Wakanaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Wakana

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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.5

いくつかの女性エンパワメント・ムービーを見てきたが、ここまで生々しく正面から生理(というか不正出血)を映しているのは初めての体験だった
ふたりで生理用品を付け合ったり「生理が来たら教えるね」ってつなが
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.3

ぬいぐるみに話しかけることは結局は自分と深く対話することなのだと思っているのだが、ここではそのへんは大きく取り扱わず、あくまで物言わぬ他者に向かって、またいずれ誰かに打ち明けるための心の準備段階として>>続きを読む

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2022/23 ロイヤル・オペラ 「セビリアの理髪師」(2023年製作の映画)

4.5

数年前まで「フィガロ…フィガロフィガロフィガロ…」と歌うオペラが『フィガロの結婚』だと信じていたがそれは『セビリアの理髪師』だと教わり、フィガロってそんなにメジャーな名前なのかと思っていたらまさか続き>>続きを読む

Keiko(1979年製作の映画)

4.0

自販機のキリンビールが1本50円、電話番号は7桁で会社の親睦会にボーリングへ行く1979年の京都にいた23歳恵子が本当は何から自由になりたかったのか、という話。孤独の苦しさからとか、社会や親のまなざし>>続きを読む

今さら言えない小さな秘密(2018年製作の映画)

3.2

欧州ほのぼのチャリンコ映画🚲アメリカとかだとあんまり想像できない、やはり自転車って大陸の文化ってかんじ
これ見てこれからの季節を鑑みて、ますますシュッとした自転車が欲しくなる……でも最近は乗り捨てのレ
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インディアナ州モンロヴィア(2018年製作の映画)

4.5

人口2000人弱(黒人はほとんど映らなかった)の小さな町の“baby shower” から”funeral sermons” まで。すごくいい。
小さなメイン・ストリートには地域のパンとピザを焼き配達
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.0

何かが欠落した男が激烈な脂肪を蓄えた巨大な悪を殺したいと憎むことのほかに主人公とモビー・ディック(あるいはエイハブ)とのつながりが理解しきれなかった(し、原作は挫折したきりだ)が、主演は272キロの人>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.9

立川の極音で見た シナリオというかジャズが最高にアツかった

いのちの食べかた(2005年製作の映画)

4.0

学部生のころ旧約聖書読む授業で「屠る」という動詞に触れ〈屠殺〉について考えたときがおそらく初めて第一次産業について考えたときだったかもしらん
やはりもうひとつ身近な果物や穀物などの栽培・収穫より家畜の
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.0

アメリカ人で読書家なのにサリンジャーを読んだことがない? そんなことある?

小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.4

清貧に暮らし慎ましく生きる姿に感動はする。中国の内陸の広大で静かな土地が持つ美しさのおかげもあり集中して見ていられた。
ただ彼らは望んでそのような物言わぬ農民として生きているわけではなく、しかし上から
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お早よう(1959年製作の映画)

4.2

肝心なことを言えない大人たちが「おはよう」「こんにちは」「いい天気ですね」と逃げるのだけど、お互いに言い出せる空気を探り合って建前合戦しているのが最高
どうやったらこんなユーモアを形にできるのか

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.3

映画と映画館に対する愛はよく伝わって『ニュー・シネマ・パラダイス』を見たときのようなエモーショナルな気持ちになった。知らない映画もあったからチェックした。
でも統合失調症とか人種差別とか階級格差のよう
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

プレミア上映会にて。
ダルデンヌ監督の作品が好きでいくつか見たが、今作ではこれまで気になった〈人の罪意識〉や〈愛の渇望〉については特に強調されず、姉のロキタがひたすら搾取されて救いのない映画だった。と
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

4.5

前作は子どもの視点で人生の理不尽さを粛々と受け止めることについての話だったが、今作は悲惨な現実(実際の大地震や被災者と虚構の物語が複雑に入り組んだ現実)から一歩離れて、流れに身を任せる人間の強かさを描>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

