床の血が水で洗い流されるのを見たのはブエノスアイレス以来。
目覚めた後、うまく思い出せず今にも消えそうな朧げで大切な記憶をゆっくりと辿って、忘れてしまわないように何度もなぞって、いつまでもその余韻に浸>>続きを読む
夜、悪夢をみることがある。それも、漠然としたものではなく、すごく現実味を帯びていて、だんだんと身体が動かなくなっていく時の重み、でも意識はぼんやりとあり動かない自分の身体を見つめている時の景色、これが>>続きを読む
70・80・90年代あたりの作品を観ると、いつも「ああ、映画を観たなあ」という感慨のようなものがある。何か、熱いものを感じるというか…。トムクルーズもレニーゼルウィガーも本当にいい表情をみせるなあ。
不倫相手に本気になってしまった男と、そのことを告げられた妻。
邦題はともかく、ルーマニア映画ということで。
お部屋とか、光とか、空気感が好みでした。
もう終わっているのに、言葉を交わさずとも意思疎>>続きを読む
友だちの恋人も海辺のポーリーヌもコレクションする女も、そしてこの満月の夜も、それぞれ別々の機会に見つけて気になっていたのだが、全てロメール監督の作品だったらしい。
本作は「喜劇と格言劇」の4作目。>>続きを読む
本や映画にはタイミングがある。
だから積読がたくさんあるし、それは映画もまた然りである。
そして前々から待たせてあった本作に、唐突に「その時」がやってきたので鑑賞。
我ながら良いタイミングだったと思>>続きを読む
ラブコメ的なノリかと思いサクッと観はじめましたが、しっかりと映画でした。
それにしても脱ぎっぷりのいいこと。
何があっても日々は、人生は、容赦なく続いていく…
良い作品でした。
監督、キャスト、設定、と惹かれる理由はそこそこあった。しかしなんともつかみどころのない作品。そのつかみどころのなさが作品全体をうまく仕上げているのか…
とにかく画面が暗いので途中で部屋の電気を消して>>続きを読む
存在は知っていたものの特に観るつもりもなかった本作、突然なんとなく惹かれて鑑賞。
こういう出会いがあるから、なんとなくって大事だと思う。また好きな映画が増えた。
実在するモダンダンサーをもとにした>>続きを読む
ひと夏を南仏で過ごす、歳の離れた2人の女。
光溢れるプールサイド、濡れたアスファルト、熱気と塩素の匂い。
サスペンスという感じはあまりしない。
夏だ。
毎年、夏になるとこれを観ている。
たぶんそういう>>続きを読む
ジャケットを目にした時からずっと気になっていた作品。海辺の景色や家の雰囲気が素敵。
あどけない少年と孤独な元教師の友情。切なくて、心温まる良作でした。
夏になったので。
いつも一緒の仲良し4人組が、ひと夏を別々の場所で過ごす。
彼女らを繋ぐ1本のジーンズと、16歳の夏のお話。
恋愛に向かない人というのはいるもので、それでも近づいてしまうこともあるし、やっぱり無理と離れたくなるのもわかるし、そうなれば相手がひどくしんどい思いをすることになるのも想像できる。
そんなお話でした>>続きを読む
堅物のおじいちゃんはもちろん良いし、弟のテオも可愛いのだが、何より友人としてやって来る白髪のじいさんが格好良すぎるのだ。あのオーラはなんだ。あんなふうに歳を取りたい。とか思った良作。プロヴァンスな気分>>続きを読む
求めている時に、求めている映画を観られた。
あの、しっくりくる嬉しいかんじがありました。
窓からの景色、大自然
巡るブルゴーニュの季節
ワインと、3人兄弟
のんびり穏やか、時々ぶつかり、よく笑う、>>続きを読む
恋愛ってこういうことじゃないですか?という、サラッと自然体な映画でした。
なんとなく繋ぎ止められている側はもちろん振り回されるのだけれど、案外している側に悪気はなく、他では同じように辛い思いをしてい>>続きを読む
若さってなくなっちゃうもんなのかな
飲み明かした日の朝の、薄明るい空
昼過ぎに起きた時のあの気怠さ
たばこと、コーヒーと、本と
アパートでの退廃的な生活と清潔な書店という職場とのアンバランスなかん>>続きを読む
興味深い題材、豪華キャスト、美しい画。なのに奇妙な仕上がり。なるほど、クローネンバーグである。
