演ずるということ=「私」でありながら「私」でなくなること
自宅で上演される戯曲は、演ずることの二律背反を侵犯することで、上演に失敗する
登場人物と部屋の色がことごとく合っているのは、二つの世界の融解>>続きを読む
おもろい
映画という言語自体を問い続けた作家の一つの到達点になっている
オリジナル/コピーの問題を主題に、現実/虚構の境目を曖昧にしている
この映画が他の多くの戦争/平和映画と異なっているのは、戦争という「大きな物語」と一組の男女の恋愛という「小さな物語」を対比させながら、二四時間の情事の中で戦争の恐ろしさが事後的に蘇生させられる点にある
ヤバすぎる
2時間半の中でカットが30弱しかない徹底された長回しが、主人公の周りで社会が壊れゆく様をカフカ的とも言える閉塞感とともに見事に映し出している。
このレビューはネタバレを含みます
「羅生門」的な、語ることがはらむ限界と虚構性
現実の実生活になぞらえた小説(=虚構)を書く作家(大江健三郎のような)
ダニエルの最後の証言はおそらく嘘=創作(再現シーンで唯一声があてられていない、ダ>>続きを読む
懐中電灯を手放した少年は夏の闇に呑まれる
自己の存在理由が自己のうちにない3人が、同じように精神の主体性を外部に求める宗教的聖域へ赴くも、疎外感のために「願い」など何もないことに気がつく