第1章、第2章から更に気味の悪いカオスが加速する。色んな偉い人がOKを出してこれがお茶の間で放送されるデンマークという国、何?
目眩がするくらい支離滅裂で、シニカルな笑いと厭世的なムードと陰謀めいた謎に塗れている。でも不思議と強烈な一貫性のようなものも感じる。退屈に思う場面もままあるのが玉に瑕だけど、耐えた分しっかり見返りはあ>>続きを読む
伝記映画のはずなのにシャーリー・チザムという一人の人間を描く気があまり無い?
う〜ん 申し訳ないんだけど演技が血の通ったものに感じられなかったし、全体を通していかにもインディーの邦画にありがちな鬱屈とした自己陶酔感めいたものが漂っているような気がして、ちょっと厳しい
フィクションさながらの構成だと思ったら『イカロス』の監督で納得。大胆不敵な設計がこの恐ろしい一連の出来事をより鮮明にしている。
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変わりゆく都市NYにおいてまさに「街角に置き去り」にされたかのように慢性的な貧困の中で暮らしていた黒人のリアルに目を映しつつ、献身と愛情を軸にしたドラマが展開される。誘拐は正しくない、あるいは愛は無条>>続きを読む
史実を正確に伝えることが目的ではないのだから必ずしも史実に厳密に則らなくて良い、それくらい映画は自由なものだということに改めて気付かされる
より陰鬱でより深刻なバージョンのスタンド・バイ・ミーといった趣でなかなか悪くないけど、特に新鮮さはない
観客を問答無用で作品世界に引き込む映像の魔力。莫大な製作費と監督の美学が理想的な形で結実したら凄いものが出来上がるのは自明。ドラマとしての魅力という点では決して傑出していないけど、それを考慮しても4.>>続きを読む
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刑事が真実を追求しやがて事件を解決に導くというありがちであると同時に観客から期待されている筋書きを、監督はあっさりと捨て去る。その代わりに、事件に向き合う刑事らや容疑者候補の人々の言動を冷徹な眼差しで>>続きを読む
folkloreとevermoreの内省的で詩情に満ちた表現がやっぱり特別に好きだけど、それ以外のアルバムの美点、たとえばLoverが祝祭的なムードに満ち、Reputationが感情のより暗い側面を見>>続きを読む
シリアスな題材のヒューマンドラマの中にスラップスティック・コメディの要素を混ぜた結果全体のバランスが大きく損なわれて空中分解してしまっている、邦画でたまに見かける悲劇的な失敗がここにも
総論的ではなく各論的に職人ひとりひとりに焦点を当てているのが中々面白い。
飴色に艶めく映像やエモーショナルな音楽が、良くも悪くも印象に残る。実際心動かされる部分もあるけど、あまりドキュメンタリーらしく>>続きを読む
皮肉と諧謔に満ちたやり取りが小気味良い。でもなんか……中年男性とティーンの女の子が交際関係にあるという設定が……。いや当人たちが己の意思で納得して交際してるんなら第三者が口を挟む問題ではないのかもしれ>>続きを読む
金獅子賞を与えるほどか…?と思いつつ、グロリアを演じるジーナ・ローランズのスター性を演出する手並は凡百の娯楽作品とは一線を画すものがたしかにあるような気がする
監督が写真家というだけあって、すべてのショットに静謐の美や生命の躍動、土着的なエネルギーのうねりを感じ取れる。贅沢すぎるくらい時間を費やして一つ一つのシーンが撮られているお陰で、そのやり方でしか生まれ>>続きを読む
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陰鬱な緊張感が漂う中で繰り広げられるティルダ・スウィントンの謎めいた一人二役の演技と、心に重い打撃をもたらす真相。意外と楽しめて良かった。
額面通りに受け取って良いかは置いといて、掛け値なしに恰好良い女性ではあると思う
ステレオタイプがもはや通用しなくなっている今の社会の現実を指摘しつつ、アイロニカルなユーモア満載で最後まで飽きさせない。この時代に生まれるべくして生まれた秀作。
あまり真に迫っている印象がない。彼のファンはこれで満足するんだろうか…
ウイットと風刺を交えながら家族の間に走る亀裂とその回復、自己の探求と確立というテーマを鮮やかに調理している
奇妙な運命に翻弄される男二人の姿を通して愛の諸相を描く。これだけ複雑な脚本をよくもまあ巧みに操れるものだと、毎度のことながら感心してしまう。
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法廷劇だから夫の死に関して判決こそ一応出るものの、観客に対しては紛れもない一つの真実を敢えて提示せず、曖昧な薄闇の中に隠してしまう。しかし人生とは得てしてそういうものである──作中で述べられていた通り>>続きを読む
肉親としての情と外れてはならない人倫の狭間で懊悩し引き裂かれる心という、かなり古典的な主題に正面から取り組んでいるのに、あまり陳腐に感じさせないのは主演二人の卓越した演技の賜物か。
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孤爪研磨の一人称視点で試合の動きを描くあの長くも短いシークエンスは、ここ数年の日本産アニメーションの中でも屈指の出来栄えだった
ジェニファー・ロペスを徹底的に美しく凛々しく撮ろうとする気概も、リッチな映像表現へのこだわりも感じ取れるのに、曲がとにかく凡庸なのが残念(アルバムを通して聴いても同じ感想)。プロデューサーやソングライ>>続きを読む