映画の中で何度も人が死ぬシーンを見てきたが、この作品での両親の死(特に父の方)は『天安門の恋人たち』でビルから飛び降り自殺する女性に次いで個人的第2位。
オプーの成長と母の衰弱というコントラストが見>>続きを読む
インドがどのような国なのか知る由もなかった当時の人々が、いきなりこれを見せられた時に受けた衝撃は現代を生きる私の想像をはるかに凌ぐだろう。
そこには、確かにネオレアリズモとよく似た貧しさ故の痛々しさ>>続きを読む
なるほど、ヒントがたくさん転がっていて面白い。
途中で蓮實重彦が丸いアイコンで登場になるのも面白い。
というか、武と蓮實重彦のコラボという時点で面白い。
絶対、その後タケちゃんとか殿って呼び方していな>>続きを読む
『ソナチネ』も『HANABI』も、何となく一辺倒に感じていたけど、この作品は何か違うものを秘めている。そう思った。
いつ出てくるのかと待っていたら中盤になってようやく出てきた武の最後も他とは少し違く>>続きを読む
小さい頃に断片的に見たきり、集中して全編を見たのは今回が初めてだったと思う。
映画というのは実は振り返ってみると、その結末を覚えていないものがほとんどで本作もその例外ではなく全くエンディングを覚えて>>続きを読む
先日見た、ティモシー版チョコレート工場があまりにジョニー・デップ版とはかけ離れていた気がしてなぜか納得がいかず、この元祖(?)を見てみた。
すると、ウンパルンパのルックス(ただ、ティモシー版では1人>>続きを読む
これはジョニー・デップのチョコレート工場とは全くの別物。
共通点は"チョコレート"という部分だけ。
(尚、そのチョコレートさえもパッケージはかなり違う)
『エスター ファーストキル』見た時も思ったこ>>続きを読む
この監督の良さが、たったこれだけの時間に凝縮されていて、キューピー3分クッキングとは比にならない満足度を味わうことが出来る。
先日見た『あんなに愛し合ったのに』の衝撃が忘れられず、渡仏後にはじめて名前を知ったエットーレ・スコラ監督の作品だから見に行ってみた。
結果、なるほどおもしろい。
見る前の完全な想像では、もっとシッ>>続きを読む
2時間ずっと同じ一室で展開される作品が放つ鬱屈感プラス、エアコン切られた新宿武蔵野館の場内があまりにジメジメアツアツだったのがミックスしてとにかく苦しみながら鑑賞した。
オゾンの『苦い涙』を先に見てい>>続きを読む
鑑賞直後に監督ご本人と実際に話す機会があったが、この人だからこの映画が撮れるんだなと自分の中で妙に納得してしまった。
私の言語能力がもう少し高ければ、以下に書いたことを彼に問いかけたはずだが今考えると>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
私はこれまでなんとなくで、ずっとゴジラを避けて生きてきたから、、ゴジラのTシャツを着て鑑賞に望むゴジラ大好きフランス人たちの熱気に圧倒されつつ初めて見た。
が、結果はあまりの面白さに拍子抜けしてしまっ>>続きを読む
エットレ・スコーラという監督の作品はこれが初めて。
イタリア語で話し、字幕はフランス語の作品なんて見に行ったとて何も分からないだろうと尻込みしたのも初めのうちだけ。
結果、言葉分からずとも、良い映画>>続きを読む
とんでもないものを見てしまったとしばらく茫然自失だった。
これこそ再評価されるべき作品であり、今一度日本でリバイバルしたら今どきの若者に刺さるのが容易に想像できる。
よくNANAをインスタのトプ画に>>続きを読む
素晴らしいと評価されるのは分かるけど、『その男、凶暴につき』や『Sonatine』を既に鑑賞済みだとこの作品に真新しさを見い出せず、特段驚きやわざわざ再評価したいと思える要素が見つからない。
私の中>>続きを読む
うわー、こういう女(ここでは岸恵子)って本当にいるよなー。。って思いつつ、最後には「おい!その男どうせまた浮気するぞ!」って叫んでやりたくなった。
最後に"終"って出た瞬間、いや、終わりじゃないから>>続きを読む
パリにいる特権を行使したいがために、言葉が分からないくせして3時間弱の鑑賞に挑戦してみた。
