candyyyさんの映画レビュー・感想・評価

candyyy

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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.3

漠然とした老いへの恐怖が可視化されたような作品。
昔は楽しかったはずの遊園地が今や地獄と化している現実が受け入れられないのか、希望を捨てきれずまた外へと繰り出す主人公の姿に胸が痛くなる。
この作品を観
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.3

再鑑賞、再レビュー。

作品内に散りばめられたちょっとした違和感を繋げていった先に待っている衝撃の事実。
ラストに向かっていくにつれ物語の謎だけでなく、前半に張られた細々した伏線たちも一緒に回収されて
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メランコリア(2011年製作の映画)

3.8

登場人物の心情を表したり臨場感を出すためにPOVみたいにカメラが揺れるのだが、三半規管よわよわ人間にとっては地獄みたいなカメラワークで何度も途中リタイアした。

鬱中に結婚式の披露宴なんて出来たもんじ
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狂った一頁(1926年製作の映画)

4.6

100年前にこの完成度の実験映像がモノクロ且つサイレントで制作されていたとは感慨無量だ。
テンポ感やカメラの構図、カット割を駆使してこの映画全体の不穏な空気を常に一定に保っているのが素晴らしいし、精神
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

4.4

ポリコレ配慮にうるさい今の時代は障がい者たちが苦労者で可哀想な存在として扱われているけど、むしろこの映画では彼らがいきいきと生活する様子が描かれていて胸を打たれた。
彼らも人間だから普通に恋をして、笑
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夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく(2023年製作の映画)

3.7

瑠姫目当てで鑑賞。
ラブロマンスに振り切らずソウルメイトとしての2人の関係性を描いていたので内容と展開はベタだが見応えはあった。
学校でのクラスメイトとのシーンでは学生特有のグロさが出ていて良かった。
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ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

4.0

通常版に比べクリスチャンのクズさがより一層際立っていたのと、コニーの死因に繋がっていた儀式を観ることができて良かった。
印象的な画が多く、ついまた観たくなってしまう中毒性がある作品。
ウィッカーマンや
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ナイト・ハウス(2020年製作の映画)

3.5

解釈も多様にできて考察のしがいのある作品。
全体を通して全てベスが精神崩壊して見た幻覚だったのか、単なる悪魔系のホラーなのか明らかにされていないのが面白い。
トリックアートのような視覚効果で怪異を表現
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ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.5

ホンテオタクとしては大歓喜の内容だったけどストーリーはいまいちだった。
海外の作品だから当たり前なんだけどTDLにはいないハットボックスゴーストが出てきてくれて嬉しかった。
ゴーストたちもう少し顔出し
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.3

真っ赤なグロスを塗りたくった唇のドアップから始まる衝撃的なオープニングやドラァグクイーンのように妖艶に歌い踊るフルターが本当に魅力的。
内容や展開はマジで意味不明だから脳死で観たけど、画が強すぎて鑑賞
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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

3.7

再鑑賞、再レビュー。

それぞれの異能がとても興味深く、キャラクターのビジュアルから映画自体のダークファンタジー的な雰囲気まで本当に全部が最高。
敵が弱すぎて笑っちゃうけど異能を活用した戦い方も見物だ
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サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

3.6

サスペリア同様Goblinの音楽が最高。
人形や絵などの不気味な小道具や影の使い方、カメラの画角、カット割りが印象的で、中でもクローゼットから除く目、壁画が現れるシーンなどをワンカットにすることで怪異
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

3.9

キムが街の人の誤解を解かなかったのは表面上はもてはやされているように見えても実際はタダ働きさせられこき使われていたエドワードを想ってのことだったのかな。
慈悲でエドワードを保護したお母さんもエドワード
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さくらん(2007年製作の映画)

3.1

椎名林檎の曲風と蜷川実花の映像は調和が取れているため世界観に没入しやすかったが、相変わらず無駄なシーンが多くテンポが悪いため映像作品として面白いかと聞かれればもちろんNO。
どうすれば毎度ここまで人を
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

3.3

再鑑賞、再レビュー。

太宰の官能的且つ退廃的な美しさを全面に押し出した作品。
実際のエピソードや人間像などはお構い無しで蜷川実花が描きたかった太宰治が画面の中で息をしているのだなという印象。
常に希
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Diner ダイナー(2019年製作の映画)

3.1

再鑑賞、再レビュー。

良くも悪くも豪華キャストの無駄遣い。
この濃いストーリーを2時間で描き切るのは不可能故に内容が物足りなく感じる。
それぞれのキャラクターの心理描写がイマイチで急な心変わりに観手
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ヘルタースケルター(2012年製作の映画)

3.0

沢尻エリカが適役すぎて彼女の秀逸な演技力が引き立っていたのと窪塚洋介と綾野剛がエロいってだけでストーリー自体は淡白。
全体的にテンポが悪いし無駄なシーンが多い。
そしてオチもメッセージも弱い。
映像美
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セブン(1995年製作の映画)

