何故かエロティックロマンスものだと勘違いしてスルーしてたけど、焦ったいにも程がある官能もの(代表作:花様年華)ではあったのであながち間違ってはなかった。舌を出さずに唇を3回濡らすシーンなんてもう色々極>>続きを読む
昔好きだった人や最近好きになった人達が、入れ替わり立ち替わり出て来て地球を滑る箱の中でちょっとだけ親密な会話をする、なんて素敵なオムニバスなんでしょう。映画を偏愛している人達へのご褒美みたいな映画では>>続きを読む
自分に還って行く真夜中の旅。静かで説明もほぼないとても内省的な作品だったけど、夜が深まるほどに雑音が遮断されて、主人公の隣で自分自身と向き合えるような時間だった。今年はカウリスマキ監督に始まり、ワンコ>>続きを読む
よく耳にする言語の中で、中国語の響きが一番好きかもしれない。ツヤツヤとした玉のように耳の中で転がる音。前半にとても印象的なモノローグがあるのだけど、これが別の言語だったらまた全然違う味わいだっただろう>>続きを読む
堅物生真面目不器用教師のピュア・オトゥール様が愛おしすぎて、観ながら「好き」って100回は口から漏れてた。気を抜くと今も漏れちゃう。はぁ、好き。偏屈に見えるくらい真摯に教師という職務を全うし、生徒を正>>続きを読む
ウォーケン様目当てで見に行ったのに出番少なめで寂しかった。本作を堪能する才能がない自覚はあったけど、それにしても予想以上に没入出来なくてかなり冗長に感じてしまった。特に戦闘シーンに興味がないので後半う>>続きを読む
薄々気づいてはいたけど、私にはSF超大作を観る才能がないらしい。自分なりには楽しんでるつもりだけど作品本来の魅力の1/10も汲み取れてない気がするので、豪華なフルコースの前菜しか食べられていないような>>続きを読む
冒頭の「言語はその昔芸術だった」って台詞で既に好きかも。。ってなった。こんな文字や言葉が生まれた意味やその成り立ちを追求する、原始コミュニケーションについての物語だとは思ってなくて今更驚いたけど、邦題>>続きを読む
主人公の性格もセンスもあまり好きにはなれないので今ひとつ話に身が入らないんだけど、最終的に素直でいい子やんってなったところで、一緒に踊り出したくなる可愛いエンドロールに突入するので鑑賞後の気分は良い。>>続きを読む
想像より遥かに良かった。音楽もナレーションも一切なく、ただひたすらに食堂の一日をカメラが追ってるだけの映像なので、何してるのかよくわからなかったりもするけど、それが旅行者として迷い込んでぼーっと観察し>>続きを読む
若い頃のエルヴィスが可愛い過ぎて私もまんまと夢中になりそう。あんなに無防備でナイーヴなピュアボーイなのに、無自覚にセクシャルだなんて好きに決まってるでしょ。そんな初々しい青年期から脂が乗りまくってギラ>>続きを読む
究極の黒というのは、この映画に映し出されている暗闇のことだと思う。透き通りそうなほど濁りがないのに濃密で、何も反射させずに全てを飲み込む完璧な黒。その曇りなき闇の深さに息を呑むほどだ。そこから浮かび上>>続きを読む
月の光が身体中の隅々まで蒼く満ちてひたひたになった。月が古来から人に愛されて来たのはきっと孤独に見えるから。仲間の星が見えない夜にも夜空に独りぽつんと浮かんでいて、たまに恥ずかしがって細く翳ったりして>>続きを読む
確かに制作当時(2016年)、LGBT(Q+)という言葉は今ほどは浸透していなかったのかもしれない。この10年ほどでその言葉を取り巻く意識は大きく変わったように見えるけど、恐らくそれはほんの一面であり>>続きを読む
全角がまぁるく面取りしてある滑らかな口当たり。星の形の人参入りクリームシチューみたいに優しさが整った世界。ちょっと身を引いて見れば、たちまち出来すぎた話のようにも思える。サイモンが恵まれ過ぎてて羨まし>>続きを読む
男の子の夢が詰まってるな〜という印象で、面白かったんだけど今ひとつノリ切れなかった。もうちょっと渋くてニヒルな?作風を期待してたけど、結構明るいドタバタコメディで拍子抜けした。二人の逃避行を応援したい>>続きを読む
満点以外付けようがない。女性が男性の従属から解放されて《本当の自分》を獲得するまでの大スペクタル冒険活劇。ワクワクヒリヒリドキドキして心臓が掴まれっぱなしだった。こんな女による女のための映画が、男性監>>続きを読む
最も美しい人に最も清らかな魂が宿った奇跡。世界一愛されている女優と言っても過言ではないだろうし、私も例に洩れず大好きで学生の頃観れる作品は片っ端から観たし、その波瀾万丈な人生の事もそれなりに知ってるつ>>続きを読む
