コックピットの中の孤独と恐怖
2013年 アメリカ作品
F1マシンのコックピットは「走る棺桶」とも言われるそう。ほぼ地面に対して水平、最低地上高6cmのすれすれのドライビングポジションで、時速30>>続きを読む
愁いを奏でる
1987年 西ドイツ作品
前に観たのは学生時代だっただろうか。テーマ曲の「コーリング・ユー」だけは鮮明に覚えていた。物語は全く覚えていなかった。今回は物語も心に響いた。
異国の僻地>>続きを読む
学びを起動させるもの
1954年 木下恵介監督作品
『昭和のエートス』(内田樹著)
▶『二十四の瞳』は高峰秀子演じる小豆島の分教場の大石先生と子どもたちの戦前戦中の心の交流を描いた佳作である。私>>続きを読む
噛み合う歯車
嚙み合わない歯車
2013年 イタリア作品
英題:The best offer
『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』のジョゼッペ・トルナトーレ監督・脚本作品。全体のバ>>続きを読む
稀代のピアニスト
自らの人生を弾き語る
2017年 ブラジル作品
ジョアン・カルロス・マルティンス(1940-)
「傷だらけの名演奏家」と呼ばれたピアニスト。成功と挫折、再起と苦悩、波乱万丈の人生>>続きを読む
タオの人
2022年 中江裕司監督作品
『タオー老子』(加島祥造著)
▶飯だけはたっぷり喰う
世間が
頭のいいやつを褒めるもんたから
ひとはみんな
利口になろうとあくせくする。
金や宝石なんか>>続きを読む
年年歳歳花相似たり
歳歳年年人同じからず
2015年 アメリカ作品
1950年代のニューヨーク
セットも衣装も小道具も
一場面一場面
映像が美しい
ストーリーも音楽も
ゆったりして心地いい
立>>続きを読む
なんじゃこりゃ?
2022年 アメリカ作品
監督のやりたい放題。現実には起こり得ない世界の映像化は好きなんだけれど、それにしても…。
時間と空間の超え方が忙しくて目が回る。カンフー・アクションや>>続きを読む
無分別の世界
2013年 アメリカ作品
妻と別居し、離婚調停中のセオドア(ホアキン・フェニックス)は、自分を責めて絶望の中にいた。そんな彼が、人工知能のサマンサ(声のみ:スカーレット・ヨハンソン)>>続きを読む
介護と悔悟
2023年 前田哲監督作品
殺人犯のシバ(松山ケンイチ)と検事のオオトモ(長澤まさみ)の事件を巡る攻防戦は見応えがあった。ずんのやすの演技、初めて見たけど気のいい人オーラがほとばしって>>続きを読む
昭和歌謡
のようなもの?
2022年 韓国作品
ストーリー展開も、現在と過去や夢が入り交じる映像も、カメラワークも、BGMの選曲も音のトーンも、演技もセリフも。
全てが、自分の感覚とズレて感じら>>続きを読む
過去→現在→未来
未来→現在→過去
過去の超え方
2019年 ジョージア/フランス作品
かつて「グルジア」と呼ばれた国
ジョージア
「グルジア」はロシア語
「ジョージア」は英語
帝政ロシアから>>続きを読む
魂をめぐる冒険
2023年 宮﨑駿監督作品
東京大空襲
猛火で最愛の母を喪い
東京から焼き出された
少年・眞人(まひと)
疎開先
父の経営する軍需工場
新しい母・ナツコ
多感な眞人
この世の新>>続きを読む
正義のための暴力の末
2013年 アメリカ作品
『灼熱の魂』『ボーダーライン』
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の作品は、冒頭からグッと作品世界に惹き込まれ、ずっとひりひりとした緊迫感が続き、はらはらする>>続きを読む
旅は道連れ 世は情け
2021年 タイ作品
友情と恋愛、愛情のもつれやあれこれ。ウードとボスの二人が、旧いクラシックカーのカーステレオでカセットテープを聴きながら、タイの各地を巡る旅。
異国情緒>>続きを読む
この世界から戦争を無くすこと
2019年 ロシア作品
1945年レニングラード
(現サンクトペテルブルク)
第二次世界大戦の独ソ戦の中心地
市民の死者は100万人以上
主な死因は餓死と言われてい>>続きを読む
“本当の自分”とは何か
2022年 石川慶監督作品
原作の著者・平野啓一郎さんは「分人主義」という概念を提唱しています。
「分人主義」公式サイトより
▶「分人dividual」とは、「個人in>>続きを読む
明けない夜はない
2021年 中国作品
舞台は1934年、冬、満州国のハルビン。ソ連で特殊訓練を受けた共産党スパイ・チームの男女4人が、極秘作戦「ウートラ計画」を実行するために現地に潜入する。目的>>続きを読む
