少し前に手品の大道芸人(‼︎)とすきな映画について話す機会があった。わたしが古い映画もすき、チャップリンはいくつか見たし結構すき、と言うと、なぜこんなにチャップリンがもてはやされるか納得いかない、あん>>続きを読む
40代後半(推定)の美しいミセスがマイ・ベストとしてこの映画を教えてくれた。優しくて愉快な旦那さんと過ごすエロく穏やかな日々、そんな二人が結局分かり合えなかったという悲しい映画だけど、なぜこれが彼女の>>続きを読む
知人の猛プッシュ、さらにこの監督が他作品でサリンジャーのオマージュしてるのに気がついて見た。この作品にはサリンジャーみはあまり感じない、多弁なところにはある。
〈誰かを好き〉ということを言葉でこねくり>>続きを読む
これ初見は大学のAVルーム利用したときだったのすごく覚えてて、自分でお金払って大きなスクリーンで見てるだけでもう感慨深い。
最近千葉雅也を読んだのだけど、「真の秘密」とは個々人で抱えるものでなく近さに>>続きを読む
栗田科学の社員や山添君の元上司が少しはみ出たり欠けたりしてる(のを強調される)人たちで、はみ出る二人をそんな人たちで癒すのが本当によかった。泣けた。
ただ地方出の藤沢さんがあの状態でどうやって都内で自>>続きを読む
すっっっごい面白かった、第一部のちょっと長い登場人物紹介パートに集中できればあとはめちゃ最高、手のひらに神経通ってない紳士のシーンはやばすぎてうける
穴がないドーナツと資本主義経済の話。持たざるものが持てるものと同じ土台で勝負するには正攻法は捨ててリスクを負う必要がある、でもリスクは身を滅ぼす。いつだって一番弱いものが搾取される。
南北戦争より昔の>>続きを読む
フランス料理の調理の過程をワンカットでじっと見つめる。いろいろな動植物が人間の食べ物として皿に置かれるまでに、どう手を加えられていくのかを想像した。コンソメは透明なスープとして単純にいただくけど、その>>続きを読む
監督のインタビュー記事を読んで、この映画の草稿を当局に提出したときに(本当の脚本とかなり変えたにもかかわらず)赤が入ったことを知る。その入ったところをほぼ無視していることを考慮すると、この映画がかなり>>続きを読む
老いた女と移民の若い男がお互いをお互いの内側に招き入れて二人で生活を始めるまでの前半、でも一難去ってまた一難、というか「本当にこんなんでうまくいくのだろうか」というありとあらゆる不安を次々に焚きつけら>>続きを読む
これは原題( “in body”)のままのが正確にこの映画を想像できたと思う、調べてみるとバレエ用語に“corps de ballet”もある。
生の欲動をめちゃめちゃポジティブに撮るからハッピー満足>>続きを読む
すごくいい。必要以上にあれこれ語らないため「仲良し」だった二人が何によって損なわれていったのか考えさせる余韻がある。
わからないものをわからないまま抱えることの大切さについて村上春樹が語っていたが、そ>>続きを読む
映画館で見て、さっそく原作も買って読んだ。南極はほとんどおまけのようなもので、シアトルでいかにバーナデットが過去に揺さぶられているかという話。
バーナデットと娘のビーが車中でシンディ・ローパーの“Ti>>続きを読む
物質的豊かさが飽和状態の社会で、恋愛から精神的な幸福を求めるとどうなるかについて。
というか、そういう社会で孤独になれるかどうか、物理的な繋がりがなくても相手を信頼するのだと覚悟を決められるかどうかに>>続きを読む
気持ちよく見られる映画としてとてもいいと思った。これまでナプキンが何で作られるかとか何も考えず単にコットンのイメージしかなかったけど、実際はさまざまな技術が集約した化学繊維なんだと知る。オーガニックコ>>続きを読む
自然科学的な、細菌学的なきのこの話までは集中して見たが最後スピリチュアルきのこになってしまって興が削がれた、それほどまでに怪しいきのこには需要があるのだろうか?
これまで見た舞台芸術のなかでピカイチ面白かった……。オペラの強みはプロットだけでなく音楽と演技との複数の芸術要素を使って物語の奥行きを表現できること。
あと3世紀近く人々に愛されるものにある重みを感じ>>続きを読む
これはバービーというよりむしろケンの物語として見たかったかも。
序盤のバービーランドでケンが居心地悪そうに、悲しそうにしていて、マーゴット・バービーの加害性について結構丁寧に映していた。マイノリティへ>>続きを読む
『トゥーランドット』はイナバウアーの知識しかなく、そもそも舞台は古代中国らしいというところから知る。オペラだがバレエのようでもある動きの演出は太極拳をオマージュしていると振付師(だったか)がインタビュ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
丁寧に注意深く生きることについて考えた、物を食べて(排泄し)、よく眠り(よく動き)、誰かに信頼を寄せることについて。その営みを通して何かを損なった人が回復していくことについて。また、人間にしか扱えない>>続きを読む
泣いた……
なんとなく『十二人の怒れる男』を思い出していた。(特にひと昔前の物語なら)評決の話に男だけしか登場しなくても特別な舞台設定はいらないけど、女だけでやるには、しかもそれを極限までリアルに寄せ>>続きを読む
この監督の前二作品はわりと好きだったんだけど、これはあまりぴんとこず。愛する人の喪失は思いも寄らないときに起こること、さらに残された人間が背負う苦悩に対する解釈がさらに深まっていくのかと思いきや、ほか>>続きを読む
傑作パワハラ映画。映画会社の話だけど、こういう静かで致命的な圧力に摩耗することはいろんなところであるよね、と言いたげな普遍的な映し方がいい。そして彼女がどのように行動すればいいかわからず苦しんでいるの>>続きを読む
最近まで新教・旧教の争いの舞台だった、経済的に不安定なベルファストの小学校で「なぜ人を傷つけてはいけないか」「なぜやられてもやり返してはいけないか」みたいなことを哲学の切り口から考えさせたい校長。でも>>続きを読む
大人になった娘が昔父親と一緒に過ごしたバカンスのときのことを思い出し、当時の彼の心の傷を想像する話。
父娘関係でこんな若くて弱く、儚い父親像を描いて、それがここまでの完成度で評価もされる時代の空気のこ>>続きを読む
少し前の「kotoba」がカズオ・イシグロの特集を組んでいて、そこで彼が小説は映画と違って人の曖昧な記憶を表現する、あるいはそれをうまく利用して世界を切り取るのに長けているメディアなのだというようなこ>>続きを読む
いくつかの女性エンパワメント・ムービーを見てきたが、ここまで生々しく正面から生理(というか不正出血)を映しているのは初めての体験だった
ふたりで生理用品を付け合ったり「生理が来たら教えるね」ってつなが>>続きを読む
ぬいぐるみに話しかけることは結局は自分と深く対話することなのだと思っているのだが、ここではそのへんは大きく取り扱わず、あくまで物言わぬ他者に向かって、またいずれ誰かに打ち明けるための心の準備段階として>>続きを読む