人間というのは不思議なもので、たとえ言葉が分からなくとも何となく素晴らしいものの価値には気づくようにできて>>続きを読む
ロズニツァの作品には、常に筆舌に尽くし難いものが確実に眠っている。
だから私はいつも見てしまうし、同時に見なければならないと思う。
敬愛するロズニツァのこの作品は、作り物ではなくホロコーストに関する本物の記録。
アラン・レネの『夜と霧』を初めて見た時と似た(もしかするとそれ以上の)衝撃を受けた。
バビ・ヤールはウクライナにある>>続きを読む
『羅生門』と『雨月物語』がコラボしてみました!という感じのお話だった。
私は併映されていた『鬼婆』も一緒に見たせいで、こちらの方が少しそれよりは劣るように感じたけど、、それでもこれはこれでけっこう面>>続きを読む
素晴らしい。
久しぶりにこんなに痺れるライティング及び陰影を堪能した。
どの描写もまるで絵画が動いてるみたいに綺麗だが、中でも私は何度も繰り返される若い女が男の家に向かって藪の中を果敢に走るシーン(>>続きを読む
「太平洋戦争末期に九州で実際に行われた、米軍捕虜に対する生体解剖実験を描いた映画。」
どこかでたまたまあらすじを見て興味を持ち、田宮二郎の映画版『白い巨塔』と少し似通った雰囲気を感じながら鑑賞した。>>続きを読む
どうしても高崎電気館に一度行ってみたいという私のわがままに元彼が付き合ってくれて、一緒に鑑賞したのがこの作品だった。
高崎電気館のかなり古びた椅子のせいで、終盤はやや腰が痛くなりながらも楽しんだ。い>>続きを読む
『枯れ葉』を見ようとして間違えてチケットを買い、そのことなど露知らず1番奥の座席に座った私は途中退場も許されないまま、言葉も分からないせいでかなり地獄の150分間を味わった。
自分が本来見たかった映画>>続きを読む
絹代が階段から突き落とされるところだけ強烈に覚えていたけど、今回再見してみると佐野周二の固さが妙に鼻についた。
これは当時国民から「投げキッス事件」により、絶大な反感をかってしまっていた田中絹代氏を>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
めっちゃ、良い。
小津作品の中で『一人息子』に継いで好きな作品かもしれない。
今まで断片的には見た事あったけど、絹代の放つ「本当に新しいものって言うのは、いつまでも古くならないものだと思う」という>>続きを読む
フランス人はみんな、これ見て映画館で声出してゲラゲラ笑ってた。
日本で同じ作品上映したら、日本人もみんな映画館で声出して笑うのか?
キートンが船で悪戦苦闘してるの見ながら、ずっとそんなこと考えてた。
たぶんこれが私にとって初めての40年代の朝鮮映画鑑賞。
面白くて驚いたと同時に、歴史の影が色濃く反映されていてとても考えさせられる。
この時代に「朝鮮で映画を作ろうとしていた人たちの話」という設定>>続きを読む
まさかフランスで1949年製の貴重な朝鮮映画が見れるとは思わなかった。
相変わらず言葉が分からなかったのが残念極まりないが、それでも何となく奥ゆかしさが伝わってきて良かった。
この時代の朝鮮映画を>>続きを読む
ザ・小津の後半作品。
あと一押し、何かが欲しかった。
悪くはないが、これは良い!という記憶に残るような箇所も特になし。
小津らしいなぁ、しか思うことなかった。
渡仏してから初めて見た日本映画は『丹下左膳 百萬兩の壺』。
素晴らしい、素晴らしすぎる。
こんな才能を消し去った戦争。
私は戦争がとにかく憎いよ。
憎くて憎くて本当に悔しい。
山中貞雄、後世にこ>>続きを読む
ぶっきらぼうで不器用な2人が見に行く映画は『デッド・ドント・ダイ』。愛おしいな。。。
(2人が映画を見ている時の表情も良い)
壮大でもなければ、強烈な人情劇というわけでもない。
それでも、この映画は>>続きを読む
私の大好きな田中絹代を、私の大好きな吉永小百合が演じ、そして私の大好きな市川崑が撮っているなんて期待せずにはいられなかった。
しかし、結果はあまりの出来の悪さに拍子抜け。
終始、説名台詞の多いこと>>続きを読む