原作はバスケの漫画くらいしか知識なく見て、与えられたストーリーを素直に受け取りめちゃくちゃ楽しめたが、実は原作では山王戦は負けたということを後で上司に聞いて知った。

RRR(2022年製作の映画)

4.3

最高に面白かったのはインドの「イエス」のジェスチャーを逆手に取ったギャグと、マダムサーブの長すぎる名前。後半はアツい。椅子に座って鑑賞してただけなのに、なんならポップコーンも食べたけど絶対それ以上にカ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

ろう者の生活の一部を想像させる。
自分と違うけど同じ、同じだけど違う、そのような差異にすり減りながら日々たくましく生きている——とはいえこの映画では、健常者も程度の差はあるけれど他者との目に見えない摩
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女っ気なし(2011年製作の映画)

-

ヴァンサン・マケーニュは冴えない人なのかと思って検索したけどふつうにイケおじで俳優の凄まじさを知る。

遭難者(2009年製作の映画)

4.0

男同士の連帯が垣間見えるが一夜にして破綻する話。ヴァンサン・マケーニュの冴えない男っぷり、ものすごくて、シルヴァンのチェックシャツやベッドルームから漂っているだろう生乾きの男くささまで表現できている。>>続きを読む

ひつじのショーン スペシャル クリスマスがやってきた!(2021年製作の映画)

3.5

毛刈り後のひつじは寒かろうとウールセーター着せてあげるところ、きっと生活や文化にひつじが根づいているから表現できるユーモアだよなあ。
あとツリーの飾り付け方。そっちを回すのか。

その手に触れるまで(2019年製作の映画)

3.5

原理主義思想の洗脳を受けた男の子が矯正施設に入り自分を見つめ直す話。ダルデンヌは短いの多くてさくっと見れる。
このような物語を見ると、世の中の苦しみや悲しみなどのままならなさを〈誰か〉の仕業として罪を
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みかんの丘(2013年製作の映画)

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中学の修学旅行、成田空港の帰国審査、みんなでぺちゃくちゃ話しながら列についたら、おしゃべりしていた隣のクラスで同じ班になった女の子が「わたしこっちなんだ」と緑色のパスポートを見せて、一人で入国審査レー>>続きを読む

彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)

3.5

ハラールは知っていたけれど、コーシャーのことは知らなかった。

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.3

AIがテーマの作品を見ると逆説的に人道について考える。人はどんなことで心を動かされるのか。どんなときに心の動きを感じることができるのか。ヤンはAIだから心はないけど、だからこそ心みたいなものを解釈した>>続きを読む

夜の大捜査線(1967年製作の映画)

4.0

シドニー・ポワチエ……知的で優等生役がよく似合う。
主題の殺人犯探しも、合間に挟まれる人種差別の問題提起もいい按配でとても面白い。こういう昔の大作に甘く評価しちゃうのは時間の試練に耐えたものにある洗練
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暴力をめぐる対話(2020年製作の映画)

4.0

BLMもそうだけど、警察(や権力側)の暴力が問題になるのは、彼らの一部は絶対的善であるという社会のコンセンサスに胡座をかいて、その正当性について思考停止しているからだ。
治安維持にある種の権力的暴力が
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.8

ネリーは自分が愛されている、守られているという実感があるが〈寂しい〉〈悲しい〉〈悔いている〉という感情も持て余していて、どこかずっと影がある。
しかしそれはママもパパも(自分と同じ年頃から)抱えている
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第十七捕虜収容所(1953年製作の映画)

3.8

どうでもいいことだけど、メーラーの男が群衆の傾聴を促す場面(いわゆる「静粛に!」と言う場面)、何回聞いても “Annie, nanny” としか聞き取れずウェブサイトでスクリプト調べてみたらまさかの >>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.3

こういうフェミニズムがキャッチーに作られて売れるのはいいなと思う。面白かったし。
けどキャシーがなんやかや言いながら問題の同窓の男性に言い寄られ心を開きかける過程が浅すぎて、(そのへんがこの映画がポッ
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