おもてなし
2014年 ドイツ/イギリス作品
カラフルで統一された色合い、計算された構図、印象的な小道具、この独特な世界観は大好きです。鑑賞のひと時を異世界に誘われた感じです。
ストーリーもじっ>>続きを読む
眼に、耳に触れ
心に去来するもの
2020年 上田義彦監督作品
藤、椿、つつじ、紫陽花、牡丹、松、笹、すすき…
春夏秋冬、四季折々の花たち
金魚、蜂、カマキリ、蛙、蜘蛛、蝶、蝉、ヤモリ…
家>>続きを読む
自由の国で自由を奪われた人びと
1975年 アメリカ作品
マンディンゴとは、南北戦争前のアメリカ南部で、白人たちが最高の黒人奴隷としていた種族、“血統”のこと。舞台は、南部ルイジアナ州の“人間牧場>>続きを読む
静かに燃える
2019年 フランス作品
18世紀末の女性画家と
伯爵夫人となる運命の女性の物語
一場面一場面が絵画のようで美しい
絵のフレームのような
美しい構図
絵を描くときのように
研ぎ>>続きを読む
生きる
1950年 黒澤明監督作品
『怪物』(是枝裕和監督)のレビューに「羅生門スタイル」という言葉が散見されたので気になって鑑賞。一つの事件を複数の関係者が語る手法は、現在では『怪物』でも世界中>>続きを読む
境を越える
2015年 アメリカ作品
麻薬カルテルを潰すために、FBIの常識を捨て、超法規的措置の世界に足を踏み入れた女性捜査官ケイト。その心中の葛藤とアメリカとメキシコとの国境で繰り広げられる抗>>続きを読む
火のない所に煙は立たぬ
2021年 フランス/イラン作品
ソーシャルメディアによって、平凡な一般人が一夜にして英雄に祀り上げられ、それを証明しようと奮闘した結果、一夜にしてペテン師に落ちてしまうと>>続きを読む
祖国愛
2021年 ドイツ作品
エーリッヒ・ケストナー(1899-1974)
『飛ぶ教室』などの児童文学で有名な詩人・作家の成人向け文学が原作。
1931年のベルリンが舞台。第一次世界大戦で敗戦>>続きを読む
ヒーロー
2013年 アメリカ作品
3ヵ月前、神宮球場でヤクルト対広島の開幕カードを観戦した。WBCでの侍ジャパンの優勝の余韻が残る中、村上選手など、間近で観るプロの選手たちの真剣なプレーに胸が踊>>続きを読む
面白さは寄生する
2020年 韓国作品
前半のコメディタッチ、後半のサスペンスタッチ、物語の背景に描かれる社会問題、一つの作品の中にこれだけ多くの要素がバランスよく盛り込まれた作品はめずらしい。>>続きを読む
事実は小説よりも奇なり
1998年 イギリス作品
小説のアイデア探しのため
見知らぬ人を尾行する
作家を目指す男 ビル
ある日、彼に尾行され
それに気づいた男 コッブ
尾行が趣味のビル
空き巣>>続きを読む
変わらぬ自然の営み
変わりゆく人の営み
1993年 フランス/ベトナム作品
1951年ベトナム、サイゴン市
奉公人として雇われた10歳の少女ムイ
リリリリリリ…(鈴虫の音)
チュンチュン…(鳥の>>続きを読む
絶対善と絶対悪
2006年 是枝裕和監督作品
是枝監督のオリジナル脚本、岡田准一主演で描く人情時代劇。
元禄15年、刃傷松の廊下の事件の翌年。仇討ちに藩が賞金を出していた時代に、田舎侍の宗左衛門>>続きを読む
一寸先の光と闇
1998年 スペイン作品
アナ(ANA)とオットー(OTTO)
上から読んでも、下から読んでも
アナとオットー
「逆さ言葉の名前は幸運の印」
少女期に最愛の父を失ったアナ
青年>>続きを読む
女獣戯画
2022年 廣木隆一監督作品
原作(湊かなえ)は未読。母の語る物語と娘の語る物語、元が小説だからか、朗読劇のようなテイストだった。
女三代の物語。戸田恵梨香(母)、永野芽郁(娘)、大地>>続きを読む
もりのなか
2021年 フランス作品
娘が生まれて、僕が最初に買って読み聞かせた絵本は『もりのなか』(マリー・ホール・エッツ)でした。少年が紙の帽子をかぶって、新しいラッパを持って、森へ散歩に出か>>続きを読む
あわいを生きる
2021年 荻上直子監督作品
どこかの川、どこかの駅
そこに下り立つ誰か
冒頭のシーンがとてもよいです
川っぺりのゴミ捨て場
長屋のような旧い集合住宅
野路の野菜畑…
懐かしさを>>続きを読む
渇いた土地に潤いを
2011年 イギリス作品
イギリスでベストセラーとなった小説を『サイダー・ハウス・ルール』のラッセ・ハルストレム監督が映画化したヒューマンドラマ。
イエメンの大富豪から、砂漠>>続きを読む