UDさんの映画レビュー・感想・評価

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もののけ姫(1997年製作の映画)

4.5

山々の景色、朝日の差し込む森、シシガミさまの住処、、映像が美しい。
大量のエネルギー消費を要する人間の社会と損なわれる自然の関係。憎しみの連鎖は両者を疲弊させる。
「生きろ」というアシタカの言葉が響い
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Winny(2023年製作の映画)

4.3

未知なる物に触れた時の社会の反応を見て、自分だったらウィニーの本質を理解して金子さんを守るような言動をとれたかと考えると自信を持ってそう言い切れない。未知なる物への反応は常に後ろ向きになるような気質が>>続きを読む

アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

4.0

オッペンハイマーの予習として鑑賞。

アインシュタインが原発の開発にどのような立場でかかわるようになったかを当時の社会情勢などを踏まえて描かれる。
自分で決断したと思ったことも、実際は外圧へのリアクシ
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容疑者Xの献身(2008年製作の映画)

4.4

名作。
何度見てもよい。
一つ一つのカットにリアリティがある、息遣いが聞こえる。

幾何の問題と見せかけて、実は関数の問題。
現実はそんな綺麗事ではうまくいかないと思い知らされる。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.4

感涙!!
力強く、はげしい!

ただただ真っ直ぐで恐れのない大と、謙虚で負けず嫌いな玉田が眩しくて、ユキナリの浅はかで構えた姿勢は輝きを失っていく。大の真っ直ぐさはどんな暗闇にも届いてユキナリの態度を
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

素晴らしい日々とは、人それぞれ異なるもので、ひとつの価値観で測られるものではない。
この映画は、なんでもない毎日が愛おしく儚いものであることを気付かせてくれる。日常の機微に美しさや楽しさ、おもしろさを
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1

く、臭い。
臭いけど、これがゴジラなのよ、と。
これを求めていたのよ、と全細胞が喜ぶ感覚。

リアリティとは何なのだろうとふと考え及んでしまう前に、圧倒的な映像美と破壊力に引き込まれる。
ゴジラは永遠
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マトリックス(1999年製作の映画)

4.6

四半世紀前に、AIが世界を支配した先の世界を描いていたとは、驚き。
子供の頃は、キアヌのアクションのモノマネしてたけど、舞台設定を全く理解できてなかったんだなと再確認。アクションシーンは今見ても最先端
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.1

モブキャラが意思を持った時に、これまでの自分を振り返り申し訳なくなる気持ちが自然と湧いた。
モブキャラにフォーカスするということが面白い。
現実世界とゲーム世界を行き来する感じもよい。
この映画を観た
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ジャングル・クルーズ(2020年製作の映画)

3.9

久々に王道ディズニー映画。
三つ巴。勧善懲悪。後味スッキリ。
ハラハラさせる飽きさせない展開に十分楽しんだ。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.2

マリオのどのキャラクターも上手く役にハマっていて、ストーリーに引き込まれた。
マリオという外国人の設定でゲームを作ったNintendoの先見性に拍手👏。

そばかす(2022年製作の映画)

4.0

絶妙なキャラクター設定が、自分の身近な話だと感じさせられると同時に、自分の常識を揺さぶられる体験があった。
なんとも生きづらい状況でも、自分を信じて進む登場人物の生き様に魅せられた。

長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

3.6

長ぐつをはいたネコってこういう感じのネコなんだ。
三つ巴の構図って、やっぱり一番面白いなあと再認識。
宝物よりも大事なことが意外と近くにあるという結末はとても素敵だった。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

少年の一夏の大冒険。

ジブリの世界観もアニメーションもやっぱりいい。予想できない展開に、ワクワクがとまらなかった。
考察しようと構えていたが、気付けば物語に没入し、ただただ楽しんでいた。

「この世
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怪物(2023年製作の映画)

4.9

傑作。










物語が進むにつれ、何気なく交わされていた言葉ひとつひとつが全く異なる意味を持って、心に沁みていく。

異なる視点からある事象を見るという構成は決して珍しいことではないけれど
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

4.2

名もなき人たちがずっと守ってきたのが伝統や文化で、その関わる人の多さや歴史の長さは、どうしようもなくなってしまった人間をも受け入れるくらいに寛容なものなのかもしれない。
ダメダメな自分を断ち切って、逃
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天気の子(2019年製作の映画)

4.4

雨に濡れたまちは宝石のように光り輝く。
設定に現実味はないけれど、エンタメとして最高。
物語として突き抜けててよかった。

ある男(2022年製作の映画)

