Wakanaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

Wakana

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ダーク・ブラッド(2012年製作の映画)

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リヴァー・フェニックスの急逝で未完になった彼の遺作。それを三本脚の椅子にたとえた冒頭の監督のコメントにぐっと心を掴まれた。
かなりタフなことをしていて、二回土地を奪われたアメリカ原住民と白人との切って
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東京裁判(1983年製作の映画)

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東京裁判に至るまで、日本が何をしたか/されたか、世界が何をしたか/されたかを新聞記事やニュース映像を用いて記録したドキュメンタリー。
東京裁判のドキュメンタリーだから冒頭陳述とか被告人の反証の場面をた
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ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)

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社会の暴力に傷つき涙するのはいつも普通の優しい人間。

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.5

教養として、と思って見始めたがこれがなかなか引き込まれた。
歴史の流れを知るという利点もさることながら、あくまでも昭和天皇を映さない(映せない)姿勢に当時の重みを感じることもできる。とはいえ、理想のた
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コロンバス(2017年製作の映画)

4.9

建築の数学的な美しさと計算しつくした構図が響き合っていて実に素晴らしかった。夏なのにぼんやりうす暗いコロンバスもどこか詩的。そういえば欧米では夏は別れの季節だ、日本にいるとつい忘れがちだけど。
建築に
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男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976年製作の映画)

3.7

『夕焼け小焼け』のほうがすき。人が後悔のなか生きることについて。
寅さんの人情ってわかるようでわからないけど、たしかに、ささやかな日銭を稼いでひっそりと暮らす人たちへの温かさがある。

男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年製作の映画)

3.5

寅さんははじめてだったけどとても楽しんで見た。
ただ有名らしい「メロン騒動」がどうも乗れない。そんでこれが名場面になる寅さんはいったい何を表しているのかしら、と不思議に思った。なんだか健気にメロンを譲
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.7

けっこうすき。学生みたいなことしてるアラサーの重さがヒリヒリ響いた。
どうでもいいけど、原作(未読)は80年代の東京郊外なのにへえ函館にするんだ?、と意外だった。でもアパートメントでセックスしたあとめ
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

4.5

愛する人を失った孤独を抱える男女の話。
あなたがいなくて寂しい、変わってしまったことが悲しい、でも少しずつ笑えるようになってきた——というように、三つの街を経るごとに移ろう二人がとてもよかった。
夏目
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茄子 アンダルシアの夏(2003年製作の映画)

3.5

いつか人に勧められて。
これ見ててようやくロードレースもなかなかおもしろいことに気づく。数年前はよくわからず好きだという人に首をかしげていた。当然っちゃ当然だけど、ちゃんとセオリーとかあるんだね。
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.3

もう何度も映像化された古典をさらに映像化するとなると、ある程度新しさが必要なんだろうから、原作の知名度に頼りまくって冒険しすぎた構成はまあ致し方なし。若くイケメンで小綺麗(に見えるよう)なベア教授とい>>続きを読む

落第はしたけれど(1930年製作の映画)

4.0

めっちゃおもしろい。
『大学は出たけれど』で大卒の求職者が会社のおっさんに軽くあしらわれて憤っていたけれど、じゃあその大学生活はどうだったか? 大学生のろくでもないトンチキなところをギャグセン強めに
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大学は出たけれど(1929年製作の映画)

3.8

大学を卒業しても就職が決まらない男の子に「サンデー毎日」を読ませるユーモアのセンスはいったい1929年の日本のどこにいれば身につけられるというのか。

13th 憲法修正第13条(2016年製作の映画)

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憲法修正第13条にはじまりジム・クロウ法やブラウン判決、エメット・ティルやアンジェラ・デイヴィス、『國民の創生』に『フレデリック・ダグラス自伝』など、100分で駆け足だけどアメリカの人種差別の問題につ>>続きを読む

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

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けっこう前に見たときは何かを考えていたはずなのに、ミネソタが大変なことになってきて、いまは何を考えていたか思い出せない。

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

3.8

罪悪感とどう向き合うかについて。『サンドラの休日』ではむしろ罪悪感を抱える瞬間を切り取っていた。
自分があの人を見殺しにしてしまったかもしれないという気持ちに取り憑かれたらあまりに重くて耐えられそうに
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スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

