上Kさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

上K

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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

3.9

素晴らしく振る舞いたくても、性格に邪魔される感覚ってあると思う。自分らしくあれ、なんて言われても自分らしさを呪いたくなることもある。そういった裏腹な部分が繊細に描かれてたかな。
これはある種の元来備わ
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死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

3.8

自首するかの葛藤を通して自由について考える展開も、その後の希望を持たせる描写も濃密だった。暗殺を通した、まさしく意味との闘い。
戦時中にその戦争を題材にしたこともあって、怪物みたいな映画だと思った。展
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地獄門(1953年製作の映画)

3.8

まさかサスペンススリラー的なヤバイ展開だとは…。でも後味は切なさが圧倒的。
袈裟がとった選択は本当に複雑。でも板挟みの状況で理不尽と向き合うとああなってしまうのかもしれない。
渡の最後のセリフなんかは
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

3.4

ドキュメンタリーアニメ。もっと生々しい現実があるのだ、と言う前提で一連のアニメーションを眺めることで、なかなか幅広いことを思わされた。
記憶は現実そのものではないとすれば、アニメのようにしか振り返れな
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.8

器が広かったな、と思う。劇場を出る時に安心感が胸にあった。別に映画の結末自体に安心感を覚えたわけではなく、この映画の眼差しに安心感があった。
世直しを謳ってある人の決断を糾弾する前に、根本的に人間はど
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アルマゲドン(1998年製作の映画)

3.2

映画だった。「画面の外には無限の可能性が」みたいな。予定調和は立派な映画の醍醐味なんだろうと思った。皮肉とかではなく。

ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

3.7

その人の性質と行いは本当に密接なんだろうか。
どれだけ関係が深い相手でも過去を知ってしまうと印象が変わるというのはよくある話だけど、過去の出来事だけで印象を決めていいものか悩んだりするよね。
生まれな
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トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

とっても面白かった、ファミリー群像劇。
スムーズに壊れていくような家族。
それでも、一旦全部ぶっ壊れて各々が死を明確に意識してからの、月の光…。これは口開けてぼーっと聞き入ってしまった。崩壊した家庭な
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.6

勢いがもの凄かった。登場人物の運動量もそうだし、唐突で収拾つかない(あえてつけない)構成も相まって、エネルギーが尋常じゃない。ナイス気まぐれ。
動きまくった結果どうでも良くなる心情ってのも爽やかでいい
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捜索者(1956年製作の映画)

3.8

顔のない正義というか…。実践のない大義に意味もないだろうけど、大義のない実践(争い)も考えもの。それが笑えるシーンもあったけど。
とはいえ、そのハッキリしない部分に自覚的なのはある意味カッコ良くもある
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.6

散々暴れ回ったと思ったら、すごく清々しかった。変な拘りが強過ぎてクレイジーだったのが、「この人の前では嘘はつけない!」みたいな拘りに変わっていって、気づいたらピュアになってた。混沌とした過程を経たから>>続きを読む

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

3.9

たしかに、平等を目指した行動は、多かれ少なかれ相手への復讐になるかもしれないね。
ただ、愛を壊す/壊させるためでなく、示す/示させるための復讐となると、コメディになるのか。なんとも不思議。

振り回さ
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ピアニスト(2001年製作の映画)

3.7

終始やりきれない思いだった。
いい年まで抑圧されてきたエリカがとる極端な行動。対立と依存、SとMとか、いつも行き過ぎた形で現れてた。
でも、過激さよりも、それがごく自然なプロセスに見えた(見せられた)
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人間の條件 完結篇(1961年製作の映画)

4.1

終始目を背けたくなるようなシーン。象徴的な風景や梶さんの表情から、人が生きる事について、嫌でもたくさん考えさせられた。

生き延びるだけでは人間になれず、むしろ遠ざかっていくように見えた。そして埋もれ
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人間の條件 第3部望郷篇/第4部戦雲篇(1959年製作の映画)

4.1

古参兵との対立の際に梶さんが取った行動はものすごくて、もはや信仰を生むレベルだと思ったし、古参兵も面食らってた姿が印象的。

でも場面が戦場に移ると、その理想とか、古参兵との対立もろとも、綺麗さっぱり
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人間の條件 第1部純愛篇/第2部激怒篇(1959年製作の映画)