4.4

他人の人生を生きたいと思うことは珍しいことではない。生きづらさを感じる人は意外にも多くいると感じる。
他人の人生に首を突っ込んでいるうちは、自分の人生を忘れられるという台詞は、ある男に自分と重なる部分
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.5

ペルシャ人だと嘘をつき、偽のペルシャ語を教え通し、生き延びたユダヤ人の話。

冒頭からナチスの残虐さが描かれる。強制収容所に入ってからは大きな展開はなく、静かに淡々と物語が進んでいく。淡々と進むからこ
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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

4.2

人種差別が色濃い社会。
社会の不条理が見えているのに、社会の規範に従うように求めてくるオトナたちへ素直に従う気にはなれない主人公。
結局オトナは力で子供を従わせる。

黒人の友達や、大好きな祖父の言葉
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.1

本当にあり得そうな設定で、とても怖い。
高齢になると、仕事がなくなり、部屋を借りられなくなり、人とのつながりが薄れる。本当にそうなのか分からないけど、残りの人生を年金だけでやりくりして生きていくしかな
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

4.0

何歳になっても夢を持つことは恥ずかしいことじゃなくて、素晴らしいことだなあ。
やっぱり最後は「人」なんだなあ。

元気の出る清々しい映画。

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.0

子どもは親を選べない。
暴力を振るわれて、徐々に壊れていく友達をただ見守ることしかできない。
でも結局自分が1番だから、そんなまりこを突き放してしまうこともある。

生きるとは偶然性に支配されることだ
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.8

ウタ!
ウタ!
ウタ!

いろんな時代のキャラクターたちの夢の共演が胸熱!

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.3

どこかの星に彼らは本当に存在しているのではないかと思わせるリアルな世界観と美しい映像体験。
3時間という長さだけに没入感がすごい。
一方で、やや説明的な描写の野暮さやゲームのような分かりやすい展開が惜
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

綺麗な空の下、女子高生のロードムービー。

複雑な設定かと思ったけれど、意外とそうでもなくて、自然災害と扉という単純な図式の中で、そんなことよりも元来もっと複雑な善悪の別れ目を考えさせらる素敵な物語。
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.7

なんでこんなにも感動するんだろう。物語も結末も全て知ってるのに。
スラムダンクのキャラクターたちが、Gペンから生まれた彼らたちが生き生きと動いているだけで、涙が込み上げてきた。
素晴らしい映画。
漫画
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コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

3.9

同じ出来事をいろんな視点で振り返りながら、物語が完成する構成が面白い。
英雄とは、意外と近くにいる人たちのこと。
海外旅行行きたい。

ゲット・クレイジー(1983年製作の映画)

4.5

時代背景とか登場する歌手とか何も分かってないんだけど、大晦日ライブに圧倒されて飲み込まれて。80年代の映画とは思えないリアルな映像体験。
大晦日ライブという一つの軸に対して、本当にくだらない小さな出来
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マリー・ミー(2022年製作の映画)

3.7

出会い方が多様化した現代で、最も突飛な出会い方をした2人を描いた作品。

アメリカンドリームの大きさと、アメリカンなノリ満載でハッピーな映画。
2人のキスを囲みお祝いする子どもたちの構図に、日本とは違
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君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

3.8

いろんな人に助けられて、時には助ける立場になりながら、思い出の場所を巡り過去の記憶を巡る旅。
誰もがSNSで繋がり情報が拡散される時代の旅のかたち。

人生の最後にこんな旅ができたらなあ。

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.7

生きるとは、家族とは。
深く考えさせられる作品。

この世に生まれ落ちるという行為は受動的で1本道だけど、生まれ落ちる先の社会は想像以上に複雑で多様。そんな社会を生きることで忘れてたのは、この世に生を
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.0

この映画は始まりから終盤まで徹底して人生の残酷さを描いているように感じた。愛らしく見える場面も、なんだか心の底からいいなあと思えなくて、むしろ人生の焦燥や残酷さを浮かび上がらせているように見えた。
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.1

行き詰まったらやることを変えてみて、でも同じようなことが待ち受けていて、自分に嫌気が差すこともあるけど、そうやって少しずつ世界と自分を理解していくしかない。
見限ろうとしてる恋人に「あなたは最高の人間
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

4.1

今年観た映画のなかで最も艶かしい映画。

once upon a time…
昔々あるところに、から始まる物語。

小説家の頭の中を覗いているのか、本当の出来事なのか。
フィクションなのか現実なのか。
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.1

故郷を持たない人が増えた社会で、故郷のある生活を想う。隣人と知り合いで助け合うことができる一方で、面倒ごとにも巻き込まれやすい。そういう生活が普通だった時代の地域の豊かさは今では完全に失われてしまって>>続きを読む

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