ジュライさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ジュライ

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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

3.7

やっっと観ました。
序盤の、淡い色に染まる海面が宗教画の空みたいできれい。

どちらの話が真実かについては、私はリチャード・パーカーがいたほうを推したいです。
人間同士が殺し合う悲惨な話を動物や肉食島
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エターナルズ(2021年製作の映画)

2.5

ごちゃごちゃしててキャラの掘り下げが不十分。かといって群像劇ってわけでもないし、なんかすべてが中途半端だったな……。
特にキンゴとセナ(とギルガメッシュ)は別にいらなかったような。まあ続編で見せ場があ
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.5

ドレイコフがカールじいさんにしか見えず、今にも風船で飛び立ってしまいそうでいまいち緊迫感が感じられないまま終わった。
でも結構好きです。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』とかもだけど、どうにも姉妹
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レスキュードッグ・ルビー(2022年製作の映画)

3.8

安楽死処分寸前で救い出され、レスキュー賞を受賞するほどの警察犬へと成長した犬の実話を基にしたストーリー。
とにかくイヤな人が一人も出てこず、始終ほのぼのしているので、心が疲れてる時や重いものは観たくな
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エグザム(2009年製作の映画)

3.0

採用試験をデスゲーム風になぞらえ、志望者8人たちのうち誰がどのように知略を尽くして生き残るのか(=採用されるか)……という、低予算ソリッドシチュエーション。

まず発想が面白い。採用試験そのものを主軸
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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

3.5

主人公がおバカで周りはまともというパターンかと思いきや、実際は主人公のみまともで周りが全員バカばかりというパターンだった。
意外に凝ってるカメラワークや、きちんと機能してる伏線など、結構真面目に作られ
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異端の鳥(2019年製作の映画)

3.9

人の悪意には限りがない、って話。

BGMも劇伴も一切なし。
さらにモノクロであることにより「ここではないどこか」の話だと示されながら、描かれるのは恐らく世界の普遍的な一つの事実である、「口先では神を
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彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

3.6

女装癖がある男性と、それを物理的・精神的に支える女性の関係を主軸に描いた人間ドラマ。

LGBTをことさら強調してる感じではなく、「自分がよく知ってる人がそうだったときの関係の変化」をサラリと描いてる
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ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

4.3

不法入国した難民の少年をかくまう、貧乏な老人。
愛する妻は病に倒れ、密告者もいて、でも隣近所に住む人々はみんな人情味があって……。
静かな港町での、ひっそりとした騒動。

主人公の「マルセル・マルクス
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デビル(2010年製作の映画)

2.7

M.ナイト・シャマラン原案。
男性3人と女性2人が乗ったエレベーターが停止し、その中と周囲で次々と人が怪死を遂げる。
伝承どおりに悪魔が近くにいるとするなら、それは一体誰なのか……というホラー。

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運命を分けたザイル(2003年製作の映画)

3.6

登山モノの実話を、本人たちへのインタビューと再現ドラマを交えて描く形式。

シウラ・グランデ峰の初登頂に成功したものの下山途中に足を骨折したジョーと、相棒のサイモン。
それでも二人が協力して下りようと
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ドッグマン(2018年製作の映画)

3.3

おそらく、
「(犬と比較しての)人間の不純さ」
「必要な意思表示をせず、ただただその場の状況に流されて生きることの卑怯さ」
というようなことを表現したかったのかな。

なかなかはっきり「NO」を言えな
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エッセンシャル・キリング(2010年製作の映画)

3.4

米兵に追われるアラブ兵を描いたストーリー。

主人公は常に敵意ではなく恐怖と生存本能のみで動いていて、人を何人も殺してはいるものの、「宗教VS宗教」「国VS国」という状況下においては、もはや彼個人の善
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フローズン(2010年製作の映画)

3.0

ゲレンデのリフト上に取り残されるソリッドシチュエーションホラー。
袖の下として100ドルも渡すなんて、リフト代ってそんなに高いの? 行ったことないので相場が分かりません。

開放骨折や、金属にひっつい
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π(1997年製作の映画)

3.5

幻聴や頭痛に苦しみながら、数字で世界を解き明かそうとする数学者が主人公。
この監督と作曲者クリント・マンセルのコンビ好きです。

画質が粗くて白飛びした、縄文時代に撮ったのかってくらい古めかしい映像、
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ピノキオ(2022年製作の映画)

3.5

まさかピノキオで「インフルエンサー」「アウトソーシング」なんて単語を聞くとは。
そのわりに「驚き桃の木」なんて死語も出てくるし。今の子どもに通じるんだろうか。

ふさふさモフモフのファウルフェローと、
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ザッツ・エンタテインメント(1974年製作の映画)

3.7

豪華絢爛なMGMクロニクル。
ハリウッドが「銀幕」だった時代における、まさしくエンタテインメントとしか言いようのない、パレードのような、宝石箱をひっくり返したような作品の数々。
今はもうこういう映画な
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ダーウィン・アワード(2006年製作の映画)

3.6

プロファイリングの天才である変わり者の男性が、ダーウィン賞をとりそうな素因を持つ愚か者たちが起こした事故の原因を探っていく話。

ダーウィン賞のwikiはたまに読むととても微笑ましい気持ちになれるので
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.5

