umisodachiさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.1

アキ・カウリスマキ監督作。テーマは移民問題だ。

内戦によって家を亡くしたシリア人のカ―リドは、フィンランドに流れつく。亡命の途中で別れ別れになってしまった妹のことを心配しつつ、難民申請をしてフィン
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

3.2

何とも見事な作品だった。父親の冗談は爆笑というよりは失笑を誘うもので、ヴィンフリートとイネスの間には常に気まずい空気が流れているのだが、仕事人間で感情を忘れてしまったかのようなイネスが、終盤で畳みかけ>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

スタイリッシュな映像と音楽、英国紳士とスパイというスパイ映画好きの心をくすぐりまくる設定、スタイリッシュでありながら、お下劣&お下品な描写満載のくだらなさ、コリン・ファースやマーク・ストロングら素敵す>>続きを読む

否定と肯定(2016年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

1990年代に実際に起きた裁判を実写化した作品。ホロコースト否定論者を著作の中で批判したユダヤ人歴史学者が、名誉棄損で訴えられる。

アメリカ人である主人公(被告)がイギリスの裁判制度に戸惑う様や、
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

4.2

スティーブン・キングのホラー小説の映画化作品。子供たちに恐怖を与えて襲うピエロが登場する。

実は1990年制作のテレビドラマ版も観ている。観た頃まさにティーンエイジャーだったこともあって、あまりの
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DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)

3.0

私は東京生まれだが、湘南で育った。小中高は鎌倉の学校に通っていた。そして両親とも西岸良平のファンなので、彼の作品は物心ついたときから家に沢山あった。

特に、『鎌倉ものがたり』は地元が舞台ということで
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.2

言わずと知れたアガサ・クリスティの傑作。ドラマも含めると何度も映像化されている。今回は、イギリスの名優ケネス・ブラナーが主演・監督を務めた。

本作の魅力は、なんといっても超豪華なキャスト陣。殺され
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KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

4.2

素晴らしかった。

オープニングの北斎を思わせる波の迫力も、繊細でダイナミックな折り紙の動きも、国芳が描いたそのままの骸骨の迫力も、村の情景の細部まで、まったくもって文句のつけようがない。

あま
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密偵(2016年製作の映画)

3.7

朝鮮半島を支配する日本の側につきつつも、上長の全幅の信頼を得ることができないと感じていたイ・ジョンチュルは、敵である義烈団との間で大きく揺れることになる。演じるソン・ガンホは日本語を巧みに操りながら、>>続きを読む

シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

『シンクロナイズドモンスター』機内で観たよ。11月公開予定。 そういえばということで今さらこちらにも記入。

酒浸りでダラダラしているダメ女グロリアが恋人に追い出され、NYから地元に帰ってくることから
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MASTER マスター(2016年製作の映画)

4.0

巨額詐欺事件のカリスマ首謀者と、彼を追うエリート警察官の攻防を描く。

韓国で数年前に起きたチョ・ヒパル詐欺事件をモデルにしているとか。とにかく規模のデカい詐欺行為に驚かされ、頭脳vs頭脳の絶え間な
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ポリーナ、私を踊る(2016年製作の映画)

3.4

『ポリーナ、私を踊る』鑑賞。バレエ好きにはたまらない内容。有吉京子の『SWAN』や、山岸涼子の『アラベスク』が好きな人にオススメ。(特に前者は恋愛と共にコンテに目覚めつつ挫折するところとか、内容的にも>>続きを読む

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

銃規制派のために邁進するロビイストを描いた作品。文句なしに面白かった!!

タイプは違うのだが、ラストでここまで「やられた!」と思ったのは、『シックスセンス』『ユージュアル・サスぺクツ』以来かもしれな
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台湾萬歳(2017年製作の映画)

3.4

『台湾萬歳』鑑賞。酒井充子監督による【台湾3部作】の3作目。

台湾台東縣にある成功鎮は、原住民族と漢民族がおよそ半々の割合で暮らしている。漁業や農業の町で、漢民族や日本人が移住してきて今のような町
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

是枝裕和監督最新作。



30年前にも殺人を犯し、現在は強盗殺人の罪で起訴されている三隅。弁護を担当する重盛は、死刑確実と思われる中で無期懲役を勝ち取ろうとする。しかし、二転三転する三隅の供述に翻
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ドリーム(2016年製作の映画)

4.0

いやー、おもしろかった。最初からずっと泣いてしまった。



黒人分離政策が行われていた時代の話なので、彼女たちは有色人種&女性という2つの偏見に晒されていたわけなのだが、3人それぞれの闘いがしっか
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

死期が近づき、12年ぶりに家族に会いに行く劇作家ルイ。母、兄夫婦、年の離れた妹は歓待するが、なかなかルイは本題を切りだすことができず……。

肝心の事実に一切触れず、腫物に触るような会話ばかりが続く
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ダンケルク(2017年製作の映画)

