うらぬすさんの映画レビュー・感想・評価 - 73ページ目

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

3.5

戦争の悲惨さはすごく伝わってくるけど、ちょっと単調でひねりがないような気がしてしまって、映画として楽しめたかという観点で言うとそこまででもないかなあという感じ。『ライフ・イズ・ビューティフル』くらいの>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.8

愛と友情はどんな環境のなかでも芽生えうるものだということ

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.2

ものすごく大雑把に言ってしまえば、セクシャルマイノリティとして生きていくために自らのアイデンティティを長い長い時間を掛けて確立していく話か。でもそこには当然数々の障害(貧困、親からの愛情の欠如、壮絶な>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

3.3

退廃芸術的な趣を感じる。重く暗く悲しい話だけど、画の綺麗さで食あたりみたいにはならずに済んだ。
本当の意味でこの映画を味わうには自分の教養が明らかに不足してるなあと思った。もったいない。

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

3.5

無人島から救出されて終わりかと思ったらその後の話もそこそこあって、むしろそっちのパートの情緒的な感じがわりと好きだった。無人島サバイバルの場面はあまりにもつらそうで顔を顰めながら観ていた。

ミザリー(1990年製作の映画)

4.1

怖かった……オカルトとかゾンビとかそういう類よりも人間の狂気のほうがずっと恐ろしいと思い知らされた。

保安官夫妻が地味に良いキャラしてた。

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)

3.9

キャスティングが文句のつけようがないくらいぴったり。原作の雰囲気そのまま……というのは原作をまだまともに読めていない自分には言えないけれど、たぶん世間ではそう評価されているんじゃなかろうか。(※追記 >>続きを読む

ダイバージェント(2013年製作の映画)

2.1

説明不足感。いちばん重要な設定のはずなのに、異端者がどうして人類の脅威たりうるのかすらいまひとつ伝わってこない。無派閥は顧みられていないのに異端者だけが恐れられる訳は……?
演技はぜんぜん悪くない。
>>続きを読む

ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

3.8

酔った状態で観たからわりと記憶が曖昧だけどコリン・ファースがやっぱり恰好良いということは確認できた。

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

3.7

いちばん感心させられたのは柿原りんかという子役の演技。決して感動を押し付けるようなことをせず、実際の11歳ってたぶんこんなものだよねっていう妙なクールさを淡々と演じきっていた。そのクールさがあるぶん、>>続きを読む

At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)

4.3

期待していた通りの作品で、交わされる会話の隅から隅まで堪能できた。密室(厳密には密室ではないけど)会話劇の面白さがぎゅっと詰まった映画でした! 舞台は観てないけどたぶん舞台の空気感そのまんまで、わざわ>>続きを読む

愚行録(2017年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

登場人物が持っているような愚かさってきっと誰しも少なからず持っていると思う。そこに敢えて光を照らしてエンターテインメントに仕上げるのは制作側にもなんらかの苦しみをもたらしたろうに、よくやりきってくれた>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

初っ端から魅了されてスクリーンから目を離せなくなり、中盤で若干中だるみしたと思いきや、すぐに盛り返してラストの演出で完全に持っていかれた、という感じでした。ミュージカル映画観るのはこれが初めてで、あん>>続きを読む

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

4.0

あまり期待してなかったけど結構出来良かったのでは? 原書も訳本もなまじ文章が洗練されてるぶん物凄く高尚な話に感じちゃうんだけど、映像で見ると豪華なパーティのシーンとかの俗っぽさが露わになって、本来はそ>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.1

実話をもとにした結末が分かってる系の映画を観ると、話の筋を一所懸命追う努力が必要ないぶん役者の演技そのものに集中できるから逆に感情移入しやすくなることを発見した。

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

3.9

余韻がいつまでも残る綺麗な映画だった。黒木華じゃないと主人公七海の役は務まらなかったと思うくらいぴたっとハマってた。思うような人生を生きられず自分の居場所を見失う七海と、奔放に豪快に生きる真白の対比が>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.3

こんなに暴力に満ちてる映画なのにずっと笑いながら観ていられるのは素直に凄いと思った。タランティーノ独特の俗っぽさと洒脱さを兼ね備えてる空気感が好き。

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

4.0

西部劇観るのがこれが初めてだったけど、イメージのなかの西部劇に自分が求めるものが大体揃っていたから概ね楽しめた!