数学と猫と天才子役。ドラマチックを盛り上げるカードは揃っている。算数から数学になった途端潔く降参した者としては、レースを編むように数式をスラスラと解く人を見ると秘密の呪文を伝えに来た魔法使いみたいに見>>続きを読む
この映画が終わらなければいいのにな、と思った。大好きな作品でもあまりそうは思わない。どんな特別なラストシーンが用意されているのか期待する気持ちがあるからだ。でもこの物語にそんなものは必要なくて、それを>>続きを読む
君が噂のバリーコーガン君か。不気味にやっとるね。これからパスタを食べる時、君と絶対に似ないよう細心の注意を払うよ。不協和音の使い方が上手く、終始ずっっっと不穏な空気感を維持出来ているのが凄い。後半の真>>続きを読む
最終的に人間が一人残らず動物になって、画面中がモフモフに埋め尽くされて終わるのを期待してたのに、動物の占拠率5%未満で大変寂しい。しかも犬がかなり可哀想な目に遭うので「なんでこんな嫌な気分になりながら>>続きを読む
タイトルからして窓もない地下室で監禁されてるのを想像してたので、めちゃくちゃ開放的かつ豪華なお家でびっくりした。パパの歪んだ教育方針が育まれた過程も去ることながら、それを支える資金源が気になっちゃう。>>続きを読む
R70+ (70歳以上推奨)作品といった趣きだった。あまりにも懐古主義かつ郷愁に浸り過ぎているように感じて、素敵な台詞も沢山あったけど、それをちゃんと味わうには私はまだまだヒヨッコなのかな、と思った。>>続きを読む
出会いは黄色、深まりは赤、別れは黒。それは愛しい人が着ていたパーカーの色。14階の眺めの良い部屋からぽつんと見送った色。たった二日で心の中に専用の部屋を作り去っていった人。でもその空白の部屋は私を少し>>続きを読む
小さい頃触った羊の感触を思い出しながら見ていた。想像していたような白くふわふわの触感ではなく、薄汚れていてゴワゴワと固かった生きている羊の毛。全く知らない物語なのに、グリム童話の実写化を観ているような>>続きを読む
前半は《編み物というアートを通して生きる意味を問う》みたいな内容で想像してたのと違った。もちろんアートは突き詰めると全部そうなんだけど、編み物の歴史や技法や工程や作品がまず見たいのに、それをすっ飛ばし>>続きを読む
音と言葉のジャングルに迷い込んだみたい。緻密に計算され作り込まれているのに、その枠からはみ出さんばかりのとてつもない熱量に飲み込まれる。都会的かつ野生的で、聡明でスマートな獣たちが織りなす極上のセッシ>>続きを読む
私は愛されている、大切にされている、尊重されている、と日常的に感じられる事が子供の成長にどれほど重要なのかを、丁寧に繊細に描いている。「貴方には守られるべき価値がある」ということを、実感を伴って伝える>>続きを読む
痛いくらい研ぎ澄まされている。真冬の冷え切った空気の中で、身体の表面は凍えながらも体内からの熱を感じて、皮膚一枚隔てた自分の内側と外側との輪郭がクリアになるような感覚。ベラが何物にも囚われず自己を獲得>>続きを読む
時に信仰を持つ者(ジャンヌ)と持たざる者(私)の間には、生きた時代や境遇や経験や意識の違いよりも、遥かに深い川が流れているように思う。私にはジャンヌの気持ちが一欠片もわからなかった。身体中の水分がなく>>続きを読む
冒頭のダンスホールで独り取り残されるシーンから身につまされて、イリスに肩入れするしかなくなってしまう。ショッキングピンクのヘアゴムが、金銭的にも世間体的にも着飾る事を許さない同居人(継父で良いのかな?>>続きを読む
想像の5倍くらいハードボイルドでびっくりした。冒頭からシリアススタートな人生がどんどん悪い方に転がり落ちてゆくのに、愛と可笑しみを添えることを忘れないし、カウリスマキテンポで淡々と進むので起こっている>>続きを読む
冒頭でVOLVOのゴミ収集車が出て来た瞬間、ラーメンズの『名は体を表す』に脳内がワープしてしまい危なかった。この派手じゃないけど鮮やかな色合いと、隅々までクリーンな映像は初期の頃から変わらないんですね>>続きを読む
煮えたぎった腸の熱が脳にまで到達する。とても静かに。そして怒りと喜びが混濁した涙で頬が熱く濡れる。一体何人の人生を奪い魂を蹂躙したら気が済むのか。映像ではなく淡々と言葉で語られるだけでもこんなに苦しい>>続きを読む
女性を見下げている上に性加害に及ぶような男性は皆、性格が歪んでいて仕事もできなくて社会にも貢献してなくて、家族も大切にしてなくて動物にも好かれなくて、なんなら臭くて不潔で見るからに嫌悪感の塊みたいだっ>>続きを読む