たぬーさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

怪物(2023年製作の映画)

4.3

母子家庭で育った小学5年生の少年の身辺になにやら不穏な事態が起きているという事象を登場人物それぞれの視点から羅生門スタイルで観せる話。

世の中いろんな事件があるけどニュースで切り取られた情報からは読
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TAR/ター(2022年製作の映画)

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世界的な名声を得ている指揮者ターが身勝手なハラスメントで身を滅ぼす話。

どんな気持ちで観たら良いのかわからない、観客を煙に巻く奇妙な映画。
前半非常に情報量多く、物語がほとんど進まない長回しの会話シ
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.8

サーカスのタレントとして調教されたロバのEOが動物愛護団体によりサーカスから引き離され、あちこちで人間の都合で引きまわされ放浪する話。

イエジースコリモフスキ監督の作品は初めて観たが、非常に前衛的な
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トワイライトゾーン/超次元の体験(1983年製作の映画)

4.0

スピルバーグ製作のホラー寄りファンタジー四本立オムニバス。

#1 レイシストの男が異世界に迷い込み人種差別による迫害を受ける話。ジョンランディス監督作。主人公がむちゃくちゃ最低なレイシストなので、酷
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楢山節考(1983年製作の映画)

3.9

厳しい自然環境の山間の小さな部落での70歳を超えた老人は山に捨てる風習をめぐる話。

ここまで命を描くことに執心した映画を初めて見た。印象的に映しだされる蛇や蛙、虫、鳥の捕食、生殖。その営みは野蛮に見
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

キノコ王国に迷い込んだマリオがピーチ姫と一緒にルイージを助けに行く話。

全く飽きさせない目眩く展開とゲームの世界観を200%活かしたアクションの数々はさすがイルミネーションクオリティ。ゲームのBGM
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暴力脱獄(1967年製作の映画)

3.5

太平洋戦争での英雄だった男がパーキングメーターを壊すという無意味な器物破損で刑務所に入るが持ち前の反骨精神で刑務所の中で一目置かれるようになり脱獄を繰り返す話。

DOMMUNEの町山智浩解説を聴きな
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.5

色々あって激太りして家から出られなくなった文学教師の男が死を前にして家族と向き合う話。

ひたすら部屋の中で会話するだけの2時間。役者陣の気合の入った演技は圧巻だが、ちょっと疲れる。
かつて身勝手に捨
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.5

ロッククライミング中の事故で夫を亡くし酒浸りになっていた女性がクライミング仲間の女性に誘われて600mのテレビ塔に登り降りられなくなる話。

家族や友達とキャッキャ言いながら観るのに最適なアトラクショ
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.5

エスター前日譚。

感想としては、単体の作品としてはなかなか楽しいところはあるものの、前作のゾクっとさせられる薄気味悪さ、楳図かずおの「呪いの館」(a.k.a赤ん坊少女)的なエスターの孤独と哀しみとい
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

ショボいCGや戦闘シーン、説明的なセリフ、飲み込みずらい世界観など、いかがなものかと感じるところは枚挙にいとまが無いものの、いくつかの圧倒的なチャームにより嫌いにはなれない作品。

ライダーが決めポー
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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

3.8

インディが中華系の子ども助手と歌手のヒロインを連れてインドの魔宮に伝説の石を取りに行く話。

キーホイクアンオスカー受賞記念に数十年ぶりに鑑賞。記憶の10倍の盛りだくさんなアクションと記憶の100倍の
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.8

豪華クルーズ船に乗った金持ちばかりの乗客とクルーたちの嫌〜な人間模様を楽しむブラックコメディ。

男性モデルのオーディションから始まり、インフルエンサーモデルのカップルのレストランでのどっちが金出すか
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映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)(2023年製作の映画)

4.0

空に浮かぶ理想郷を見つけたのび太たちがそこで生活を始めるが実はそこは人間の自由意志を奪う監視社会であったという話。

子供の付き合いでここ10年以上ドラえもん映画は欠かさず観てきたけど今回の新作は藤子
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

中華系移民の一家が平行宇宙の中心になる話。

凄まじい情報量、凄まじい密度のアクション、凄まじいカット数。ミシェルヨーはじめ演者の負荷もハンパじゃなかっただろう。
どうしてこんな事になってるのか理解が
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イノセント・ガーデン(2013年製作の映画)

4.0

資産家の男が一人娘の18歳の誕生日に交通事故で死に、弟を名乗る謎の人物が現れて家に入り込んでくる話。

99分という尺で観客を翻弄する見事な脚本!周りに頼れるものが誰もいない状況を父親から学んだ狩猟の
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.5

17世紀イタリア。幼い頃に修道院に入ったベネデッタが豪胆さと賢さで全てを薙ぎ倒してゆく話。

冒頭のベネデッタが修道院に入れられる前のエピソードでその豪胆さと強靭な意志と神の恩寵が与えられていることが
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アントマン(2015年製作の映画)

4.0

小さくなった視点から見える世界でのアクションが楽しい。
主人公がバツイチ子持ちのムショ帰りというのもユニーク。
コメディとしての脚本のクオリティ高い。さすがエドガーライトとアダムマッケイ。

