vjcortaroさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

3.8

没入感のレベルが違う。完成度、といったら陳腐かな。日本だったら演劇の映画版になってしまうところをホドロフスキーは画角や技術に注意してればわかるが、純然たる映像作品にしている。ただこの人の作品はどうも血>>続きを読む

誰も知らない(2004年製作の映画)

4.7

映画を作る人によっては、『貧困とは』や『行政のあり方』など社会への問題提起を図るんだろうけど、是枝監督は『ただこういう生活をしている人がいます』と淡々と日常をみせる。この世界には悪者がいなくて、正義も>>続きを読む

震える舌(1980年製作の映画)

4.6

怖すぎて何度も目を逸らした。もう二度と観たくない。痛みで身体をよじらせ背骨が折れるなんてエクソシスト。破傷風の恐ろしさを描く一方で、病気の進行により乱れていく夫婦の錯乱状態が酷く怖い。刺激を減らすため>>続きを読む

コピーキャット(1995年製作の映画)

2.7

この映画の見所はなんといっても95年当時の最新電化製品。携帯、パソコン、電話、音楽再生機、全てが黒くてデカイ。インターネット黎明期の技術を駆使して犯人が警察を煽る際、当時のフォトショみたいの使って動画>>続きを読む

マシニスト(2004年製作の映画)

4.0

痩せすぎな風貌、灰色の風景、不気味な音楽、この不穏な空気に長時間あてられたくないから、映画館で観なくてよかった。壊れていく過程も、失っていく人間関係も、怖すぎて見続けるのが苦痛。あの有名な都市伝説にも>>続きを読む

ショート・ターム(2013年製作の映画)

5.0

観たのが今日で良かった。人に言えない何かを抱えて生きてて、もう無理だと自身で幕を閉じてしまう人もいて、それを踏み止めようともがく人もいて、その人も心に傷を抱えていて…。そんな多様な人たちのお話を、およ>>続きを読む

ザ・ギフト(2015年製作の映画)

4.1

途中まで『ファニーゲーム』的な不条理な話なのかなと鑑賞してたら徐々に怖くなり話が進むにつれ鑑賞視点が別のキャラクターに代わり最終的に気持ちよくなる不思議な体験。中高の思い出って一生引きずるからね。気を>>続きを読む

クラウン(2014年製作の映画)

3.5

ピエロ映画らしくキモくて怖くて良かったです。ロケ地も良くて、特に子供の洞窟みたいなやつ(名前わからなあ)で襲われるシーンは、密閉感とか透ける影とライトの使い方が良かった。スパイダーマンの監督らしく、車>>続きを読む

レザーフェイス―悪魔のいけにえ(2017年製作の映画)

3.3

やっぱね、ビギニング的な映画はね、いらないなぁと思うのです。純朴な優しい子供がいかにして殺人鬼になったか、とかスプラッタ映画でどうでもよくない?理由明らかにされたところで視聴者はどうすりゃいいの?社会>>続きを読む

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.6

20年ぶりに鑑賞。あまり覚えてなかったけど、当時そのエネルギーに圧倒されたのを覚えてる。前半の温泉のシーンとか全く記憶になかった。ほのぼのしてて笑っちゃった。やっぱりあの水面で独白するシーンと炎被るシ>>続きを読む

スケア・キャンペーン(2016年製作の映画)

3.6

『これはドッキリをテーマにした映画です』って宣言がある以上、観客はある程度分かって鑑賞すると思うけど、その想像を上回ってくるので楽しめました。胸糞映画でもあるので好きな人は好き。ただカメラは基本監視カ>>続きを読む

パージ:エクスペリメント(2018年製作の映画)

3.3

デザインやキャストの豊富さなど興行的に成功した後の派手さはあり、お祭り映画として成立しなくもないが、1のようなショッキングスリラー要素は薄い。エロやコメディも冗長。ホラーバイオレンスに絞って良かったの>>続きを読む

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

4.4

あー、笑った。面白かった。でっかいテディベアみたいなデイルが可愛かったし、ヒロインの女の子よかった。この映画の何が面白いって、殺人鬼に間違えられるための伏線。この「殺人鬼っぽさ」の演出は過去の殺人鬼映>>続きを読む

この子の七つのお祝に(1982年製作の映画)

3.1

当時の役者の台詞回しや所作が懐かしかった。82年はまだ僕生まれてないけど、90年代後半くらいまでこんな感じだったなぁ。コンクリートと鉄の塊な東京ももうないし。物語的にもこの手のものは火サスなどで観られ>>続きを読む

リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

5.0

料理が好きとか丁寧な暮らしをしたいっていう方には満点くらいな映画だけど、次の季節に備える過程に「生活記録」以上の思いが詰まってて、広くみんなに勧められる映画だなって思った。好きな男子に作るお弁当であっ>>続きを読む

リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

4.7

オープニングの延々と自転車を漕ぐ橋本愛のショットがとても丁寧で期待に胸を膨らませて観てたら想像以上だった。映画って現場の記録でもあるわけで、季節をとらえ風を聴き虫を集める本作は教科書みたいな作品で、た>>続きを読む

ゆれる人魚(2015年製作の映画)

3.5

まさかこんなにザ・ミュージカルだとは思わなかったけど、原作の設定を独特なファッションとビジュアルセンスで半ば強引に成立させる。ホラー要素は薄く、雰囲気的には『アメリ』に似たダウナーロマンティック。霧の>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

2.8

ノンケ男子(学生限定)が好きそうなノリの映画で、中盤のディレクターとの性的な交渉(文章にしづらい)の場面で昼ドラのような生々しさを垣間見れど、終始『男の子による仕事の美学と繁栄』をみさせられてるようで>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

4.7

女性の社会進出への恐れが男たちによる魔女狩りとなった、という台詞は映画にはないけれど、頭の片隅にいれながら観るとこの映画がいかに政治的なホラーであるかがわかる。オリジナルの公開年に舞台を移し、設定や登>>続きを読む

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

4.4

引っ越すたびにチャプターが変わるってみたことなくて新しかった。思えば住んでる場所で性格とか付き合う友達って若干変わったりするから目の付け所が鋭い。ずっと観たかった映画でつまらない用事で行けなかったけど>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.8

自身で自分の声に耳を傾ける暇もなく、居場所を探したこともなく、愛以前に大切にするという感情もわからない。その時その場で折り合いをつけつつ戦うしかなかった人生。お前は誰それだと他者から投げかけられるのに>>続きを読む

スキャナーズ(1981年製作の映画)

3.9

こういうテーマをシリアスに作ってることにまずゾワゾワする(褒めてる)。で、この映画が現代にも影響を与えてるのは理解できる。好きではないけど楽しく鑑賞できた。(まんまスペックじゃん。スペックってコレだっ>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.7

自分を探すなお前はここにいるだろって嘲笑われたところでどの横顔が貴方にとっての『本当の私』かなんて確証できることはない。誰かが私を私たらしめている気づきに怒りを覚え、私は誰かから逃げる。この叙情性は筆>>続きを読む

叫びとささやき(1972年製作の映画)

4.5

繰り返される真っ赤なイメージは死に行く身体をいまだ脈々と流れる血の色。生への渇望や胸に秘めた情、痛みを格式高い美術で語る話法。危篤の空気は知ってる。あの気持ちの悪い胸騒ぎが続く感じ。時の流れが変わった>>続きを読む

ホーンティング 呪われた血の娘(2008年製作の映画)

2.8

最初から最後まで火サス感が笑 お城とか灯台とか意味ありげで良かったんだけど、作り方がすごくチープだったな。俳優さんも見たことある人たちだったけど、これはいわいるテレビ映画だよなーっていう感じ、はっきり>>続きを読む

魂萌え!(2006年製作の映画)

4.6

風吹ジュンvs三田佳子ってだけでも面白いのに、闘うのはそれだけじゃない。女であり親であり友達でありただの通行人である彼女が種々の立場で多様な人とバトルロワイヤル。シニアの自分探しを時にウディアレンかよ>>続きを読む

蛇のひと(2010年製作の映画)

4.6

この作品なんで話題になってないの?って調べたらWOWOWなのか。しかもタイトルがパッとしなくて残念になるくらいとても良かった。失踪した上司を探していくうちにいままで知らなかった側面が見えてくる、ってい>>続きを読む

ワイルド・ストーム(2018年製作の映画)

3.6

よくある大作系パニック映画ではなく、メインストーリーはハリケーンに乗じた6億円強奪犯を追うこと。なかなかキャストも愛敬あって、見せ場もしっかりとしてて、楽しく観られました。

ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷(2018年製作の映画)

3.8

雰囲気がすごく好き。ゴーストが当たり前に隣に存在してる感じ。実在する有名なマンチェスターハウスがいかに作られたかを、歴史再現緻密に紐解いてく。ソウとは違いグロ描写や脅かしは控えめなしっとりホラー。でも>>続きを読む

NO EXIT/ノー・イグジット(2015年製作の映画)

3.7

『もしも!ドントブリーズの登場人物が全員アホだったらー』的な映画です。超絶軽めなホラーコメディなので寝る前にクスッと笑うにはちょうどいい。

キラー・メイズ(2017年製作の映画)

3.7

絶対ミシェルゴンドリー好きなスタッフが撮ってる。全部ダンボール製の迷宮に迷い込む軽快なタッチのホラーなんだけど、スプラッタシーンが紙吹雪とかカラーテープで表現されてて、どこかクスッとしてしまう。雰囲気>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

3.9

SFは哲学で語られるけど、さらにロマンティックでコーティングされたのが本作で、人間に産まれたことを照れながら自覚させられた。不思議な映画だった。