たまごさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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少女バーディ ~大人への階段~(2022年製作の映画)

3.9

レナダナム×児童文学。絶対面白いやつ。

地獄のような中世、真っ直ぐな強さとユーモアでサバイブする。誰もが受け入れている常識に異議申し立てをする勇気、これは何世紀が舞台でも通用するテーマ。

ベラ・ラ
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マリー・ミー(2022年製作の映画)

3.7

ラブコメに年は関係ない!見せつけられました…。

娘役がガンパウダー・ミルクシェイクの子で、可愛いので反則

アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

3.9

凄く斬新で大胆な試みだと思った。

学校、橋、劇場、至る所にアンネの名前を冠した街で、現在も起きている難民排斥。

日記そのものが保存される価値よりも、本当に後世へ継承されるべき遺産は、差別や迫害を繰
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2つの人生が教えてくれること(2022年製作の映画)

4.0

「もしも」は選べない。変えられるのは、その先の結果だけ。ごくごく当たり前の事だけど、私達はifの世界で立ち止まってしまう。

この瞬間から行動しなきゃ!と奮い立たせてくれるポジティブムービー。どんな回
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.7

予算よりもアイデア、雰囲気よりも勢い!こんな映画待ってた。
90分間息付く暇もない、絶妙な没入感。

グレアムさんの「困った顔」が全て。
いっぱいいっぱいなだけなのか、ただのポンコツなのか!?と思いな
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.8

産まない選択をした。仕事は人の子供の面倒を見ること。それは矛盾していない。
でも、やはり子供は欲しい。それも矛盾していない。
これがプロチョイスなんだと思った。今この映画を観て、権利の重要性を噛み締め
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.8

癖が強い。
要素が渋滞してて、初見だと付いて行くのがやっとだった。パンフは買った方がいい。
キャラクターのほぼ全員に元ネタがあり、虚実入り混じっているが、当時の業界の面白さは異常だと思う。

PTAの
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1640日の家族(2021年製作の映画)

4.0

分かってはいるけど…やはり泣けた。
シモンにとっては、非常に幸せな時間を里親の下で過ごすことができたと思う。それは間違いない。ただ、里親制度におけるゴールとは少し違ってしまう。制度の根本的な難しさ。
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ガールフッド(2014年製作の映画)

4.3

どこへ行っても付きまとう男達の暴力性。
とどまるべき居場所なんて無い。

もう嫌になってしまいそうだけど、ラストシーンの表情は、それまでの経緯を吹き飛ばすほど力強い。
「燃ゆる」は視線の映画だったが、
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

4.4

難民が押し返されても、北朝鮮がミサイルを発射しても、ひたすら繰り返される「わたし」と叔父の時間。

簡単に言ってしまえば「共依存」の話。必ずしも悪い意味ではなく。

一般的な価値観では、夢を追ったり、
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レア・セドゥのいつわり(2021年製作の映画)

3.5

フィリップ・ロスだけど、仏映画じゃないと成り立たない内容。
無責任な行動ばかりでも「作品」だと言ってしまえる良い仕事ですね。って言ったら大抵の作家に怒られそうだけど。

シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~(2019年製作の映画)

3.6

「戦争と結婚した」妻たちが主役

着信音一つで、最悪の知らせが届くかもしれない。無事に帰還するその日まで、緊張から逃れられない。戦争の裏にはその兵士の数だけ、基地内の見えない戦いがある。

これも立派
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説得(2022年製作の映画)

3.4

フリーバッグとオースティンの夢のコラボ…?

スーヴェニア 私たちが愛した時間/ザ・スーベニア 魅せられて(2019年製作の映画)

3.3

劇中で質されてる通り、自分に近いストーリーを撮るのが映画の基本か。
それこそ、倫理的政治的メッセージは無く、徹底的にパーソナルに作品。
この世界にいきなり放り込まれると、全然共感できない、というかさせ
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オーナーズ(2019年製作の映画)

3.6

大国に翻弄される小国の脆さ、共産時代へのノスタルジー。見事にヨーロッパの危うさを笑いに変えてる。

民主主義、合意形成の難しさについて、万国共通で刺さるものがあると思う。

秘密のふたり(2021年製作の映画)

3.7

"秘密のふたり"には、ドキドキする響きの場合もあるが、
この場合の"秘密"は、ホモフォビア満載な環境がそうさせたものであって苦しい。
ハッピーエンドと言っていいのか分からない。

