mingoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.3

今年ベスト候補。だめだ素晴らしすぎる…服の色づかいは相変わらずロメたん。泣く映画じゃないのに良すぎて泣けてきた…ブラック新作出るたびにその年のベスト3に食い込むけど余裕で今年のベスト3にまたしても食い>>続きを読む

空、みたか?(1972年製作の映画)

3.8

何も調べずに若松孝二以後ロビンソンの庭未満みたいな映画だなぁと思ったら72年とかなり若松な年代だったがなかなか良かった、空間が広くみえるようにカメラワークが考えられているため70年代っぽくなく80年代>>続きを読む

恋人たちの時刻(1987年製作の映画)

4.1

邦画ファムファタールの代表的傑作と言っていいし80s後期の空気感が閉じ込められてて正直たまらない、まだ胸が締め付けられている…脚本は荒井晴彦で彫刻家の感じとかあいも変わらずキモ〜な部分があるけども仙元>>続きを読む

アザー・ミュージック(2019年製作の映画)

3.9

我が青春のバンパイアウィーケン店頭ライブとかエモすぎる。ファスト映画とかなんでもファストがつく時代だが実際じぶんの眼で観たものがすべてなんだからいくら知識を蓄えようが聞いたもの観たものがつええのは当た>>続きを読む

適切な距離(2011年製作の映画)

3.8

面白いが濱口竜介の「観やすさ」ほどこの映画には無い。絶賛されるのも分かるし才能があるのも分かる、ただ埋もれてしまうには仕方のない映画の強度である。「観させる」「没入させる」には濱口竜介の他人にスッと入>>続きを読む

美しい術(2009年製作の映画)

3.8

2009年は私にとっても重要な年だ、ゼロ年代終わりにかけデザイン/アートの世界に足を踏み入れ、翌年には大学の至る所でブンミおじさんの話が聞こえてくることになるそんな時代に作られた稀有な一本。
戸田監督
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優しさのすべて(2021年製作の映画)

3.3

ユスターシュの再来?ハスミン推薦文に惹かれて行ったが流石にもうろくしたか?ユスターシュどころか劣化版濱口竜介。言葉が全然入ってこない。トークショーによる監督の喋りがよりいけすかなかった…


西村さん
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白薔薇は咲けど(1937年製作の映画)

4.2

銀座の洋裁店に勤める明日子(入江たか子)は最高のドレスを爆誕させる、画面目一杯に左から右へ作り手の女性たちの顔をパンで次第に都会の夜へオーバーラップ。東郷青児風のカレンダーに孤独な夜は自宅の金魚鉢の反>>続きを読む

戀愛の責任(1936年製作の映画)

4.2

台詞なんて噛んでてもお構いなし、才気溢れるデビュー作たのしいたのしい!
大学時代村山知義の研究をしていたので大変感激である。高島屋デートのシコvs大宮ドライブサエコの2人がミヤコアピートのシンスケを取
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おこりじぞう(1983年製作の映画)

4.0

丁寧な人形アニメと実写のハイブリッド、後世に語り継がれるべき傑作。涙を流した地蔵が「水」になってひろちゃんの口に運ばれる演出を観れただけで足を運んだ甲斐があった。ラストの見せ場がおわり、じいさん語りが>>続きを読む

まっ黒なおべんとう(1990年製作の映画)

3.3

色彩が悉く死んでて設定も細かく描写されないため原爆体験の悲惨さ・恐怖を子供に植え付ける児童映画としてかなりきついものがある、B29が投下される前の川での魚採りの場面の魚が紫と黄緑色であまりの色の汚さに>>続きを読む

ボクのおやじとぼく(1983年製作の映画)

3.9

デビュー作「犯され志願」の翌年にこんな児童映画を撮っていた…どうやって登った?ばりの高い雲梯で連続高速前回りをする夏八木勲とうちゃんのロングショットやべー。回転大判小判財宝物語かと思えばちゃんと親の秘>>続きを読む

ワイルド・メン(2021年製作の映画)

3.8

望遠ショットを前編にわたって溶け込ませコーエン兄弟の(北欧版)ファーゴみを帯びている。主演2人の現世逃避行物語なのに途中から警官のジジイがイーストウッドみを醸し出してラスト付近ではジジイが主役の座を奪>>続きを読む

彼女の生きる道(2021年製作の映画)

3.8

冒頭「エリック かなり不快 フェラ 45ユーロ」娼婦のメモ日記きつい幕開け。母ちゃんが娼婦と分かったあとのバトルから微笑ましい朝食雪合戦はあたたまる。ちゃんと息子も800ユーロ稼いで達成してたの偉い。>>続きを読む

マグネティック・ビート(2021年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃセザール賞っぽい映画で良かった。ラジオ×音楽映画、ミッテラン大統領の勝利に歓喜する若者たちの冒頭から冷戦化のベルリンの小さなフランスでラジオ放送に青春を懸け1人の女性をめぐる兄弟ドラマ。散>>続きを読む

サカナ島胃袋三腸目(2022年製作の映画)

3.7

あぶくぶくぶく海の底。豚のぶたやまとんきちが魚の腹の中でさかな子に出会いおたまじゃくしの坊やが産まれ、穏やかに暮らしているがある日漂着した思い入れのある果実を食べたことによって物語が一変する。「とんか>>続きを読む

JOURNEY(2023年製作の映画)

3.8

肉体から意識を解放することが可能となった近未来、「2001年宇宙の旅」「ストーカー」や「息を殺して」往年のクラシックを下敷きにしながら宇宙における自分たちとは何かと深淵な問いを投げかける60分のSF作>>続きを読む

都会の横顔(1953年製作の映画)