男たちが命を賭してまで戦いに参加する動機がいまひとつ伝わってこなかったけど、銃撃戦が
>>続きを読む

虐殺器官(2015年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

映画化にあたって何かしら省略とか改変があるのは覚悟してたけど、母親のくだりが全カットとは……。ルツィアに執着する必然性が失われるどころか、クラヴィスのキャラクター造形が根本から違っちゃう気がして、個人>>続きを読む

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.9

沈黙が良かったからスコセッシ監督の他の作品も観てみようと思って。
内なる暴力性とかトラウマとか、ものすごく重いテーマを画作りと劇伴がしっかりと支えてて好感が持てた。ディカプリオってこういう危うい役も結
>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.2

すごくよかった!そんなに上手く運ぶわけないなんて野暮な突っ込みを吹き飛ばすほど、ワクワクする。青春とか音楽とか夢を追うこととか、ぜんぶを無条件に賛美したくなる。

無学ゆえUKロックはまったく詳しくな
>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.1

信仰とか宗教があまり日常的なものじゃないのに、観ていて心に迫るなにかを感じるのは原作の良さとそれをちゃんと引き出せた制作陣の力量のお陰か。ロドリゴの苦悶が神経が張り詰めるほど伝わってきて、すごく辛い映>>続きを読む

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

3.8

観てるこっちまで気が触れそうな映画だったけど、次から次へと出てくる常軌を逸した映像やら仕掛けやらに文字通り呑み込まれて勢いのまま観終わった。まさにカルト映画……。

情報統制が敷かれ人々の暮らしも薄っ
>>続きを読む

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.2

北米の自然は冷酷で容赦がない。猛烈な吹雪や凍てつく山河を前にして、人間はふつう茫然と立ち尽くすしかない。ロシアのツンドラとかとは違って、人間の暮らすコミュニティとすぐ隣り合わせにそういう過酷な環境が広>>続きを読む

ブレードランナー(1982年製作の映画)

3.7

猥雑でアジア的な要素が散りばめられた近代都市観がすごく好き。FF7のミッドガルを思い出すし、もろ影響与えてそう。

ストーリー自体は今となってはとくに斬新というほどのものじゃないけど、ハリソン・フォー
>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.4

半世紀以上昔の映画で、白黒で、舞台は密室で、知っている俳優が出ているわけでもないのに、ものすごく面白かった。脚本さえ良ければ他の要素なんてあんまり関係ないんだなあと痛感させられた。

真相は結局わから
>>続きを読む

シングルマン(2009年製作の映画)

4.8

大好きなコリン・ファースとジュリアン・ムーアが出てることと色遣いが美しいという前情報のみで借りてきたらまさかの……。でもとにかく瞑想的で洗練された素敵な映画だった。まだ2017年入ったばかりだけど今年>>続きを読む

永遠のこどもたち(2007年製作の映画)

4.1

孤児院、洋館、目に見えぬ存在、子供の失踪、凄惨な過去……ゴシックホラー的な要素がふんだんに盛り込まれてて、まさに王道を往くという感じだけどその分裏切られることも決してない。観る者をずっとハラハラさせつ>>続きを読む

華氏451(1966年製作の映画)

3.5

1953に原作が書かれたとは思えない「先見の明」感。本を読むのが禁止されただ受動的にテレビばかり見ている人々は、そのせいで感情や記憶力が奪われている……という設定をもう少しわかりやすく表現できていたら>>続きを読む

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

4.3

同性愛に薬物に窃盗に近親相姦、たくさんの要素が詰め込まれているけれど声高になにかを主張するわけではなく、ひとりの男が母を追い求める旅路とその過程で変化していくもうひとりの男との関係を淡々と、けれど美し>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.6

暗喩と象徴がふんだんに織り込まれてるわりに案外スッと観れるのが不思議。折に触れて思い出す映画になりそう。

バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

3.7

明らかな後付け設定が目立った割にはうまくまとまったか。寄る年波を感じさせないミラのアクションは本当にすごい。

ジル、Kマート、クリス、レオン、エイダ・ウォンらが再登場しないのがちょっと残念。最終作な
>>続きを読む

ベイマックス(2014年製作の映画)

3.5

ふつうに面白かったしテレビで観るぶんには満足だけど、ロボットと人の絆を描くわりにはヒーロー要素が強すぎた。前者にもうちょっと的を絞ってくれたほうが個人的には嬉しかったかも。

終わり方といい最後のドッ
>>続きを読む