たまたま『ガールフッ
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.4

とってもスタイリッシュ

「今」を凝縮した物語なのに白黒。人種的に雑多でカオスな13区をフラットにしている、気がする。
繋がり方が不器用な大人達。

ぼくたちのチーム(2016年製作の映画)

3.8

主役の子、この後Dating Amberのエディになるの熱いね。

安直な結末に行かない所が、まさに枠に当てはめないのが○。
アウディングはダメゼッタイだけど。

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.8

キャリアもプライベートも、どう生きようと満足できない時代になってしまったのか。
結婚や出産といった固定観念の縛りが弱まって久しいが、価値観がバラバラで拠り所がないということでもある。

知性も才能もあ
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私はヴァレンティナ(2020年製作の映画)

4.5

一貫して母親や友人が味方であること、これだけでも十分希望がある。

それぞれがマイノリティである友人との交流には瑞々しさを感じる一方、マイノリティ間の性差にも意識的。
「キスをしたことがない」この事実
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心と体と(2017年製作の映画)

4.7

マーリアが普遍的な人間らしさとか、「生」を手にする物語だと思った。何かと生から遠ざかっている男女。二人が出会うのは、動物の生を奪う屠殺場。

雄鹿と雌鹿の夢で観たのは、動物的な欲望でもあるけれど、もっ
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.6

サリンジャーは殆ど映さない(隠居してたんだから、これが大正解だろう)が、しっかりMy Sallinger Yearしてたわ。

サリンジャー直々の激励で作家人生始まっちゃうとか、贅沢すぎやしませんか…
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

3.7

1つの民族を愛したことはない、と断言できるのは凄い勇気だ。

ユダヤ人ならばアイヒマンを批判して当然。同胞を批判するなんて有り得ない。
この発想こそが思考停止そのもの。

考え抜くことでしか、答えは出
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ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

3.7

魔法の素材なんて無いのよね…。

被害者は、牛から住民、そして人類の大半へ。世界規模の公害の一つと言っていいだろう。
化学の知識も乏しい普通の弁護士が、それを一から暴いたとは。
デュポンが町の隅々まで
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アレクシ(2018年製作の映画)

-

クレイジーなヒロインのキャラが立ちまくっいて、コメディとしては結構面白い。

仕事も恋も盛りだと一般的には思われている年頃。いくつもの刹那的な関係から自分を見つめ直す…と言えるほど、しっかりした筋書き
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.7

原作未読ですが、行間で見せる文学的な作品。やはりと言うべきか、オリヴィア・コールマンが台詞少なめながら全て持ってった。

常に、誰かの不在が手に取れるように漂っているが、喪失との向き合い方は、それぞれ
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イカした人生/Madly in Life(2020年製作の映画)

3.6

介護をしながら、パートナーとの関係や子どもの事など、自分の生活を続けていくことは凄く凄く難しい。大切な人達に順位は付けられない。変わっていく母親に戸惑い、怒りをぶつけながらも、それだけを考えているわけ>>続きを読む

底知れぬ愛の闇(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

これきっかけでハイスミスを初めて読んだ。
表情がないヴィクという男のヤバさをベンアフが好演。

嫉妬を表現しないことで周囲に心配されるほど。そのおかげで、ドンを除けば大抵の人は庇ってくれるのだが、周囲
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英雄の証明(2021年製作の映画)

3.7

誰もがちょっとずつ身勝手。これが普通の人間ってもの。


普通の人が普通の行動をしただけで、英雄にもその逆にもなれるという社会実験。
日和見な世間の評価が次から次へと変わっていく速度に、乗り物酔いして
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リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.3

ポスターにもある、不自由すぎる世界から解き放たれたように踊るサシャの姿。バレエ教室や学校でも、彼女が自分らしく踊れるようにあってほしいだけなのに。

自分を責めるお母さんの姿を見るのが辛すぎる。この家
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ふたつの部屋、ふたりの暮らし(2019年製作の映画)

4.2

言葉を失った時、二人の繋がりを証明するものがなくなってしまう脆弱さ。老いゆく身体、家族、過酷な過去、背負うものが多すぎてあまりにも不自由だ。

ニナの行動は、不器用ながらも勇敢だった。周囲を圧倒する力
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星の消えた空に(2021年製作の映画)

4.1

出産を経験する/した人はもちろん、男性も必ず観てほしいテーマを扱った作品。

薬を飲まない理由が子どものため、というのが辛い。
もう一度夜空に星を取り戻すためには、何が足りなかったのだろう。鬱という取
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