ベランダさんの映画レビュー・感想・評価

ベランダ

ベランダ

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怪物(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

是枝監督も坂元裕二も自分の経験したことを昇華させた作品を作ればいいのに。

何が問題なのかまだ上手に整理できずにいるが、朧げながら。

当事者じゃない案件を想像力で作った作品であって、普遍的なもの(小
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ポエトリー アグネスの詩(うた)(2010年製作の映画)

4.7

家父長制の世に若い(特に十代の)女性はどうやって生き延びてきたのだろうか。

日記を遺して社会に投げかけた意図は揉み消され、無念にも永遠の絶望の中に封じ込まれようとしている被害者の存在に気づいた主人公
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さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

4.5

毒親っぽい両親は嘘つきだったが、嘘の中の真実のかけらでもいいんじゃない?最後の方の事件は、最初はショックだったけど、途中から笑えたし、大事な親離れの儀式だったような気がしました。突き放すという愛かも。>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

4.0

引きこもり青年が所有の概念を奪われて自由になったのわかる。最後の方で官僚みたいな人が侵略者=邪魔者=敵を奪われて「みんな仲間だよね」もよかった。どっちも、平和のために見直しが必要な概念だと思う。

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響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

3.9

そのまんまバーンッ!骨へし折る!パイプ椅子で殴る蹴る!…ええと、15歳の少女だから軽症?で済んでて猫が本気で襲ってきた感じですがそれも無意識の計算ずくでしょうかと思わせるかわいさでした⭐

響は、人の
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漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

4.2

なんかいっぱい詰め込んできたな〜。雑多だな、おもちゃ箱かよ。まいっか、お気に入りだし、面白いもの集まってるから。

そんな中でタイトルの肉子ちゃんだが、能天気で食いしん坊で情が厚くてお人好しでだまされ
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.8

永作博美といえば八日目の蝉の印象が思い出される。血のつながらない母子なので、その続編のような気持ちになった。

あの時の娘カオルとの関係も良い悪いと決めつけられない何かを含んでいたが、この映画もそう。
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怪しい彼女(2014年製作の映画)

4.7

とっさに出たオードリー・ヘップバーンをモジッた名前もかわいいっすね。似合う!

ローマの休日みたいにバイク二人乗りで去っていった婆ちゃんの姿もかわいくてキュンとしました。

青春写真館には私もお世話に
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椿の庭(2020年製作の映画)

4.4

場所は葉山。家族や関係者以外には非公開な豊かな営みと自然。

毎日手をかけ、場所とともに息をして、屋敷や庭と家族の思い出と連動して着物の着付けと所作と肉体と思考を作っていたんだなあと昭和の人の一体感を
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あん(2015年製作の映画)

4.2

手作り粒あんが非常に好きなこともあり、徳江さんが小豆を煮ている時の描写でにおいまで感じるようだった。

実家の母が行事のたびに小豆を煮て、ぼたもちや草餅、まんじゅうを蒸していたのを思い出す。小豆は私の
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Fukushima 50(2019年製作の映画)

4.3

東京の本社から、人間味のある発言がなかったことがショックだ。それは、当時にも伝わってきていたが、改めて映画で福島の現場に東京からの遠隔指示の再現をみて、この爆発的な怒りが現場のエネルギーにもなっただろ>>続きを読む

人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

4.2

テンポよく、カラフルで音楽も刺激的で、なんというか…楽しめました!

才能と優柔不断のなれのはて。太宰治が女になんか言われると思考停止で言いなりっぽいのがトラウマチック?

最期、太宰がやっぱ辞めとこ
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愚行録(2017年製作の映画)

4.4

だいぶ前に原作読んでまして、原作のほうが込み入った感じでしたけど、映画は映画でやっぱ情報量が多くて、殺された夫婦のキャストがピッタリ!なるほど〜と答え合わせしている気がしました。
 
お兄ちゃんとのひ
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夢売るふたり(2012年製作の映画)

3.9

阿部サダヲの演じている職人男のモテ炸裂!仕事マジメだし、(詐欺目的ではあるが)関わった女性を一緒にいる時間の範囲では常に幸せにしようと一生懸命だし、彼女(妻?)に従順だし、話うまいし、子どもや彼女の罪>>続きを読む

半世界(2018年製作の映画)

3.4

3人の男幼馴染がアラフォーになっても支え合えるって…長く続いている友達のいない私にとってはへええという感じ。夢の中のよう。

自分たち三人の関係を正三角形と何度か言っていたが、本当は二等辺三角形?それ
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小さいおうち(2013年製作の映画)

5.0

観終わったあとに、語られていないことをいろいろ想像するのが好き。なんともせつない秘密の話。タイタニックとか、この世界の片隅にとか、昔の戦争や事故の時に生身の人間のが体験したことが玉手箱を開けたように広>>続きを読む

MOTHER マザー(2020年製作の映画)

