仕事上の視察・ROUTE BOOKSにて。
インターネットも交通網も発達して地球の裏側のニュースだってすぐ知れるような時代なのに、ニューヨークでこんな大騒動が巻き起こっていたなんて知らなかった。
ド>>続きを読む
冒頭から不穏な空気が充満してるけど、ラストの公演本番のシーンで一気にすべて突き崩す怒濤の演出に鳥肌が立った。そもそも真逆の一人二役をすること自体が精神にとんでもない負担になるんだろうなと思う。
映画であれ何であれ、それを作った人のセンスと自分の感性がうまくマッチしていると、最初の瞬間からなんとなくそのことを察せると思う(少なくとも自分はそう)。初めの30秒で、今回がその種の幸福な出会いである>>続きを読む
静と動で捉えるならほぼ静……金曜の夜に観た自分に大いに非があるとは思うけど正直少しうつらうつらしてしまった。映像が詩的で綺麗ではあった。
欠陥がたくさんあるのは分かってる。とても褒められた出来の映画じゃないことは分かってる。でもこういう感染ものに無性に惹かれてしまう。たぶん今日でこれ観たの4回目くらいだと思う。
教訓譚としての性格がちょっと強すぎる気はしたけど、薬物を摂取するときのカット割りとかサイケデリックな音楽とか、演出が主題とばっちり噛み合ってて凄まじかった……。
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アザーズとかオカルティック・ナイン(アニメ)とかで実は最初から死んでました系の話に慣れてたこともあって、コールが死者が視える話をしたところでもう真相に勘付いちゃったけど、それでも充分に面白く観れた。>>続きを読む
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父親の声の後ろに聞こえるWTCの騒音、電話を取れなかった罪悪感、公共交通機関への言い知れぬ恐怖、ニュースが繰り返し伝える9・11の惨劇、母親との衝突、無力感、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い>>続きを読む
淡々としているのに、というよりも淡々としているからこそ、凄みも深みも増しているように思える。
いかにも低予算なのにここまで独特なものを作る監督の力量に少し感心した。
ちょっと前に人に勧められて劇場版じゃない方を見てすごく良くて、ふと思い出して今度は劇場版を。
人とアンドロイドの関わりをいろんなパターンで観れて、ひとつひとつは短い話だけどどれも心に訴えかけるものがあ>>続きを読む
チャップリンを観るのは2作目。風刺という行為にはどちらかというとネガティブなものという印象があるけど、この人はとにかくポジティブなもの(笑いとか)に変換してしまう天性の才能を持っていたのかもしれない。
原作を読む前は単純に血沸き肉躍る話かとばかり思ってたけど、フィンチャーがそんなストレートな話の監督をする訳がなかった。
タイラーがただの二重人格じゃなくて理想化された自己だったり、逆にマーラが主人公の>>続きを読む
原作を全く知らない状態で思いつきで観に行ったけど、愉快痛快ですごく面白かった。ちょっと演技に固さがある俳優もちらほらいたけど、それが逆に高校生の若さとして映って結果的には良かったのかもしれない。
批評的な観点で言えば作品のメッセージ性とかメタフィクションとかいろんな趣向が凝らされてるんだろうけど、圧倒的に話が不愉快すぎてそういうことに意識を向けるにはちょっと努力が必要だったし、その努力をする気>>続きを読む
面白くないことを分かって敢えて借りてきたけどやっぱり面白くない。説明不足の点も突っ込みどころも多すぎるうえに原作へのリスペクトを感じられない(オリジナルクリーチャーの造形とか、演出の仕方とか)。ナース>>続きを読む
含蓄に富む台詞の数々と心を揺さぶるシーンの多さ。痛みも傷も、この主人公ならぜんぶ乗り越えて生きていけると思った。
タイトルはダブルミーニングか……?
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前作で大変な苦労を分かち合ったマリーが早々に殺されてしまったところでテンションが下がって、それ以降自分のテンションを持ち直せないままになってしまった。シリーズ追うまではしなくていいかなあ。リアル志向よ>>続きを読む
ちょっと昔に原作も読んだけど映画のほうがずっと衝撃的で印象の強い作品になっていた。マルコム・マクダウェルの怪演と劇伴のハマり具合。テーマ曲っぽいの、オリジナルかと思ったら『メアリー女王の葬送音楽』とい>>続きを読む
アニメ3期までぜんぶ観たので復習の意味も兼ねて観た。
面白いのはすでに分かってたことだけど、シーンの切り貼りがあんまり上手じゃなかったのでやや減点。
散々ゾンビ映画が出尽くした後でわざわざこんなありきたりなものを作る意義がいまひとつわからなかった。スケールは大きいし製作費ずいぶん掛けてそうだけど、それだけ。ものすごくつまらなくはなり得ないけど、決し>>続きを読む
陰影の使い方とか色へのこだわり(今作はくすんだ緑色と黄色)がフィンチャーっぽいなと思った。
リスベットの不器用な感じが結構好きだったぶん、ラストの切なさに胸が軽く抉られた。来年公開予定の続編がキャスト>>続きを読む
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コミカルとシリアスの配分がちょうどいい。甘いものを食べているとしょっぱいものを食べたくなって実際に食べると快楽を感じるのと同じように、そのバランスの良さが観ていてすごく心地よかった。
意図的なものかど>>続きを読む
どこまでが原作に沿っていてどこからが映画オリジナルなのか(あるいはオリジナルなどなくすべて忠実なのか)分からないぶん、純粋にひとつの映画作品として観れたのかもしれない。
にしてもいろんな要素が詰め込ま>>続きを読む
暗喩が大量に散りばめられてたり、シームレスにシーンが続いたり、演出面でものすごく技巧が凝らされてて興味深く観た。
カーヴァーの短編で語られる愛の有り様と、主人公が縛られる愛=自己愛が見事に対を成す構図>>続きを読む
ラブロマンスのひとつのテンプレートを創り上げた映画じゃなかろうか。
何度も出てくる「この瞬間を永遠に」という台詞がすごくいいなあと思ったけど、どうやら他の翻訳者の人の「君の瞳に乾杯」という訳のほうが有>>続きを読む
息が詰まるほどの狂気。映画だからといって軽視すると痛い目を見そうなくらい観る者に緊張と真剣さを要求する。傑作なのはぼんやり分かるけど、あとは個々人の趣味嗜好の問題。
「これを撮りたくてこの映画を作った」というシーンがどの映画にも存在すると思うけど、この映画にはそんなシーンがいくつもあった(気がした)。
アクションシーンが派手で爽快。終盤のとりあえず爆発させときゃいいだろ的な大雑把さは嫌いじゃない。
ふたりが入れ替わった先で人情を垣間見せるところとか、鏡に映った自分の顔〈相手の顔〉越しに相手を撃つ場>>続きを読む
すごくもやもやとする……。謎を謎のまま残すことで深い余韻が生じるというメリットもあるけど、今回はそれを上回る消化不良感に襲われてしまった。
でもやっぱりフィンチャーの色の使い方は好きだし、この仄暗さ>>続きを読む
足を鎖で繋がれたふたりのパートがずーっと続くものだと思ってたけど、案外回想とか他の人物の視点とか色々入り組んでて少し驚いた。
伏線の回収はお見事。けど敢えて謎を残して次作の展開を気になるよう仕向ける魂>>続きを読む