ハッピー フィート(2006年製作の映画)

3.5

歌うことで表現するコウテイペンギンの群れの中で、歌が下手で群れに馴染めないがダンスが得意なマンブルが人間による環境破壊を止めるための旅に出る話。

ジョージミラー作品ということで子供と一緒に鑑賞。
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

山で死んだ男の未亡人とその事件を捜査する優秀な刑事が惹かれあう話。

ストーリー的にはそんなに意外性はないというか、ミステリーで引っ張る作劇ではない。凝りに凝った演出と撮影で表現する。スタイリッシュで
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バビロン(2021年製作の映画)

4.5

映画がサイレントからトーキーに移り変わる時代のハリウッドの栄枯盛衰を過剰にバカバカしく悪趣味な下ネタおり混ぜて3時間のボリュームで語った作品。
アバンタイトルの象のうんこまみれからの狂乱パーティという
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.8

アイルランドのど田舎の小さな島で長年の友達どうしの諍いが取り返しのつかない状況になる話。

鬱々とした空気の荒涼とした島で、イカれたおじさんとボンクラなおじさんが揉める。コリンファレルのちょうど良いバ
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JUNG_E ジョンイ(2022年製作の映画)

3.3

戦死した英雄的な兵士が脳をコピーされロボット兵士として研究開発されているというSFアクション。

アクションが無茶苦茶良くできてる。予算的な制約でロケーションは限られているがクオリティはマーベル映画ク
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.7

無人島に作られたレストランに天才シェフのスペシャルコースを楽しむために集まったセレブ達だが、徐々にそのレストランの異常性に気づいてゆくブラックコメディ。

超一流の腕も、厳選した食材も、金持ちの自己顕
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.0

インドの田舎町の少年が映画に魅せられてゆく話。

日本で公開されるメジャーインド映画的なアッパーで過剰な感じはなく、静かで優しいミニマルな作品。こんなにセリフのない場面が続く映画もなかなかない。
少年
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離ればなれになっても(2020年製作の映画)

3.8

ローマで出会った幼馴染の男3+女1の16歳から40年間の年代期。

イノセンスは目の前にあると鬱陶しくて恥ずかしいものだけど、失われたイノセンスは常に美しい。
1982年から現在までを非常にテンポ良く
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ガール・イン・ザ・ピクチャー:写真はその闇を語る(2022年製作の映画)

3.5

交通事故で亡くなった女性の過去を追うと、その女性は別の名前で生きていた過去があったことがわかり、その女性の人生を紐解いていくと恐ろしい事件が徐々に明らかになってゆくというドキュメンタリー。
酷すぎて世
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聖なる証(2022年製作の映画)

3.5

19世紀アイルランドのど田舎で敬虔なクリスチャンの少女が何も食べないで生きているというのを証明するために看護師が派遣される話。

むちゃくちゃ重厚な演技、精緻でリッチな画面作りと意外性のある演出で圧倒
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.6

人と羊の話。

シリアスでミステリアスなトーンでシュールなことが次々と起こる。
最後まで観ると意外とわかりやすい話ではあるが、寓意を読み取るのはわたくしには難しかった。
コメディとして観ると爆笑できる
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.5

日本在住のクルド人家族が難民申請を却下され滞留資格を失ってしまう話。

日本の難民政策の狭量さに憤らざるを得ない。観客としては万策尽きたとしか思えない状況でも、サーリャは絶望せずに前を向く。

何か具
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.8

かつての恋人と過ごした日々をふと思い出す話。

まさにジム・ジャームッシュ的なチャーミングな作品。
池松壮亮と伊藤紗莉のナチュラルなアンサンブルでありがちな話を生々しい身体性を感じさせるものにしている
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.5

まわりの大人が困るくらい自由な少女あみ子の話。

とにかく自由というか、大人から求められるような振る舞いができない、他者の感情に寄り添えないあみ子。
その演技による実在感は凄まじく、他の子役とは一線を
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.0

前作から10年後、ナヴィとして一族の長となり家族も増えたジェイクだったが侵略してきた地球人に襲われ海で暮らす一族のところに移住する話。

お話としてはベタでどっかで見たことある展開が続くのだが、キャメ
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

4.0

ギレルモデルトロが15年の製作期間をかけて作ったストップモーションアニメーションでのピノキオ。

ロバートゼメキスのピノキオは基本的にディズニーのピノキオの印象を活かしたものだったが、CGで作られたピ
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.0

タイ東北部の田舎町で土着信仰のシャーマンの家族が悪霊に取り憑かれ、それを祓うべく奔走するモキュメンタリーホラー。

ブレアウィッチ、パラノーマルアクティビティ的なファウンドフッテージとモキュメンタリー
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そろばんずく(1986年製作の映画)

4.2

大手広告代理店でライバル同士のト社とラ社の争い。

森田芳光監督とんねるず主演の非常にシュールなギャグが詰め込まれたサラリーマンコメディ。
小林薫の凄まじい快演!今だったらロバート秋山がやりそうなキャ
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