たまごさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.6

『恋する遊園地』に続いて対物性愛の話だと思って観たら全然違った。

チタンが埋め込まれてる以外、ほとんど伏線がないので見方は自由だろうが、車、対物性愛、シリアルキラーはどれも神話を構成する要素でしかな
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ロスバンド(2018年製作の映画)

4.5

近年稀に見る王道ジュブナイル映画!
若気の至りには時代も国境もない。
劇場を出てニヤニヤが止まらなかったわ。

ティルダ嬢、生き方が9歳にしてロック体現しちゃってる。

※あのボーカルを補正して審査通
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

4.5

アラナが歌うThe Anonymous Onesが良い!

きっかけは何であれ、一見タイプが全然違うエヴァンとアラナが出会い、苦しみを共有する瞬間に嘘は無かった。

エヴァン、コナーとはまた違って、匿
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ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ(2021年製作の映画)

4.4

デイがデイに、完全になりきってましたね。

歌が標的になる。
今の感覚からすれば、ここまで執着する?と思われるかもだけど、歌うことは何よりの武器/プロテスト。その力の大きさを(歌う側も、目を付ける側も
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.9

この映画が作られたことが、最高のハッピーエンド。ポップカルチャーへの想いまで、紛争が奪わなくてよかった。
ハードな現実の中に幸せを見出せるのは子供の特権。

映画館を出てから暫く、Everlastin
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

4.3

飾った自分と現実の生活にギャップがあるのは、必ずしもネガティブなことではないと。SNSは自己顕示欲とか承認欲求と結び付けがちだけど、レオはもっと純粋に、自然にやってたと思う。
どんなに現実は悲惨でも、
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ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.5

8歳9ヶ月!!
駐車場のシーンがハイライトでした。勿論ベテラン勢も活躍してるけど、8歳9ヶ月の弟子のインパクトが強かったー。クロエ・コールマン優勝。

ダイナーや図書館をはじめ、徹底したディストピアな
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

3.8

ディスカッションのシーン、居心地の悪さにリアリティがあった。どこにでもある学校の空気、あるいはこの国全体の息苦しさが、あの数分に集約されてた。

少しずつ変わりつつある世界だけど、ファンタジーにはせず
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ミックステープ 伝えられずにいたこと(2021年製作の映画)

3.8

やっぱりミックステープは順番に聞かなきゃ!
音楽を通してこんなに素敵なコミュニケーションができるのだと、今のティーンに知ってほしい。

ロックとの運命的な出会いができるのは、一生に一度10代だけの特権
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メインストリーム(2021年製作の映画)

3.5

あれだけ叩かれても貫いてるのは逆に潔い。承認欲求に飢えてるとか超えて、本物のサイコだから共感は困難

ありのままの自分を見せることをdignityと謳いながら、思い切りdignityを傷付けてる矛盾。
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選ばなかったみち(2020年製作の映画)

3.8

"ここ"を飛び出して選ばなかった道を駆け巡ることができるのは、ある意味では特権かもしれない。

虚実入り混じった世界を見るのは認知症なのだから当然と言えばそれまで。でも作家だから厄介で、未完のフィクシ
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スターフィッシュ(2018年製作の映画)

3.0

何一つ整理されてないが、私達の内面なんてこんなもの。based on true storyを掲げるのは分からないではない。

世界を救った気になる。利己的だけど、自分の精神世界くらいは、それでいいと思
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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

4.3

素直になれないアルマの成長物語。

将来の孤独への不安、未だに引きずっている初恋、死産…
出荷されたて、傷一つないトムとは相対的にコンプレックスだらけなアルマ。AIに恋する特異な人とかじゃなく、あく
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アリスの空(2020年製作の映画)

4.6

絵本さながらの遊び心満載の画(レバノン杉の擬人化って凄いアイデア…!)とは裏腹に、戦争が奪う物の大きさをストレートに伝えてくれる。居場所と思えた場所の変わり果てた姿を見るのは本当に悲しい。

