笑

監督自信が「芸術
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黒猫・白猫(1998年製作の映画)

4.0

2時間終始ハイテンション。陽気な音楽と、底抜けに明るくてどうしよもなくバカでコミカルな人達。最後はやっぱりハッピーエンドでアンダーグラウンドよりなんも考えず楽しめました。愛すべきアホさが詰まった映画。>>続きを読む

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)

3.5

最後に踊る不恰好なタンゴがこの映画を象徴してる。男のエゴと徐々に表れる侘しさ、女の一時の過ち。あまり美しくはなかったなー。

アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

3.8

死んだ美人のお姉さんに一目惚れした青年が結び付きを求めて現実から離脱していく話。安っぽいCGは反物質の肯定なのか否定なのか。とりあえずこの監督はアナログなものが好きなんだろうな。

監督が101才のと
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.5

映像の迫力はすごいです。でも、ドンパチ映画久しぶりで疲れました。

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.6

ブラインドを通して分断された光、列車の窓から見える景色、荘厳な建物、今見てもオシャレと思えるファッション。印象的なシーンも多くて、惚れ惚れしながら見てました。
普通と異常、光と影、自由な女性と保守的な
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ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

4.5

観念的気違いの世界。ラブマシーンには笑った。色んな宗教を混ぜたホドロフスキーのアイデンティティーと世の中への警鐘を遠回しに極端に表現したらこうなったんだろうな。ぶっ飛び過ぎて清々しい。

アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)(1969年製作の映画)

4.0

伝記と史実と宗教。そこに浮かぶ苦悩の物語。愛をいくら説いても、希望を見出だそうとしても、繰り返される愚行。宗教はよく分からないけれど、信仰とか神への服従ってつら過ぎる。それでも、色彩豊かなルブリョフの>>続きを読む

叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.5

病床にある次女とその介抱のために集まった長女と三女。
死んだと思った次女が一度生き返るシーンにこの姉妹の関係が集約される。人を信じることのできない長女は「あなたのことは愛していない」と拒絶する。上辺だ
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ストーカー(1979年製作の映画)

5.0

「ゾーン」
そこは固定観念を捨てて、自分の本性と向き合う場所。「堅さと強さは死の仲間だ」と「ストーカー」は言う。常に柔軟に受け入れろということなのか。

道中描かれる「作家」と「教授」の対比。「作家」
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.6

戦争というものを挟んで流れる2つの時間。限られた中でも喜びを見出だそうとする人間の生と戦争に対する皮肉をユーモアたっぷりで描いています。戦争なんて結局一部の利権のためにあって、その他の人は自分の生まれ>>続きを読む

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

3.9

3部作の中で唯一男性が主人公でユーモラスな作品。冒頭の通訳を交えての裁判、後半の通訳を交えての取り調べにある種の復讐なのかと思わされますが、ラストのシーンで以前はあった存在と愛情をただ思いだして欲しか>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

3.8

「良い作文書けたらご褒美あげる。」と機嫌をとろうとする母親に対して冷ややかな目で見つめる主人公。そういうことじゃないんだよって。
理解してもらえない苛立ち。軽率な行動に感じるばつの悪さ。分かってはいて
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.5

ソラリスが作り出した最愛の人のコピーは「私は彼の良心だ」と語る。愛って人間が持ちうる最大の良心なんだろうな。
ソラリスの海は人間の心が形を変えたもの。考え、迷い、時に失ったものすら想像してしまう人間の
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メニルモンタン 2つの秋と3つの冬(2013年製作の映画)

3.3

ありふれた男女の恋愛話。出会いはとてもフィクション的。物語も一山あってそれを乗り越えてっていう、まあ「あるよね。」って言う筋書き。この映画の特徴はキャストがシーン以外の出来事や心情を観客に語り、観客と>>続きを読む

(1974年製作の映画)

4.3

観念的暗示の連続。自身を重ねた過去や現在の入り交じる物語は抽象的で難しい。でも、飽きずに見れるのは映像の美しさがあるからでしょう。自分の思慮の浅さを思い知らされるけれど、それでものめり込んでしまう。

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.6

子供の純粋さを描いた映像詩。アナの好奇心と強い眼差し、嘘を信じ続ける無垢さに心打たれます。3つ先のドアから見える少女の姿に、大人になった自分にとって遠くにあるものを感じさせられたし、逆に彼女が通るであ>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

3.8

ゴダールの当時の映画業界に対する批判や妻だったアンナ カリーナとの関係なども背景にあるんだろうな。
物語は何一つ決断しない脚本家と何一つはっきり語らない妻の心変わりを描いてます。最初は強がりだったのだ
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.4

大人の秘密って子供の頃には漠然としていて、段々と大人になるにつれ分かってくるものですよね。父親が最後に残した振り子に迷いながら揺れ続けた感情と、仲睦まじかった頃の親子の姿が浮かんでしんみりしちゃいまし>>続きを読む

トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

3.9

何もかもなくなった後の自由は空虚と選択の連続で、最後は途切れた楽譜と愛をもう一度紡ぐことに。残っている感情を振り払うために泳ぐ青いプールがとても綺麗。楽譜をなぞるように流れる音楽も面白く、物語に深みを>>続きを読む

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.3

心地良く流れる水の音と静かに流れ続ける映像。完成された構図と白黒とカラーが入れ替わる世界はただただ美しい。ストーリーは難解。でも、ものすごく浸れる映画。

サクリファイス(1986年製作の映画)

4.5

静かな美。家具や人物の配置、風景、全てが美しくそれだけでも圧倒される。

人間の罪と救いを求める儀式。言葉を取り戻した少年と枯れた木が希望だと思いたい。

サラゴサの写本(1965年製作の映画)

4.5

回想の中の登場人物の回想。これの繰り返し。ミニマルミュージックみたいな中毒性と何がなんだかわからない世界をさまよう心地よさ。カルト好きなら必見です。

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)

4.0

3部作の中でこれが1番綺麗。若い女と老いた男のストーリーがいたずらっぽく交差するところが良い。小物とか所々で出てくる赤と映像美も印象的。