またしても退廃的な空気を満喫したくて本作をチョイス。
人を想う気持ちもまあわかる、気持ちが離れて去るどうしようもなさもわかる、去られる側の無力さとやるせなさも想像できる。どういう心持ちで観れば良いの>>続きを読む
退廃的な雰囲気が凄く好み。あまり健康的とは言えない日常の空気感が癖になってしまい何度も観ました。もしもしキクチ?あたしだけど、みたいに連絡を入れたくなってしまう相手のことをふと思い出しました
ダンサーを夢見る27歳フランシス。親友と同居して、恋人がいて、楽しい毎日。
が、一転、恋人とは別れ、親友とは喧嘩になり、ダンサーとしても芽が出ず、周りが落ち着いてゆくなか1人焦り…
故郷へ帰ったり>>続きを読む
ジャケ写がなんだかいかがわしい雰囲気だが中身はそれほどでもなく
気だるい空気とか物憂げな眼差しとか、個人的には非常に好みの作品でした。
監督の音楽センスはさておき。
ベートーヴェンの交響曲第7番>>続きを読む
さくらちゃんはきっと幸せなのね
だから、現実を物語に浸す必要がないの
さくらちゃんには、嫌いな人もいないのね
知識というものは、想像力の扉を開けるための道具なんですよ
信じる人にはおる、信じない>>続きを読む
日差しが美しいフランスの村で、パン屋を営む初老の男。
愛読書は『ボヴァリー夫人』。
そんな彼の近所に、ボヴァリー夫妻が越してきた。
彼はボヴァリー夫人を目で追うようになる。
ある日、彼はボヴァリー夫人>>続きを読む
人を待っているの
覚えてないーーー
事故で夫を失った妻の元に、シーツ姿の幽霊となった夫が帰ってくる。
失意の彼女と、静かに彼女を見守る彼。
不思議な魅力を纏う、素敵な作品でした。
ある日突然>>続きを読む
誰かの「当たり前」や「日常」は、その存在だけで、誰かを傷つけたり苦しめたりすることがある。
特定の個人を傷つけるつもりなんて全くなくても、誰かを故意に苦しめようとしているわけではなくても、その人にとっ>>続きを読む
良作。
ホラーで全てが腑に落ちて感動したのは【ピー(ネタバレ回避)】を観たとき以来です。
個人的には『ザ・ボーイ』や『アザーズ』と並べたいくらいのお気に入りになりました。
監督は『永遠の子供たち』の脚>>続きを読む
怖い。
盲目な妻と、献身的に世話をする夫。
手術により片目の視力が回復した彼女が見たのは、しかし想像していたのとは違う疲れた中年の男だった。
彼は、自分の手を離れ外の世界を楽しみ始めた美しい女を見て>>続きを読む
姉家族を惨殺された女性が、友人の刑事とともに事件を追う。
ホラーかと思って入れば、サスペンス感が漂いはじめ、そうかと思えばたちまち不可思議なファンタジー世界に迷い込んでしまう。
はてはて、と言っている>>続きを読む
舞台は19世紀ロシア。
きっとこれは、物語どうこうというより映像美を楽しむための作品なんだろう、と思わせるような描き方。
光と影が印象的でした。
高校の頃、現代社会の授業で同名小説が出版をめぐって最高裁まで行ったという先生の話を聞いた時から、気になっていたチャタレイ夫人の恋人。
ダウントン・アビーを彷彿とさせるような、イギリス階級社会が舞台。>>続きを読む
寒々とした空気
古びたアパート
エレベーターを使う男
夜勤の休憩にたばこを吹かす看護師
クスクスを作る初老の女性
宇宙から帰ってきた男
女優をしていた中年の女
母親と住む青年
そし>>続きを読む
「中産階級の女の曲線」
卓越した観察力で、とある家庭を描写する青年。彼の作文を指導する国語教師の男。終始まとわりつくどこか危うい空気と、皮肉で生温かく恐らく最良のラスト。
定期的に観たくなる1本。
少し立ち止まってしまったときに、また前を向いて進めるような、清々しい気持ちにしてくれます。
だいたいのことは何とかなる、何とかできると思わせてくれるので、なんとなくやる気>>続きを読む
いつも話題作を後回しにしてしまうため、随分と長いあいだ未見だった本作。
仕事柄アパレルECの世界は馴染み深いので、そのあたりを楽しみながらの鑑賞になりました。Ad●be製品での画像作成、鳴り止まないカ>>続きを読む