4.0

く〜前半30分子役の「ヨシコチャンのおうちの隣」の天丼にやられた、なんてキュートな映画なんだ!清水宏作品の中でもトップレベルに好きだ…オーバーオール靴磨きの有馬とルンルンステップのサンドウィッチマン池>>続きを読む

ストレージマン(2022年製作の映画)

3.3

コロナショックで職と家と家族を失った男が行き着いた先のトランクルームで起こる悲劇の連鎖。大便や首吊りといったインパクトのある演出をハリウッド的に劇伴やらカメラやらで鑑賞者に伝える。クオリティもアイデア>>続きを読む

UTAMA ~私たちの家~(2022年製作の映画)

3.7

荒れ果てた広大すぎる土地に家の中の定点カメラのギャップが印象的、編集にMonosのプロデューサーのエプステインが居て南米のベテランスタッフが集結し渋い一本を仕上げた。昨年のYDIFF「カマグロガ」しか>>続きを読む

揺れるとき(2021年製作の映画)

4.0

労働者階級の少年の感情教育というテーマに挑んだ良い作品。ヤングケアラーやLGBT、多感で敏感な少年の成長や恋の目覚めを1人の教師と意思疎通することによって世界が広がり素晴らしい児童映画へと昇華している>>続きを読む

無秩序/ディスオーダー(1986年製作の映画)

3.7

アサイヤスデビュー作。ディスオーダー。

トークメモ
描かれた時代はポストパンク、ニューウェーブを通過してもろ大寺世代…興奮と気恥ずかしさ。ヌーヴェルバーグの次の世代。トリュフォーと似てて恋愛映画を得
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クイーン・オブ・グローリー(2021年製作の映画)

3.8

冒頭の音とダンスでユーザンパルシーの影響をみてとれたしマティディオップ同様にドラマと映像表現を欠かすことなく映画を作り上げる自力に現代作家の潮流をみた。個人的にタイムリーな話題なので母親を亡くすツラさ>>続きを読む

パンと塩(2022年製作の映画)

3.9

面白い。ポーランド映画祭の新作は毎年高クオリティと共にドラマ性に優れた映画も多く配給が依然としてスルーなのが残念すぎる。小さな町で起こった実話をもとにプロではない俳優を起用して製作された問題作らしいが>>続きを読む

《ジャンヌ・ディエルマン》をめぐって(1975年製作の映画)

4.4

最近発表された著名人批評家の投票によって決まる10年に1度のBFIベスト1がアケルマンの最高傑作「ジャンヌディエルマン」だったが正直へぇくらいに思ってた。そこで前から見逃し続けていたサミーフレーが記録>>続きを読む

デルフィーヌとキャロル(2019年製作の映画)

3.7

見辛い。デルフィーヌもキャロルもちゃんと知ってる人なんて居ないだろ…アケルマン「ジャンヌディエルマン」と、サミーフレーが記録したドキュメンタリーと、本作併せてやっとディエルマンの概要が分かるといった感>>続きを読む

波が去るとき(2022年製作の映画)

3.5

今回のラブディアスはタルヴェーラ映画のダンスシーン並みにやたらと踊る!
メモ書きまくった紙どっかいったけどディアスにしては分かりやすく平面的だった。立ち去った女以降配給が全スルー決めてるけどけっこう人
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

仕事も生活も体調もすべてぶっ壊れてたのに揺さぶられすぎてアドレナリン全開だわ…最初の30分のつまんねー会話劇の応酬で観るのやめなくて心底良かった…
なんとかオデッサとか言う東欧シネフィルが一個もいいと
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お座敷小唄(1965年製作の映画)

3.7

坂井欣也の松竹コメディ番匠の劣化版すぎて比べちゃいけないんだけど比べてしまう…柳沢真一のエセ関西弁踊りが観れるだけでこの映画がこの世に残る価値は十二分にある。ラストでプレイボーイらしい意味不明な嫁もお>>続きを読む

蝶の命は一日限り(2022年製作の映画)

3.9

TIFF2022アジア作品賞。右から左へパンすると老婆がフレームイン(逆は過去を描いているが)する長回し撮影と、「手」で老婆以外の実物を表現する撮影が尋常じゃない発想のイラン映画。
基本ドキュメントが
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カイマック(2022年製作の映画)

3.9

ポールハギス「クラッシュ」的に直接的には関係ないが様々な要因が連なってラストにカタルシスを呼び起こす構成。ジャケットの完成度で絶対的に観たいと思わせるビジュアルと圧巻の映画強度だった…

トークメモ1
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セカンド・チャンス(2022年製作の映画)

3.8

バーラニなので安心して観れる。
ピザ屋を辞めて防弾チョッキの製造で大成功する男のドキュメンタリー。自分で自分を撃ちまくる映像の強度はさることながら宣伝のために映画制作まで行い綻びが生じることに違和感を
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理想郷(2022年製作の映画)

3.9

コーエン兄弟を思わせる映画かと思えば銃などの飛び道具頼り抜きでも地道な作劇により常に緊張感を保ち、観るものを刺激する演出のうまさがひかる。まさか初日に観た映画がグランプリ取るとは思わなかったけどクオリ>>続きを読む

へうたんから出た駒(1946年製作の映画)

3.5

凡太朗&万太郎のWタロウ主演という珍しさだけでなくアーカイブ所蔵千葉泰樹監督作というレアすぎる一本。映画自体の存在が先行しすぎているが焼け野原残る東京にてタロウコンビが隣人粂子母子のために買い出しに行>>続きを読む

無気力症シンドローム(1989年製作の映画)

4.0

ムラートワ観たことなさそうな人たちしか居なくてムラートワ作品観たことある私でさえさっぱり、だがソ連末期はこんな気が狂ったような実験的劇映画が多くたのしい。30年数年ぶりの上映というが近年ヴェーラの混み>>続きを読む