ファンタ
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パーフェクト・ノーマル・ファミリー(2020年製作の映画)

4.2

娘の視点で経験を映す自伝的な作品で、過度にエンタメ化されてなく、至極パーソナル。子供の目線で、かつ本人にしか語れない戸惑いや焦りを丁寧に見せていて、気づきの多い作品だった。

趣味も性格も正反対の姉妹
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私の親友、アンネ・フランク(2021年製作の映画)

4.3

ドイツ兵が街を闊歩し、迫害の足音が隣家に迫る中にも、いつもの少女の暮らしがあった。他愛ないことで喧嘩もするけれど、それが普通の10代。アンネも特別な偉人だったわけではないし、こんな形で有名人になること>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.7

どこまで遡ればこうならずに済んだのかな。もはや分からない。
愛犬と居たい、職が欲しい。求めているのはただそれだけなのに。

自己責任とか自助とか、もうウンザリだ。

ドーナツキング(2020年製作の映画)

4.5

アメリカン・ドリームそのもの!
移民難民の国アメリカはそうでなきゃ。文無しの難民がビジネスモデルを変えてしまった。
幼少期からずっと貧しかった彼が、急に大金を手にしたら…後はお察し。成功するも自滅する
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.3

大分前に観たエールは薄らとしか憶えてなかったが、オリジナルより丁寧な演出が効いてる
タイトルをシンプルにCodaで打ち出したのも◎

直接"音楽に触れる"ことで共に音を感じる。音楽の限界を越えた瞬間を
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ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

3.4

エレナ・フェッランテが映画化に「女性監督で」と条件付けたの、凄く分かるな…
ナポリの物語の主人公を思い出す所も少しあって。作家のメッセージが100%分かったわけではないけど、なるほど〜と思った。

リスペクト(2021年製作の映画)

3.8

"Think"や"Respect"の世界観に寄り添う内容で、こうした名曲が生まれるべくして生まれた背景を思うと辛い。

歌の才がありすぎるゆえの搾取に苦しんだけれど、彼女自身歌に救われていく。
何度傷
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アワ・レディーズ(2019年製作の映画)

4.2

90年代UK/アイルランド、カトリック、青春が揃うと面白い映画にしかならない…

Dating Amberでもそうだったが、保守的な田舎の絶望的なほどの閉塞感が凄くて。
超ダサくて、痛々しいのだけれど
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スーパーノヴァ(2020年製作の映画)

3.6

誰でもなりうる病だが、"物を書けない物書き"というのは辛すぎる。無力になっていく自分自身を、黙って受け入れられるか。葛藤をあまり見せないタスカーだけれど、手帳が全て物語る。

その選択を尊重することも
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.9

圧巻のラテンミュージカルでした。

2つのホーム(NYと中南米)の間で生きる人々。それはアイデンティティが半々なのではなくて、属するコミュニティや共通の歴史が2倍あるということ、強みだと思えた。

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グレタ ひとりぼっちの挑戦(2020年製作の映画)

4.0

アスペルガーを特性として受け入れ、有名になっていく自分の立場を客観的に捉えてる。スピーチの姿を切り取って作られたイメージよりも遥かに、冷静で独立した人だ。

環境破壊を知って強烈に傷付いた時期もあった
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もっと、欲ばりなだけの恋じゃなくて(2021年製作の映画)

4.3

ただただ3人が微笑ましくて…!

あのスーパーのアナウンスの仕事やってみたい。

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.9

薬漬けの少女時代の描写とか、観てて辛いだろうと思い未見のままだったが、そんなの説明不要、苦労が顔に表れたようなレネーの表情が全て物語ってた。
晩年のジュディ役には完璧すぎるほどだった。(ちょっと前のN
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

ホラーだが全然非科学的じゃない。人間の欲望が何より恐怖。
男どもなんて怖くないぜ、という方向で行くこともできるが、それはプロミシングヤングウーマン的になってしまう。
あくまでポップなホラーに仕上げたと
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