3.7

再鑑賞、再レビュー。

まず序盤の顔を映さず手元や小物だけでジョンドゥの気味悪さを引き出しているOPの秀逸さに感嘆。
罪を犯した者たちへの制裁方法もそれぞれ興味深く、ラストの展開には本当に度肝を抜かれ
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そして誰もいなくなった(1945年製作の映画)

2.8

あの小説をどうやって映像化するのだろうという興味本位から観賞。
結論から言うと原作へのリスペクトが微塵も感じられないひどい映画だった。
原作では登場人物のバックストーリーや心理描写などを緻密に描くこと
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隣の家の少女(2007年製作の映画)

3.5

原作を読んでからずっと観たいと思っていた作品。
読後に感じた絶望と虚しさが映像を通して視覚化されたことで、より一層ルースの鬼畜具合や子供たちの残虐さ、見ているだけで何も出来ないデイヴィッドの無力さに深
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マシニスト(2004年製作の映画)

3.2

テンポ感があまり好みじゃなかったから観終わるまでかなり時間かかった。
あとアイバンの大きい歯と話し方が不気味で生理的に受け付けなかった。ごめんなさい。
ポスターのビジュアルから色々と期待しすぎてしまっ
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.3

クロエが頭脳明晰過ぎて淡々と魔の手を掻い潜っていくから現実味無くて入り込めなかった。
特別度肝抜かれるような構成とラストでも無かったし期待し過ぎたかな。
私もワイングラス片手に優雅に家庭菜園したい。

ヴィジット(2015年製作の映画)

3.4

再鑑賞、再レビュー。
初見はラストの展開に肝を冷やしたが、今回全てを知っている上で鑑賞したらここまで人間を狂わせる病って恐ろしいなとしか思えなかった。
老いて汚物にまみれながら理性を失って生きたくない
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マローボーン家の掟(2017年製作の映画)

4.0

タイトルや前半にホラー要素を醸し出して散りばめられた伏線が後半にまさかの形で回収されるという構成力にただただ脱帽。
虚構に救われながらも苛まれるジャックの虚しさに泣けた。
父親のサイコ具合と生命力が現
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.8

全編を通して実話に基づいているからこそミッドサマーより質感が生々しくグロテスクに感じた。
カルト宗教本来の気味悪さだけでなく村人の奇怪な挙動や言動を始め、この作品の象徴であるウィッカーマンの造形など、
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

3.6

サイコキャラの代名詞レクター博士、どんなに用心していても知らぬ間に彼に取り込まれてしまいそうな不穏なオーラを放つ佇まいから全てを見透かすような目、人を引き付ける巧みな話し方まで何もかもが恐ろしかった。>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.5

誰しもが抱えている孤独が日常生活に上手く染み出されていることで煌びやかで輝かしいNYの街並みがとても寂しく見えた。
街も人も表面だけ取り繕っているだけで蓋を開けてしまえば皆孤独。
そしてそれを隠しなが
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.9

幻想的で美しい隕石が1つの村を破壊し死者を出すという皮肉や、世界中の人々が呑気に空を見上げる中、泥だらけになって必死に村の人を救おうと奮闘する三葉たちの対比が素晴らしい。
そして三葉の手に書かれた瀧か
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.8

本来安心して子供を預けられる場所である学校で娘が命を奪われてしまうという絶望。
“If Anything Happens I Love You“を“愛してるって言っておくね”と訳すセンスが素晴らしい。
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プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

4.0

プーを始めとする動物たちの純粋でストレートな疑問やセリフがもう子供の頃には戻れないと知っている私の胸に刺さりまくりだった。
“何もしない”をすることも大切だけど“何もしない”を一緒にできる存在がいるこ
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ターミナル(2004年製作の映画)

3.8

心優しい人が損をする描写が苦手だから序盤は本当に胸が痛かったけど次第にその優しさで周りを巻き込んで良い方向に進んでいったから良かった。
ただ現実は残酷で、優しい人が報われることはなかなか無いためどうし
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スーサイド・ショップ(2012年製作の映画)

3.3

アダムスファミリーを彷彿とさせるブラックコメディミュージカル。
人生を失敗したなら死を成功させよう!ってキャッチフレーズ最高。
自殺が蔓延した退廃的な社会に死を売り不幸に美しさを見出す主人公一家の価値
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ウィッチ(2015年製作の映画)

3.5

再鑑賞、再レビュー。

作品内における宗教的時代背景やキリスト教の教え、聖書の内容をある程度知っておかないとこの作品を本当の意味で理解するのは難しいのではないかと思う。
敬虔なクリスチャンであるウィリ
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エレファント(2003年製作の映画)

3.8

長回しのワンカットシーンを始めとする映像表現技法や生徒たちの会話シーンがアドリブであるなど、監督の映像で“日常”を描く手法に圧倒された。
また、彼らが事件を起こした動機が作品内で語られないのは、あの場
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少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)

4.3

望まない妊娠をしたせいでお腹の子を愛せていなかった母親と、例え望んでいなくとも子供を授かったことを喜んでいた父親。
子供はまるでその愛情の差をお腹の中で感じ取っていたかのように、産まれた瞬間から母親の
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