うらぬすさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

融合体(2017年製作の映画)

3.6

短編のわりにクリーチャーの造形に気合いが入ってて驚く。この監督にSOMAやDead Spaceのようなサバイバルホラーのゲームを作ってほしい。

日曜日の憂鬱(2018年製作の映画)

3.2

彩度を抑えた映像とスローで抑制されたトーンが貫かれ、ある種の凄みのようなものすら感じさせる。決して楽しめた訳ではないけど、Netflixには是非この手の絶対に万人受けしない映画にもお金を出し続けてほし>>続きを読む

フィアー・ストリート Part 3: 1666(2021年製作の映画)

3.7

3部作の最初から最後まで期待を裏切らないのは本当に立派だし、現実においてもフィクションにおいても長らく不当な扱いを受けてきた女性同士のロマンス(ひいては同性愛全般)の高らかな勝利を宣言しているという点>>続きを読む

フィアー・ストリート Part 1: 1994(2021年製作の映画)

3.7

際立って優れた部分こそ無いものの、ジュブナイル×スラッシャーの王道の組み合わせの楽しさを堪能できる良作

(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

試写。暴力・死・男色よりもコミカルなシーンの印象がやたら強く、軽佻浮薄と言われても仕方ない気がするなーと思ってたけど、最後のオチを見て、監督はまさにそれを狙ってやってたのかもしれないとちょっと感じたり>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

4.3

下手なホラーよりよっぽど怖い。惨劇が起きそうな不吉な気配が充満していて、観ているだけで冷たい汗が背中を伝う。
ロングショットの使い方が抜群に上手いし、思わせぶりなズームイン/ズームアウトの多用が映画全
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私を信じて -リサ・マクヴェイの誘拐-(2018年製作の映画)

3.6

『ルーム』を彷彿とさせる構成。彼女の知性と機転は怠惰な刑事よりよほど優秀。セカンドレイプとは少し違うかもしれないけど、本来被害者を守る側の人間が被害者を更に追い詰める事例が世の中にもっとあるのだとした>>続きを読む

FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー(2019年製作の映画)

3.9

大きな夢と行動力だけあっても計画性や能力が不足していれば何も成し得ないというごく当たり前の事実

ボーイズ・イン・ザ・バンド(2020年製作の映画)

4.0

時に鋭く、時に誇張されたユーモアが彩る怒濤の勢いの会話劇が次第にシリアスなものに変わっていき、各々が抱く信念や苦悩を表面化させる一連の流れは見事なもの。自分で自分を肯定してあげられない苦しみは、安易に>>続きを読む

キューティーズ!(2020年製作の映画)

3.7

男性による支配を前提とした保守的な女性像に反発した結果、男性による性的搾取を自ら促してしまうという、あまりにも惨い構造を鋭く告発していて結構凄い。物議を醸すのもよく分かるけど、この挑発的な姿勢を監督は>>続きを読む

タイガーテール -ある家族の記憶-(2020年製作の映画)

3.5

登場人物をステレオタイプに当てはめず多面的に描く思慮深い脚本だとは思う

人生はあるがままに(2020年製作の映画)

3.4

抑制されたトーンとは裏腹に、というかだからこそ、ふたりの暗い心の裡が滲み出るよう

モシャリ(2022年製作の映画)

4.0

ジャンプスケアもあるがそれだけに頼らず、様々な演出を駆使して、単純な恐怖以上の、悲哀を帯びた畏怖のようなものを喚起する。いつかこの監督の長編映画を観てみたい。

ノー・ウェイ・アウト(2021年製作の映画)

3.4

社会的な弱者が感じている不安を超常現象の恐怖に繋げるよくある手法で、それ自体は構わないというかどんどんやれと思うけど、ホラーとしての洗練度が足りていないように感じる

ベイルート(2018年製作の映画)

3.6

印象には強く残らないが政治スリラーとしては堅実

ホース・ガール(2020年製作の映画)

3.7

下手な描き方をすると各方面から抗議が飛んできそうな統合失調症というなかなか繊細な題材に真正面から取り組む姿勢がまずは好感を持てるし、予算が決して潤沢ではない(たぶん)わりには当事者目線の混乱を結構上手>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.2

どれだけトム・クルーズの周りに美女を配せば気が済むんだと思いつつも、ハリウッドが金と才と技術を思う存分注ぎ込んでできたド直球のエンターテインメントの迫力の前にはただひれ伏すのみ……

ターミネーター2(1991年製作の映画)

3.9

30年以上前の作品とは思えない迫力はおそらく並外れたアクションと視覚効果の賜物で、それらをまとめてあげて一つの作品の形に仕上げる手腕という意味ではジェームズ・キャメロンは稀代の映画監督だろうけど、スト>>続きを読む

レアエクスポーツ 〜囚われのサンタクロース〜(2010年製作の映画)

3.2

駄作とまでは思わないけど、この映画のユーモアセンスは自分向きではなかった

ホールド・ザ・ダーク そこにある闇(2018年製作の映画)

3.7

度し難い人の心や土着的で暗く醜い何かが蠢き絡み合う様に興味を強く引かれる。でも観てて疲れる。

キング・オブ・クローン(2023年製作の映画)

3.6

考えれば考えるほど生命倫理のことがよく分からなくなるのが常で、これを観ることで思考を整理できるかと期待したけど余計に考え込んでしまった(別に本作の出来が悪いというわけではなく)

マージン・コール(2011年製作の映画)

4.0

結局のところ何が起きていたのかは金融の知識に乏しい自分にはいまいちよく分からないけど、登場人物ひとりひとりにちゃんと魂が籠もっているように感じられる脚本と演技が見事。資本主義の先鋒として肩で風を切って>>続きを読む

フォトコピー(2021年製作の映画)

3.4

オリジナリティはあるけどこの題材で130分というのは少し冗長な印象を拭えず

ニモーナ(2023年製作の映画)

4.1

他者の理解と受容を大きなテーマに掲げつつ、クィアのロマンスを誇張せずに日常の一部として描き、更に純粋にアクション/コメディとしても面白い。ディズニーやドリームワークスにも引けを取らないクオリティ。少な>>続きを読む

folklore ロングポンド・スタジオ・セッション(2020年製作の映画)

4.2

アルバム1~4枚目のカントリー路線、5~7枚目のシンセポップ路線の作風から打って変わって、陰翳豊かなフォークソングを通じてストーリーテラーとしての才を遺憾なく発揮した「folklore」が本当に優れた>>続きを読む

ジョン・カーペンターの 要塞警察(1976年製作の映画)

3.4

凡庸なアクション映画とは明らかに違う外連味が随所に見られて面白いけど、いちばん良かったのは粗さの残る電子音楽の趣。

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

どんなに一対一の関係を希求・維持しようとしても、社会の中で暮らしている限りそこには必然的に他者の存在が入り込んでしまい、望んでいた一対一の関係が崩れてしまう、というのは世界中どこでにもあることだろうけ>>続きを読む

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

4.4

普通は見聞きする機会の無い赤の他人のパーソナルな事柄が白日の下に晒される裁判という場を舞台に設定したのが、この映画の成功のもとだったかもしれない。血も涙もないような犯行をした者にもやはり人の心が多かれ>>続きを読む

エルドラド ナチスが憎んだ自由(2023年製作の映画)

3.9

限りなく誠実かつ克明で、限られた上映時間の中で何をどう見せるか綿密に取捨選択されていることがよく伝わってくる。いつの時代も迫害される少数の弱者は存在するが、彼らを救うコミュニティはいつの時代にも存在す>>続きを読む