ヨヨさんの映画レビュー・感想・評価

ヨヨ

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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.4

はい、そうです。ガチガチに構図の決まった映画が好きです。すみませんでした。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

映像がすごいだけに、ニンゲンを映すなゴジラを映せ!と予算上たぶん無理のある要求をしそうには、まあ、なるが、いや、ニンゲンのドラマけっこう良くなかった?
特攻から2度逃げてしまった(あの局面でゴジラを撃
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

直前期にゲームのMarvel's Spider-Manをやってから観た。そちらはスパイダーマンの「カノン」をストレートにやる作品で、めっちゃ面白かったので、「カノン」を擁護する立場の議員を脳内にひとり>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

けっこう複雑な話だが、お決まりムーブの勢いで楽しくノーストレスに観られてよかった
取り組まれる謎がすごく脱出ゲーム的な...謎解きのための謎、実体を伴わないパズル、という感じが強いので、どうでもよ度は
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.5

 なぜか悪い古参みたいなコメントしたくなってしまう。しちゃお。
 基本的には、ごく普通のファミリー映画の枠組みにマリオの要素をうまく代入したものという感想で、楽しかったけどあんまり熱心にはなれなかった
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

 世界で最初の映画は黒人の騎手が馬を駆る2秒間の映像だった、映画は最初から黒人と馬と共にあった、という宣言で始まるホラーSF映画。闇に溶ける肌に大きな目だけが浮かぶような画の威力に言及しないわけにいか>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

 小津安二郎が好きだからというのも大いにあるが、自分が誰かに向けるドロドロした悪意と付き合いながら、まさにその誰かと優しく温かく接すること、悪様にいえばある種類の欺瞞の尊さをいう映画として観た。真人が>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 ブラピの正体はどっかで聞いたことある状態で観た。序盤何回かサブリミナル的にブラピが一瞬映り込むのかっこいいよな。
 最初の死にかけてる人のセラピーに潜り込むくだりからよかった。その後のすべて(ファイ
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 強烈に風刺的なルールの収容施設内で展開される、しんどめの寓話。直前にメイドインアビスを観ていたから事なきを得た。

 終盤の解釈の余地が広い。パンナコッタとメッセージにひと段落つけた一種の達成感と精
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マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

4.2

 でかくて疲れる用事のあとの弾丸東京小旅行でめちゃくちゃ歩き回るなか、観たかったのに観逃した当作の上映をみつけて急遽夜の回に滑り込んだ関係で、前半ほとんど意識がなかった。ので、起床後、誰が誰で何がなぜ>>続きを読む

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.0

 ガンダムほぼ初見。初見なんだから初代とか逆シャア観てから観ろよとの向きもあろうが、自分の知らない膨大な背景が感じられる鑑賞体験アリだなと思って準新作から観ました。面白かった!
 モビルスーツが人型で
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シャンカラーバラナム 不滅のメロディ(2015年リマスター版)(1979年製作の映画)

4.5

 何の映画かって言いづらいのだけど、インド古典音楽の楽聖と、彼の音楽に神を見出し崇拝するガチファン女性を追う映画です。

 シャンカラ(シヴァ神)ーシャンカラ(楽聖)ーシャンカラ(ガチファンの息子)が
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杜人(もりびと) 環境再生医 矢野智徳の挑戦(2022年製作の映画)

3.5

 「ちゃんと風を通してやればツル植物は"大人しくなる"」旨の発言が出たあたりからオッ?となり始めたのだが、独特に人間中心主義的な世界観をもった人で、あまり科学的な態度と思えず、思想として乗れなかった。>>続きを読む

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.2

 adoの歌がむやみにうまく、歌のうまさがそのまま無敵の魔力として作用するのがよかった。5歳くらいのウタや憔悴しきったボロボロのウタが、今の今まで子供なりの声や消え入りそうな震え声で話してたのにカット>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003年製作の映画)

4.4

 フロドパートでも戦争パートでも、基本的に全員「もう希望はない、生きては戻れない」という諦めのもと、それでも人生に何かを見出そうともがいていて、辛い。死を真正面から見つめる者の美しさを繰り返し描こうと>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002年製作の映画)

4.0

 アラゴルンが戦場に残された痕跡から何があったか推理するシーンや、泣きそうに響くバイオリンの音色をはじめとして、『ウィッチャー3』が節々で思い出された。指輪物語の強力な影響下にある作品だろうから当然と>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

4.0

 中つ国の物語群の真髄は緻密に構築されたエルフ言語や民族史や何やにあるそうで(そもそも創作言語の副産物として物語が書き始められている)、映画だけ観てもその表面を撫でたにすぎないんだろうと思うが、裏に緻>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 ヴィランたちとパーティを組むインペルダウン的興奮や、スパイダーバースと比べて口数が多くて連携も豊富なスパイディーズの乱舞への興奮はマジでありましたが、“治療”された途端いちいち目に光が宿っちゃうヴィ>>続きを読む

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 スタークに解雇された技術者たちによる起死回生のスタートアップが敵。このシリーズの敵がいつもどこか世知辛くてくたびれた父性(父たるトニーに対して「親戚のおじさん性」といってもいいかも)をたたえているの>>続きを読む