おばけは家につくらしい。まるでネコのよう。

レトロチックな角丸のかわいい雰囲気の画面でいきなり死亡シーンが出ると少々ドキッとする。
BGMなどもなく、かすかに鳥のさえずりが聞こえるだけで、人間ひとり
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

2.7

そりゃ人間の死体の始末なんて重労働でしょうねえ。人を殺すなら豚を飼うか木材粉砕機を買ってからにしないと。
冒頭から白ブリーフ姿を延々と見せられるので、グロとはまた別の意味で食欲を削ぎます。

主人公は
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アメリカン・ソルジャー(2017年製作の映画)

3.9

書籍『兵士は戦場で何を見たのか』『帰還兵はなぜ自殺するのか』で読んだようなシーンがあるなぁと思ったら、やはりあの二冊がベースになってたんですね。

兵士は戦場で深いPTSDを負い、なんとか生還できても
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タミー・フェイの瞳(2021年製作の映画)

3.5

70〜80年代にテレビで人気を博した伝道師タミー・フェイとその夫ジム・ベイカーの生涯を、事実を基にして描いた作品。
ジェシカ・チャスティンが自ら映画化の権利を勝ち取って製作している。
宗教とお金の関係
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ゆれる人魚(2015年製作の映画)

3.4

人魚姫をベースにした、芸術点高めのB級ダークファンタジーミュージカルホラー。
人魚が海の中から人間の男性を見つめて歌を歌うという、ディズニーからハチャメチャに怒られそうなシーンから物語は始まる。

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ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

1.5

可愛いのか可愛くないのかいまいち微妙な猿とデヴィッド・リンチが、いまいち噛み合ってない会話をする17分間。

不条理ものはわりと好きなほうだけど、これは……表層に見えてること以外のものが何ひとつ読み取
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

Filmarks試写会にて鑑賞。

たしかにこれはA24が喜んで配給するだろうなという感じ。
ちょっとラース・フォン・トリアーっぽくもある。陰険さの方向性が。

仮に自分の目の前にアダが現れたとしたら
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ミッドナイト・ファミリー(2019年製作の映画)

3.9

900万の人口を抱えるメキシコシティには、公営の救急車はたった45台未満。
ゆえに営利目的の私営救急隊が日夜走り回ってる……という現状を描いたドキュメンタリー。

なにしろ患者からもらう搬送代が生活費
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オーロラの彼方へ(2000年製作の映画)

5.0

大好きで、繰り返し観てる作品。
ループもののMYベスト!
クライマックスのあのシーンは、分かってても毎回鳥肌が立つ。

ループものってたいてい、ループする理由について妙に科学的なこじつけくさい説明があ
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.5

一切セリフなしのアニメーション短編で描かれるのは、子どもを銃乱射事件で失って以来、殻に閉じこもり、自分自身とも相手ともうまく対話できていない夫婦。

なんだか『風が吹くとき』を思い出しました。ストーリ
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警察と泥棒(2020年製作の映画)

2.5

本編はきっかり4分。
実写、アニメ、ストップモーションなどさまざまな手法が数秒ごとに入れ替わるのは楽しいけど、斬新というほどのものでもなく。
むしろ画面がめまぐるしいので、メッセージに集中できないとい
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クリーン、シェーブン(1993年製作の映画)

3.2

統合失調症の話。ややグロあり。
主人公ピーターの背負う幻聴と妄想が真に迫っていて、悲しく痛ましい。

鑑賞中、そういえば93年当時の日本では統失の呼称はまだ「精神分裂病」だったなあと思い出した。
まあ
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偽りなき者(2012年製作の映画)

4.3

過去何度か鑑賞してる、好きな作品。
かなり後味悪いし胸糞なんだけど、圧倒的な無力感で打ちのめしてくれる、内包するそのパワーに畏敬の念を覚えます。

なにが怖いって、「結局なにひとつ解決していないにもか
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

ストーリー中盤以降、原作を魔改造してるわりには諸々うまく繋がってたと思います。
でも結構大事なシーンや説明がカットされてたのはOKなんだろうか。車内電光掲示板のアレはやってほしかったな。

『なんちゃ
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

4.8

人一倍鋭敏な聴覚だけを武器に、孤立無縁の中、真実を究明すべく一人戦う主人公……というと熱い感じだけど、その主人公もどこかパラノイア的。
覚めない悪夢のようでもあって、この冷えた雰囲気がたまらない。
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

3.4

周りにドヤされつつ「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」となってるあたりにすごい既視感。
しかもエヴァよりは周囲の人間がだいぶ優しくて、にもかかわらずピーターがなかなか覚悟を決めないので、中盤までは観てて結
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

4.1

世界で一番熱いリレー。

AEDなハンマーと、過去に行くときの白いスーツがまったくと言っていいほど似合っていないホークアイが好き。
あとはソーが母親と会うシーンでちょっと泣きそうになりました。
でも神
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ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒(2019年製作の映画)

4.2

みんな大好き「英国紳士」。「侍」と並ぶ世界の2大ロマン。
しかも声がヒュー・ジャックマンでお得。

大人向けの上質なストップモーションアニメなのだけど、あまりにも動きがなめらかなので、ほぼ普通のCGに
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