妻が写した寝台上の目覚めの姿、別荘で子ども達と遊ぶ父親としての姿、演じる役を降りたときの貴重な姿がそこには確かにあった。
不透明な点もあるけれど、こうしてこの俳優の実像を少しでも知れたことが嬉しい。
機械仕掛けのお人形は踊って踊って、娼婦と魂売りは貴方を狙い、そして私は喝采を求めて歌う。
ナレーションから始まる冒頭、画面と台詞の美しさ、主人公の側にいる情のある人達。今はもうないけれど、確かにそこには存在した。
美しい若い男女の悲恋にフォーカスを当てるだけでなく、彼らを取り巻く身内や友にも光と影があったからこそ。