4.0

『ダンケルク』次世代IMAXで鑑賞。

第2次大戦時のダンケルクの撤退を描いた作品。フランス北部、ドーバー海峡を臨む港町ダンケルクへと追い詰められたイギリス・フランスの連合軍を大量脱出させるという「
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パターソン(2016年製作の映画)

4.8

ニュージャージー州パターソンに暮らすバスドライバーのパターソン。毎朝ほぼ同じ時間に起き、仕事に行き、帰宅し、犬の散歩に行き、その途中にBARでビールを2杯飲む。これが、彼の平日の過ごし方。そんなパター>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.2

幼い頃に両親を失った交通事故の後遺症で、止まない耳鳴りに苦しむ青年・ベイビー。彼は天才的なドライビングテクニックの持ち主で、強盗の逃がし屋をしている。とある事情から逃がし屋をやめられなかったベイビーだ>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.8

『新感染 ファイナル・エクスプレス』鑑賞。韓国で大ヒットしたゾンビ映画。最高に面白かった。

妻と別居中のファンドマネージャーの男が、娘とともに乗り込んだソウル発プサン行きの高速鉄道の中で、ゾンビに
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ザ・キング(2017年製作の映画)

4.7

飛行機にて。

もうね、空前絶後の面白さ。最高。

チンピラの息子として生まれ育った不良の青年が、検察を目指してのしあがっていき、次第に大きな渦に飲み込まれていく様をダイナミックに描く。

権力にま
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

2.8

機内で。

冒頭に登場する日本兵の眉毛が人工的過ぎて(細面で色白の妙にキレイな男)、そこに気を取られて仕方なかったのだが、突然日本刀を持ち出してから色々と吹っ切れた。ま、細かいことを気にする映画では
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ローマ法王になる日まで(2015年製作の映画)

4.0

機内で鑑賞。

アルゼンチン出身の現ローマ法王フランシスコ。彼がアルゼンチン時代に送った日々を綴る。

アルゼンチン管区長となったベルゴリオは、軍事独裁政権による圧政の下で奔走する。仲間は殺され、拷問
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

飛行機内で鑑賞。


前々から色々と言われていたし、キャスティングなどに無理があるのは承知の上だったので大して期待してもいなかったのだが、映画単体としては、決してつまらなくはない。



まず、『
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怪盗グルーのミニオン大脱走(2017年製作の映画)

3.0

『怪盗グルーのミニオン大脱走』鑑賞。2013年に公開された『怪盗グルーシリーズ』の3作目。

よく考えたら『怪盗グルーのミニオン危機一髪』(2作目)を観ていない気がするのだが、特に問題なかった。
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.7

志願兵でありながら、宗教上の理由から銃を持つことを拒否し、沖縄戦の中で75名もの命を救った実在する衛生兵を描いた作品だ。

主人公の幼少期から、彼にとって重要なエピソード、退役軍人である父親ら家族と
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未来を花束にして(2015年製作の映画)

4.2

1910年代のイギリスで、女性参政権を求め戦った活動家たち〝サフラジェット"。爆破など、過激な行為も辞さなかった彼女たちの苦難の日々を描いた作品。

登場するのは実在の人物が多いようだが、主人公は架
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素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

「Collateral Beauty」という原題と乖離した邦題、謎に「ラブ・アクチュアリー」と似せた日本版ビジュアルと、公開前から不安でいっぱいだった作品だ。

結果的に、映画としてはそれなりに面白か
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

4.8

細かい感想や解釈はこちらに書いた。

https://theriver.jp/demolition-review-2/

セリフに多くを頼らず、映像と芝居で表現していく手法。「破壊」という映像的に派
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

1979年は、私が生まれた年。時代が移りゆく当時の独特の空気感が、目から、耳から流れ込んでくる。

映画の冒頭、離婚の際に元夫に譲られた旧式の車が炎上する。実に印象的で、象徴的なシーンだった。いやが
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ちょっと今から仕事やめてくる(2017年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

けっこう面白かった。

特に、前半のブラック企業のパワハラシーンが秀逸。何度も何度も詳細に描写されていくのだが、重大なミスをして背筋が凍る感じとか、翌日のことが気になって全然眠れない感じとか、誰かが
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メッセージ(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレはほとんどしていない気がするけど一応。

地球外生命体とのファーストコンタクトを、「言語」の点から描いたSF作品。地球外生命体との手探りの交渉、という地球規模のテーマと、言語学者である主人公の
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「辛い過去と向き合うこと」をテーマにした映画は多い。乗り越えたり、赦されたりと様々だが、『マンチェスタ・バイ・ザ・シー』で用意されていたのは、そのどちらとも違う結論だった。

人間らしい感情に蓋をし
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帝一の國(2017年製作の映画)

3.8

いやあ、すこぶる面白かった。ちなみに原作未読。若手俳優総出演といった趣で、とにかくキャラクターが立っている。

猪突猛進の主人公(ただし、清く正しくはない)を演じている菅田将暉をはじめ、竹内涼真、間宮
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