5.0

衝撃でふるえました。妖怪というか、宇宙人というか、野生の人間というか、あの母を演じたきった長澤まさみすごい。カッコよかった。…と書くのは常識的ではない気がしますが、今の素直な感想です。息子役の俳優の人>>続きを読む

誰も知らない(2004年製作の映画)

5.0

2004年に映画館で観たなあ。衝撃的でした。YOU演じる母に初めて息子が文句を言った喫茶店。その後、母の身勝手ながらも率直な意見を聞いているうちになにも言えなくなってしまう息子。…泣けました。(うろ覚>>続きを読む

母なる証明(2009年製作の映画)

5.0

5歳の時の無理心中未遂の時の記憶が戻った時と忘れちゃダメだよと犯行現場のあった鍼灸の針の箱を持ってきて母に差し出した時、この息子は(無意識でも)わざと知的障害をしているのかと思う。うむ、面白い。

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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

5.0

数年前に映画館で観た帰り道の感想と変化はないけど、気づいたことがある。この映画は観る人が観たいところをピックアップしやすいようになっている?どんなものでも観る人によって感想が違うのは当たり前だが、この>>続きを読む

小さき勇者たち 〜ガメラ〜(2006年製作の映画)

4.9

子どもたちの表情がよくてうるっとしました。お父さんもかっこよかった。ガメラのつぶらな瞳と正義の味方感、子どもとガメラの心の交流に感情移入。ガメラを利用する発想の大人たちを制して子どもたちが友情でガメラ>>続きを読む

ラブ&ピース(2015年製作の映画)

5.0

予告編見て釣られました。で、本編も好き!巨大カメが街を破壊するシーンでちょっとシン・ゴジラが頭に浮かんで!!お、長谷川博己こっちのもイイヨ💗真逆のような役なのに、どっちもすごいハマってて演技力すげー。>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.6

2016年、衝撃的な映画がたくさんあった年だったな…。(印象に残っているのは「シン・ゴジラ」、「君の名は。」、「聲の形」)中でダントツで胸に刺さったのはこの映画で、最初観た時、言葉が出てこないほど、胸>>続きを読む

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.8

上映後に監督のトークがあった。訛りの話になり、すずさん、テルさんの訛りのモデルになった女性たち、どちらも年配ですずさん、てるさんと同じ歳(生きてたら)くらいだという。そういう方たちが聞いても違和感のな>>続きを読む

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

4.3

面白かった。

ライバルの存在、仲間とのなれあい、親の死、既得権益の存在など共感することがたくさんあり、いいドラマだなあと思っていたら、最後のクレジットで実話がもとになっていると知ってびっくり!

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死びとの恋わずらい(2000年製作の映画)

-

痛そうなホラーは苦手であまり観ないのですが、ちらっと観てみたら大丈夫だった。妄想と心霊と恐怖のほどよいミックスで、メンタル崩壊は心霊を招くし、どっちもこわい。

キャストが若くて美しかった。謎が解かれ
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

3.1

銭湯で、薪を燃やす、番頭、掃除などひとりのおじさんがやっていたけど、20歳の居候女子が手伝うようになって華やいだな〜と思ったら、再開発でなくなっちゃう。

先代から継いで、53年続いてきた銭湯だそうだ
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アラジン(2019年製作の映画)

3.4

小学1年の学芸会でアリババと40人の盗賊をやった記憶があって、私は踊り子の1人だったと思う。ひらけーゴマ!と言う場面があったような、なかったような、おとぎ話にふさわしいセピア色の夢みたいな記憶。

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ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

4.5

監督の、夏帆の、果歩の、ウンギョンの、おばあちゃん役の彼女の小学生のころのノートを開いたらこんな話の種が見つかりそうな。

私の小学生時代もノートにもいろんなマンガを描いた。あの感覚、あの万能感は今ど
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天気の子(2019年製作の映画)

3.8

身近な風景がどんどん水没していくザワザワと嵐の日の子どもみたいなワクワク。主人公の女の子が不思議な力を使うたびに消耗し、しまいには人柱として犠牲になってしまうか…という瀬戸際で!

君の名は。では、お
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.7

バットマンを観ていないので、その辺の面白さはわからなかったが、おもしろかった。この映画を観終わったあとに、家でタクシードライバーを観たのだけど、そしたら、話が頭の中で混ざってしまった。戦争によるPTS>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

安藤サクラの演技に泣けた。

年金をもらい続けるために埋めるよな。そこは埋める。それぞれの背景も切ない。

寄り集まって、笑いあった期間限定のあの家族の時間が愛おしい。お互いの痛いところは踏み込まず、
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.4

なかなか面白かった!ビートルズを自分以外の数人しか知らないパラレル世界。え?こんな名曲なのに覚えてないの?と再現してみてもみんな何?その曲すごいね、こんなの初めて!って反応か〜!この設定おもしろい。>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

4.5

息詰めて観ました。どこまでが現実なの?

フィクション?それともマイケル・ムーアのドキュメンタリーみたいな?

あんな情報操作とか、脅しとか、もみ消し…こわいです。

最後、松坂桃李の口がなんて言った
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