いつだってやめられる 闘う名誉教授たち(2017年製作の映画)

3.7

第一作が毒々しい赤と緑、第二作ではそこに青が加わって幾分調和的になっていたところ、第三作では青と黄が強調され、要するに真っ当でスッキリと目に心地よい印象が付加されようとしていて、物語も同様にストレート>>続きを読む

いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち(2017年製作の映画)

3.6

なんだかんだ帰るべき家がありこの危険な非日常から抜け出したいピエトロと、特段そんなものはない他の面子のスタンスの差が浮き上がってきており、ピエトロが安請け合いを重ねるたび蓄積される破綻の予感が独特の緊>>続きを読む

いつだってやめられる 7人の危ない教授たち(2014年製作の映画)

3.7

だいぶ目に来る赤と緑が画面を極端に支配しており、そこにドンシャリクラブ音楽と巻き舌まくしたて口論が乗った、俺たちは流離した貴種なのだという高学歴の悲哀とプライドがオタク特有の長文早口の口角の泡として滲>>続きを読む

レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

3.8

映画がうめえ...
今観ると(初見だけど)、専ら冒険の対象であって文明人の住む場所ではない土地で、野蛮人を使役し、雑に殺し、野蛮人から盗んだ馬で疾走して、白人と白人のどっちが現地文明の遺跡から宝物をパ
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イノセンス(2004年製作の映画)

4.0

過剰なインテリ的引用を含む文語調説明台詞の羅列を映画上きれいにみせるのって難しそうだが、攻殻機動隊は「彼らは常にググりながら会話しています」で解決している。その他、人々の異様な物分かりのよさ(ゆえに視>>続きを読む

コリーニ事件(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 殺人罪に対応する構成要件が謀殺と故殺の2種に(動機の悪質性によって)分かれているドイツ刑法の特徴などがうまいこと展開に組み込まれており、外国の刑事法制度観光としてよかった
 殺人の肯定ともとりうるバ
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.7

 映画の多くの部分を占める狭くて細い列車内という環境ではゾンビの動きが制限されていて、おそるおそる外に出た途端に(侵攻を防いでたガラスが景気よく割れるとかの「火蓋を落とす」演出とともに)堰を切ったよう>>続きを読む

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.1

久しぶりに再見した。あんまり関係ない(多少は関係ある)話をします。

 ある映画のあるシーンがどのように「よい」のかを、過不足なく文章に落とすことはできない(そんなことができてしまう映画は観るに値しな
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.0

全編冗談みたいでかなりよかった。
第一怪獣にシンゴジラを引用することで人類の状況と温度感を即座にインストールし、そのまま同様の苦労を偲ばせる怪獣出現→撃退カットを何枚も畳みかけるオープニング、めちゃく
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Please Hold(原題)(2020年製作の映画)

3.7

身柄拘束も刑事裁判もAIによる自動処理になった世界で突然捕まってしまった、罪状すら告知されない、人間の弁護士はアホほど高いので質の悪いAI国選弁護人しか使えない、こいつ「ピピッ すみません よくわかり>>続きを読む

メリエスの素晴らしき映画魔術(2011年製作の映画)

3.8

 リュミエールをして「映画創作の父」と言わしめた最初期映画作家メリエスの代表作『月世界旅行』(1902)の復元本編映像に加えて、前半はメリエス自身を、後半は失われたフィルムの復元作業を追うドキュメンタ>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

4.0

グラントリノの爺さんより前向きで柔軟で愛想のいい、しかし退役軍人という設定ひとつに託したマッチョな輝きとレトロな悲しさは共通する今作の爺さん、かなり好き
ストーリーについて振り返るのであれば、舞い込ん
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きみに読む物語(2004年製作の映画)

2.2

最初から最後まで満遍なくあらゆる面で共感できなくてすごかったしBGMうるせ〜、勧めてくれた人に何て言おう...

アリーのママが定期的にゴージャスなオープンカーで炭鉱労働の現場に乗り付けて「ありえたか
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.0

 人々が次々と突発的に記憶喪失になる世の中で、社会復帰のためのセラピー「新しい自分プログラム」を受ける男の話。きわめて忘れっぽい人間として当事者性を感じたので観に行った。
 かなり世界がヤバいはずの設
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映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生(2016年製作の映画)

3.5

 自己実現のために時空をアレしたギガゾンビと、自己実現のためにペットをアレしたのび太が相似関係になっているが、ここにさらに、自己実現の媒体として子をまなざし、自己実現のために子を叱り・習い事をさせ・期>>続きを読む

ドラえもん のび太と雲の王国(1992年製作の映画)

3.8

 序盤のマイクラたのし〜ね状態からすごい遠くまで来たな...
 住環境を守るためにいよいよ地上の文明を一度に流し去る他ないと決断しつつある天上人。これと対等に話し合うため、決して使う気はないが、天上世
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映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い(2007年製作の映画)

3.4

 明らかに旧版より完成度が高いためにこそ、そもそもの物語の限界を感じる。もしかしたら、あらゆる要素に強い因果関係を持たせて(メデューサとかドラミとか)世界を閉じてしまったこと、完成度を上げたことが煮え>>続きを読む

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