zatさんの映画レビュー・感想・評価

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千年女優(2001年製作の映画)

4.0

鍵の君への恋心だけを原動力に虚実ないまぜな時間も空間も縦横無尽に越境して千代子は疾走し続ける。14番目の月は満ちることがないままこれこそが私という全肯定によって物語は幕を閉じる。
千年思い焦がれ続ける
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⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

3.5

布の質感とか手の温もりとか繊細な表情のの移ろいを表現するためとはいえあまりに終始ピントの浅いクロースアップが続くのでセンシュアルとか超えてちょっとたまには引いてくれ!と叫びそうになった。それくらいむせ>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.5

バービーランドもリアルワールドもコテコテに男女バイナリでピンク似合わずパジャマパーティ入れてもらえない系女子としては終始居場所がなく、アランの女版いてほしかったというのが率直な感想。しかも女が男に勝つ>>続きを読む

バビロン(1980年製作の映画)

4.5

凄惨な人種差別とその中でサバイブする若者たちの姿はどこか「ドゥ・ザ・ライト・シング」を彷彿した。どちらも良くも悪くも(かっこよさも、扱ってる問題の変わらなさも)全く古びない。レゲエという音楽が背負って>>続きを読む

土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

3.5

ウーバーイーツ依存から脱出すべく自炊欲が湧きそうな映画を鑑賞。ものの見事に感化され、今晩のおかずは茄子の炒め物大葉和えと、根っこ付きほうれん草のお浸し、それにセリとゴボウが無性に食べたくなり、映画には>>続きを読む

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.0

ライトにサラッと観れるけど、会話のぎこちなさとか、絶妙なマウントの取り合い、そうそう人と話すってこういう感じだよね、だからいやなんだよ、と思ってしまうコミュ障あるあるなディティールが満載。教養不足で有>>続きを読む

ノルウェイの森(2010年製作の映画)

3.5

確か10代の時に小説読んだし映画も公開当時観たはずだけどほぼ全く覚えてなかった。(唯一小説で覚えてるのは使用済み生理用品を燃やした煙の上がる煙突の話しだったけどカットされてた)
そもそも時代背景をよく
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.0

飽きずに楽しく観たけど、何も書くべき感想が思い付かず困った…
「くだらね〜!」という賛辞を送るほどくだらないって訳でもないし。
幸薄めビッチな姉と幸せキラキラ新婚妹の対比、妹持ち長女諸氏はどっか共感す
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

1時間に満たない尺とは思えない重みのある作品だった。
主人公の庇うつもりの言動が一番当事者を傷つけていていたたまれない。
小中学生の頃、バカとかアホと同列の罵倒語として「シンショー(身障者)」という言
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ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(1975年製作の映画)

4.0

問題作的な評判ばかり聞いてたけど、普通に面白くて古びない映画だった。

荒涼とした田舎町。おフランスというよりアメリカの郊外という感じ。冒頭のトラック→カラスの死骸→ゲイカップル→ゴミ溜めのシーンから
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ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

4.0

メタ構造系の作品(ホーリー・モーターズとアネット)しか観たことがなかったので、すごくちゃんとした(?)ラブストーリーだな〜というのが一番の印象。

ミシェルがアレックスを捨ててポンヌフ橋を去っていき「
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水俣曼荼羅(2020年製作の映画)

4.5

大抵予告編で10分は押すだろうと余裕ぶっこいたところまさかの定刻開始で冒頭1分ほど見損ねるという遠征組にあるまじき失態…6時間に対する1分をまあまあ引きずってしまい大反省…。

曼荼羅図というものはそ
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.5

とにかくスティーヴィーがただただ可愛い。演出とか描き方もストレスなく見れてよりその可愛さを堪能しやすくなっている。

最近の90sリバイバルのせいでファッションが全く古びて見えないというかダサかわいく
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TOKYO!(2008年製作の映画)

4.0


よくある青春ものかと思いきや後半急にファンタジー展開。「ふたりのイーダ」へのオマージュ??こういう自分探し女子めっちゃいるなと思いつつ、加瀬亮も大概だぞ。家賃クソ高いとか駐禁厳しいって東京が舞台の
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.5

筒井康隆×今敏×平沢進の最強コンビネーション。
聞いてた通り百鬼夜行シーンは圧巻。劇中ずっと夢とうつつの境界が攪拌され続けてひと時も息がつけない。

パプリカまじかわいいっておっさん脳に切り替えて真っ
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

刑事のバディものという設定がちょっとベタすぎるけど、黒人差別を当事者として描き切る覚悟、独特なグルーヴ感ある映像と音楽はさすがスパイク・リー。

入れ替わり系みたいなバレるかバレないかのハラハラ感、さ
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アネット(2021年製作の映画)

3.5

去年何の気なしに観た「ホーリーモーターズ」が初カラックスで、衝撃の映画体験だったため、めちゃくちゃ期待して遠征。

鑑賞後しばらく経っての印象は「アダム・ドライバーめっちゃ歌ってたな〜」「マッチョだっ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.5

家族の感動物語はあまり得意じゃないけど、コンサートの無音演出と自分のためだけに歌う娘の喉に触れるお父さんのシーンが効いてた。(泣いた)
当事者が配役されるべき論、少なくともこの映画では素晴らしかったと
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.0

