MT1128さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

落下の王国(2006年製作の映画)

4.4

ベッドの上で繰り広げられていく想像上の作り話は、現実の世界とリンクしながらも、ファンタジックな佇まいを忘れることは決してない。子役の自然体の演技が愛嬌があってすばらしかった。ロイ役の俳優が、『ガーディ>>続きを読む

わたしに会うまでの1600キロ(2014年製作の映画)

4.0

主人公の人生で抱えた"痛み"を、ありのままに包み込んでくれているような自然が美しかった。トレイルによって生まれた"痛み"は、自分の過去と対峙させ、それを克服していくことで、よりすばらしい人生へと導いて>>続きを読む

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

4.4

学歴や社会構造から逸脱しようとする若者の軽やかさが、非常に美しい。主人公を取り巻く人間模様はどれも甘美で、温もりが感じられる。人々との交流は、観ている側も自然体な気分にさせられるのだった。狭く、窮屈な>>続きを読む

CUBE(1997年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

同じ四角い部屋が登場するシーンが連続するにも関わらず、空間が無限に続いているような絶望感と空白を持たせるような演出がよかった。それは登場人物それぞれの人間性だったり、最初のシーンであったり、あの手この>>続きを読む

アウトレイジ(2010年製作の映画)

4.0

前に働いてた居酒屋に来ていたヤクザのお客さんと話し方とか仕草が似ていた(バーで談笑しているシーン)。あくまでフィクションだけど、限りなくノンフィクションに近い部分を感じた。椎名桔平の、冷徹かつ人間臭い>>続きを読む

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

4.4

軍曹の心情が変化して行く描写がなんとも痛切。ある意味"軍曹"がこの映画の主題と言ってもいいのかもしれない。少年兵と軍曹との絶対的な主従関係がだんだんと解脱していくところが、心打たれる。無音状態、あるい>>続きを読む

ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.6

『AKIRA』で描かれるような近未来感に、西欧の人間が思い描くステレオタイプのアジア観が入り乱れている感じが面白かった。特に、台湾や中国の雑多な感じのスラムや裏路地的な部分に、サイバーな要素が入るアン>>続きを読む

猫の恩返し(2002年製作の映画)

4.0

主人公を"猫の事務所"へと連れて行く路地裏のシーンがリアリティーがあってワクワクした。猫の世界やその周りを取り巻く描写が少ないせいか、後半部分の展開が混み入ってしまっていたように感じた。"恩返し"は思>>続きを読む

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.4

以前に観た『レディ・プレイヤー1』の登場人物が金田のバイクを使用していたので、それ繋がりで観賞。作画のクオリティーの高さはもちろんのこと、日本の伝統音楽を基にしたサウンドトラックの妙や、それによっても>>続きを読む

コクリコ坂から(2011年製作の映画)

4.0

明治期の建築物の造形の美しさに感動。そこに、戦後から立ち直った60年代の日本の混沌が積み重なっている様子も非常によかった。また、横浜の街並み、歓楽街の賑わいや、道ゆく人々の所作、どれをとっても当時の日>>続きを読む

アバター(2009年製作の映画)

4.0

人間側の行動に対する背景がやや薄いように感じた。そのため後半は、もはや何のために戦争を行なっているのか、長い尺も相まってやや希薄になっていたように思ってしまった。ただ、それらの不十分な要素を帳消しにし>>続きを読む

キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.8

ピーター・ジャクソン版の『キング・コング』よりも明快で簡潔、テンポも圧倒的によい。怪獣映画のスペクタクルを楽しむには文句なしの作品ではないでしょうか。現代的な色調で展開していく中で、時折入る写真や、セ>>続きを読む