3.2

スターリンの死によって死刑執行が中止したとき、左隣は撃たれたのに自分から右は免れたみたいな生き残りかたを経験しちゃうと今後の人生がガラッと変わっちゃうんだろうなって思った。ドストエフスキーもそんな感じ>>続きを読む

マイPSパートナー(2012年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

『卒業』かと思ったらピンクのレースパンツオチ。

チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)

2.0

女の子エンパワメントを狙ったのはいいけど、そのゴールを男性との断絶にしちゃうから眉間に寄った皺を整えるのが大変だった。まだ跡残ってるかも。「フェミニズム」(あくまでもカギ括弧つき)を利用してこういう分>>続きを読む

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

3.8

この映画を見ていて急に、あの人はこの映画を知っているのかと思った、相模原で恐ろしいことをしたその彼はいまは控訴を取り下げてもう死刑囚らしいから。
無理やり枠にはめることは時にすごく苦しいことを知ってい
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ファイティン!(2018年製作の映画)

3.0

強くてかわいいマ・ドンソクオッパがアイゴーな映画。

ジミー・ヤンにつづいて、最近ちょっと気になるアジア系俳優。

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.4

遠藤周作を読むと、たしかに「どうして人生はこんなに苦しまねばならないのか」という彼の問題意識を読み取れるけれど、その苦しさを形作るうえで日本人の強烈な同調圧力とムラ社会も避けがたく描いている。スコセッ>>続きを読む

魂のゆくえ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

良心の呵責に苦しむ人の話。“first reformed”とはどの地点を指すのかがいちばん気になる。

アマンダ演じるメアリの部屋にあるランプがどうもエクルバーグ博士の目を彷彿とさせて、あそこで何かを
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陽のあたる場所(1951年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

ジョージが最後に房を出るとき、他の囚人たちが“So long”と声をかけていた。そういうのってわかるものなのかしら。
ーーと思ったけど、実際は死刑執行のさいに刑務所全体の明かりがふと暗くなって、ああい
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ゴジラ(1954年製作の映画)

3.4

人種差別を背景にしているアメリカのキング・コング、こちらの場合は原爆の暗い過去。
原爆によって棲みかを奪われたために現れたゴジラは、きっと私たちと同じ悲しみを共有しているはずだ、という視点が気になる。
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キング・コング(1933年製作の映画)

3.2

学部生のとき「モルグ街の殺人」を読む回で『キング・コング』のことを教わった。アメリカにとってのモンスター、というか恐怖はよそからやってくるとかそういうことだったはず(ノートがすぐ手元にない)。自ら連れ>>続きを読む

KISS KISS KISS(1964年製作の映画)

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やしろ本部長の配信トークライブ(笑いすぎてお腹がよじれた)で、彼が昔脚本・演出を担当した舞台のことを話していて(もう最高だった)、すごく面白そうでちょっと調べてみたらまさか横尾忠則のアニメーションが見>>続きを読む

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

2.8

タイムトラベルもの。あれもこれもやり直ししまくった人に一日のありがたみについて語られてもなあ。なんかあんまり響かなかった。こういう穏やかな人生賛歌にあれこれぶつぶついうのはちがうのかもしれないけど。>>続きを読む

エクスプロラーズ(1985年製作の映画)

2.7

イーサン・ホークとリヴァー・フェニックスって共演してたんだ。
これを見たあと『ビフォア三部作』を見直した(好きすぎてクライテリオン・コレクションで買った) 。9年ごと年を重ねていくイーサンと永遠に若い
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パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.3

恋愛はタイミングだし、知らないほうがうまくいくこともある、それが幸せな恋愛かどうかはまた別の問題だけど(幸せな恋愛とはなにか、ということもまた別の問題だけど)。

なぜこんな恋愛を撮れるのか……。

美しき結婚(1981年製作の映画)

3.9

『緑の光線』的しんどさ。結婚がすべての解決策に見えるのがしんどいね。

ダンスパーティとクレジットでかかっていた曲の名前が気になって、後日YouTubeをつかってShazamしたけどまだわからないまま
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

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いかんせんスプラッタは苦手で、じつは肝心なところで目を細めていた。

家族を想うとき(2019年製作の映画)

3.8

これまたとても悲しい人たちの話。
いつだったか、「愛情と健康があればカネがなくても人は生きていけるんだから」と教えてくれた人がいた。わたしだって「お金なんかそんなになくたって」と言いたいけれど、〈ほん
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