超名作を超名監督が撮ってるから逆にあまり言いたいことがないんだけど…
とりあえず初っ端の口笛のサラウンドでいきなりめちゃくちゃゾクゾクして楽しかった。ダンスシーンはやっぱり見応えがあって、映画というよ
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.5

何歳の頃の話しなのかよく分からないけど、シワとかそばかすとかお腹のたるみとかそのままで女同士愛し合ってる感じが自由!って感じでよい。
破天荒ってほどでもないけど結構なヘビースモーカーでいつもキツめの酒
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リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.5

始まってしばらくして、あれ、これって劇映画だっけ、と思ってしまうくらい、あまりにも映画的な、美しいシーンの連続で描かれる、実在する少女の想像を絶するような苦悩。あまりにも理不尽で、彼女が涙を流さなくて>>続きを読む

そこにいた男(2020年製作の映画)

3.0

「岬の兄妹」がすごかったので鑑賞。

ヒモ野郎がやたらと脱ぐからいちいちモザイクがかかるんだけど、そこまで必然性を感じず、映らない画角で撮ればいいのに〜と思ってしまった。

30分って気楽に観れていい
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網走番外地(1965年製作の映画)

4.0

ながら見ぐらいの気持ちで再生し始めたら面白くて全然目が離せなかった。
刑務所の「内」と広大な雪原の「外」。キャラの立った囚人たちと、仁義を貫く初々しい健さん。エンタメ的だけど撮り方が前衛的過ぎない程度
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地球へ2千万マイル(1957年製作の映画)

4.0

急に遠景が書き割りっぽくなったり瓦礫が軽やか過ぎたり動くコラージュみたいになったり味わい深い。
ヴィーナス(金星)って響きとトカゲゴリラみたいな怪物のビジュアルのギャップがすごいけど、おもちゃが一生懸
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

まさに動画版大人の飛び出す絵本。作り込み尽くした画は圧巻。だけどどうにも語りたい気持ちが湧かないのはなんでだろう…?いい雑誌だなー実在したら読んでみたいなーとかいう感想くらいしか浮かばない…
10代の
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ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

4.0

絶対家で一人では観たくないけど劇場でならと思って鑑賞。ストーリーに入り込み過ぎたらダメージ食らうことを知っているから、他ごと考えて気を逸らしたり終始そわそわ。好きな映画かと聞かれたら頷けないけれど、こ>>続きを読む

チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.0

公開当時振りにテレビで鑑賞。(不安定なネット環境のサブスクよりテレビの方が画質いい…!)

改めて観るとウンパルンパってゴリゴリの奴隷すぎて若干戸惑う。対等な関係性で好条件の契約をして、むしろ劣悪な環
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香川1区(2021年製作の映画)

4.0

前作を観てないのでなんとも言えないけど、確かにちょっと危なっかしいところ含めて小川淳也という人をつい応援したくなる、(前作の影響下における)衆院選の選挙活動から開票までを追ったドラマチックなドキュメン>>続きを読む

ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

5.0

割と静かめなエンドロールで映画では滅多に泣かない自分が一体なんで嗚咽を堪えて鼻水すすっているのかわからなかったけど、時間をおいて考えてみると、父と娘の和解とか家族愛を描いた物語に、あるいは「フォー・ハ>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.0

何度となく寝落ちしたので何も言う資格ないけどいつ目が覚めても同じ劇伴、同じシーンでタイムスリップしてる?!(自分が)ってなった。

地の群れ(1970年製作の映画)

4.0

オープニングのクレジットで原作脚本がみっちゃんと知り、あの嘘つき劇モテおじさんの本業はこれかぁと思いながら観た、というのはどうでもいいんだけど…あろうことかながら見で鑑賞。(ごめんなさい…)

そうで
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ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.0

新作の前に予習と思って鑑賞。
音楽も美術もローテクCGもザ80sって感じで大好きなのだが、思ってた以上にミソジニーの小骨が刺さる刺さる…。

主人公はオバケ退治を口実に家までゴリゴリセクハラしにくるし
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さようならCP(1972年製作の映画)

4.0

原のカメラによって可視化される、彼らを見下している人たち。CP当事者の横塚は、カメラを構えることで、単なる被写体であることを拒み、見ることの主体性を獲得する。視線の政治的な関係が反転する。ただ見て、見>>続きを読む

欲望の翼(1990年製作の映画)

3.0

めちゃくちゃ湿度高そう、クソ狭アパート、そして白いタンクトップ、が残るばっかりで、何故か意外とあんまりハマらず…もう一回リベンジするか、他のウォン・カーワイ作品を試してみたい。

あの日のオルガン(2019年製作の映画)

3.0

くっきりはっきりわかりやすい話運びは朝ドラか夏の終戦記念ドラマ感。
オルガンが子供をあやす道具を超えた大事なアイテムというのはわかるが映画的にそこまで効いてなかったような?
子供たちが子役じゃないのか
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アスパラガス/スーザン・ピット ドールハウスの魔法(1973年製作の映画)

4.0

強迫的に「動き続ける」ということ。
手書きアニメーションにおいては、震え、痙攣することが、存在し、生きているということである。アニメーションの自由とラジカリティみたいなものを強烈に感じた。

1
アス
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