4.1

これほどまでにシリアスな心持ちで映画を観た経験はないかもしれない。
第一部二部は個人と組織の葛藤が色濃かったけど、結局のところ理想は行動(結果)で支えるしかないというのが残酷に思えてならなかった。王さ
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ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「リーマン・トリロジー」(2019年製作の映画)

-

こういう表現もあるのか…。引き出しが増えた感じがしてとっても嬉しい。

資本主義の盛衰をテーマにする作品は数あれ、その中心にいた人物たちが洗練された言葉で自虐的に語りまくった時に、あんなに美しいことに
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マイ・フェア・レディ(1964年製作の映画)

3.8

過剰なコメディも、音楽と演出で包んでみるとスッと受け入れられるの不思議だな、としみじみ。

ヒギンズの言動はどうあれ、根本のところは非常に共感できてしまう。

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.6

悪の魅力も、それが病気のように広がる様もそんな遠い世界の感じはしない。行い(殺人)は否定できても、そこに救いを求める心の動きはどう否定しようか。
何より、「決めさせる」って怖いな。

エデンの東(1954年製作の映画)

3.9

とてつもないテーマだった。
愛が今にも潰えそうなシーンでは怖くて震えながら観たし、その後のキャルの顔で本当に悲しくなった。聖書がモチーフな事もあり、悲劇が待ち受けてると分かってしまうのがなおさら。
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.7

こうすれば映画になるのだ!というのを見せつけられた感覚。ストーリーに予定調和っぽい部分があろうと、そんな疑念は余裕で超えていけちゃう。

それはもう楽しかった。

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

3.5

こういう向き合い方もあるよね。いや、向き合ってないか。本当にくだらないけど、だからこそ。

強いて言えば時代の感覚を合わせて観たかったな…

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.6

作り手の意欲と熱意をすごい感じた。敵への対峙を通じてウルトラマンにとっての人間観が形成・洗練されていく構成がとっても興味深くて、冒頭ワクワクしてたのがいつの間にやら観念的な思索に。ウルトラマンを神の近>>続きを読む

失われた週末(1945年製作の映画)

3.6

地獄のループ……
苦しそうに飲みまくってた。
ああなったらなかなか自分を客観視なんてできないだろうし、そりゃ小説なんて書けないだろうな…

鬼火(1963年製作の映画)

4.0

人間が破滅へ向かってしまう、抗えない原理みたいなものを感じてしまった。これはきっと無意識からくるもんで、どうしようもないのかも。要所要所で映し出されるアランの表情は決して諦めではなかったように見えたわ>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.5

あらゆる社会的な前提をひっくり返してみようとしても、自らの肉体に意識が向く限り自意識の前提はなかなかひっくり返らないんだろうなと思った。
でも、2人がそれぞれに抱く肉体への強烈な意識を図らずも共有する
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オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

3.6

他人を愛そうと思うと自分が愛せなくなったり、はたまた逆になったり、その辺のコントロールは大変だなとつくづく思うけど、その循環の着地点としてオードリーは美しいと思った。
また、自分の境遇を無条件に愛する
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.8

権力のお話としても、女性・男性にまつわるお話としても、3人の悲喜劇としても惹かれた。各人の行動原則の何もかもが曖昧だし、その割に(だからこそ?)言動は過剰で、怯えつつ笑った。
権力が色んな欲望を満たす
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エレファント(2003年製作の映画)

-

悲劇の内側にいる当事者(特に被害者)からしたらこういう事なんだろうか。いつだって自分も当事者になり得る。そこには全く原因なんてない様に見えるし、全てが原因の様にも見える。

淡々としていたけど、そのお
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

子育てがテーマの映画としては、これまでになく印象的だった。「子育ては理屈じゃない」と理屈で考えていた自分の愚かさにも気づいた。ジェシーにオウム返しされただけでジョニーが追い込まれる感じなんて、自分とし>>続きを読む

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

3.7

最初は出来事がただ並んでる感じで、何が言いたいのか?と思ってしまったけど、見進めるうちに色々考えた。出来事をただ並べることの意図はなんだろうか。
自身の経験に意味付けをして感動のストーリーに仕立てる事
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