平成2年の男さんの映画レビュー・感想・評価

平成2年の男

平成2年の男

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.0

・映画通からはウケが良い、作家性を楽しむための作品と色々言われているが、要は豪華キャストで投下されたタランティーノの自慰作品。

・ピッピーの腋毛シーン、刺さりまくってしまった。

・ブラピ、イケメン
>>続きを読む

ローマの休日(1953年製作の映画)

4.5

・惜別の念、愛おしさ、運命の受容、こもごもの感情が伝わってくるオードリーの最後の表情が素晴らしかった。

・映画を多く観ている人ほど、観るのを後回しにしてしまう作品ではないだろうか。そして、映画好きで
>>続きを読む

ホリデイ(2006年製作の映画)

3.5

・内容を知らずチョイスした作品だったが、時期的にタイムリーな作品だった。

・『映画には主演女優とその親友が登場する。君は主演女優だ。なのに親友の役を演じている』

・伏線の張り方、サブストーリーの差
>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.0

・ベルとはなにか?童貞の夢である。世界を夢中にさせる歌姫で在りながら、歌姫の純潔は現実世界と仮想空間を隔てる次元の境界によって保たれている。これを童貞の夢と言わずして何という。

・細田守の童貞力に感
>>続きを読む

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.0

・上質な作品であった。現実にあったこと、という前置きによって、非常にスリリングな仕上がりになっている。

・「盛り上げの場づくりやカタルシスの都合のために仕方なしに加えている伏線」を発見するたびに、作
>>続きを読む

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

3.8

・わたくしは本作を以て『007シリーズ』ヴァージンを卒業いたしました

・映画という表現媒体にとって避けられないご都合主義が「特級スパイのポンドならあり得るよね」という変換によって、ごく自然なものにな
>>続きを読む

ボディガード(1992年製作の映画)

2.5

・王家御用達のフレンチ用ソーサーに置かれた一粒のアポロチョコよろしく、大仰な舞台装置の中心にあるボディガード君のみみっちさが全編通して異様な存在感を放っており、ダンディズムについての思索を視聴者に強い>>続きを読む

ザ・マミー(2017年製作の映画)

2.5

・エストレヤ役を中心に子役が素晴らしい存在感を発揮しているのに、制作陣の大人は何をやっているのか。

・最後の願いが叶うシーンに救いが無さすぎて失笑してしまった。視聴を終えたいまも後味の悪さを引きずっ
>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.0

・元CIAはゴミ出し時間、守れると思います。

・大人のホームアローンというか、アメリカ版なろう小説だな。

・イキった演出が最高でした。無双感に脳汁ブシャブシャ。これですよ、これ。

・分かる人には
>>続きを読む

燃えよドラゴン ディレクターズ・カット版(1973年製作の映画)

2.5

・映画のストーリー理論としては、オープニングで物語の方向づけ、主人公の使命、登場人物の紹介などが行われなければならない。これをもとに本作のオープニングの立ち上がりを見てみると、「今の状況はこうで、こう>>続きを読む

僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

3.0

・可もなく不可もなく。原作から抜き出したと思われる秀逸な科白がちょこちょこあるくらい。

・科白のうち痺れたのは『史上最高の文学を読んだら作家なんか目指せない』『先祖が足が速かったか賢かったか健康だっ
>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

・すごい作品だった。ただ、観る側にも非常な集中力を要求する作品でもある。

・次々に繰り出されるショットを前に、俺は言葉を失くした。何を伝えたいのだろうか、とテーマやメッセージを巡る思索すら拒絶するこ
>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

2.8

・カマセでしかない国家運輸安全委員会にリアリティがない。アメリカンな手のひらの返しに失笑してしまった。安いカタルシスだなぁ。

・シミュレーションを再実行するシーンや音声記録を確認するシーンは、どんで
>>続きを読む

スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

3.0

・アベンジャーズしているスパイダーマンも悪くない。

・スパイダーマンといえばベンおじさん、MJとの恋、親友の父親が黒幕、孤高のヒーローといったお決まりが幾つがあるが、今作は初めからある程度の了見が用
>>続きを読む

アメイジング・スパイダーマン(2012年製作の映画)

3.0

・サム・ライミ版のスパイダーマンには思い出が多い。厨房だった当時、放心するくらいの衝撃を受けて、日本に生まれたことを心底恨んだ。ずっとスパイダーマンの世界にいたくて、角川の書き下ろし文庫やパンフレット>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

2.0

・評判作とのことで視聴。本作がディストピアでサバイブする4(5?)人家族のヒューマンドラマであると理解するまでに、さほど時間は要さなかった。

・"何か"の造形がさほど怖くないのは、RPGのモンスター
>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

2.0

・上質な小説を読んだかのような?冗談はやめていただきたい。こんな杜撰なプロットがミステリーとして認められて良いはずがない。ミステリーは1にプロット、2にプロット、3にプロットだ。

・物語の第一幕の終
>>続きを読む

セインツ -約束の果て-(2013年製作の映画)

3.5

・蓮井重彦氏が絶賛しているディビッドロウリー監督の作品。同氏の作品を観るのは『さらば、愛しきアウトロー』から続き二作目。

・蓮井のジジイのコメントを転載
『フランシス・フォード・コッポラはともかく、
>>続きを読む

読書する女(1988年製作の映画)

3.0

・俺は一体なにを観せられているんだ、と自問自答しつつ、結局エンドロールまでこの映画に引きずられてしまった。

・エロスと死は、対極であり、かつ同極の関係にもあると説いたのはバタイユだったか。本作の醸し
>>続きを読む

ボス・ベイビー(2017年製作の映画)

3.0

・一つ一つの挙動がかわいくて、可笑し味がある。クスッと笑ってしまうシーンがたくさんあった。

・悲劇、ホラー、サスペンス、友情、SF、ファンタジー、家族愛、全てをぶち込んだ闇鍋シナリオは、ともすれば自
>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.5

・元東大総長の蓮實重彦氏があまりに絶賛するものだから視聴。

・仮面ライダーの変身ポーズのようなキメキメショットを乱発してくるのだが、これまた絶妙にダサくて、エモさにブーストをかけてくる。かと思いきや
>>続きを読む

ラベンダー 妖精の歌(2016年製作の映画)

2.0

・作り手は、どんなテンションでこの作品を撮ったのだろうか。観る方がこれだけ退屈しているのだから、撮る方はもっとじゃないだろうか。

・カナダの自然の静謐さの魅せ方は上手だが、ミックスする材料を間違えて
>>続きを読む

ジョナスとブランカ(2015年製作の映画)

4.5

・個人的に大好きなタイプの作品。

・象徴の使い方が非常に秀逸。

・純愛かと思いきや、いきなりサスペンスになり、そこから徐々に耽美アートとしてテンションを高めていく。最後の最後に、ジョナスのブランカ
>>続きを読む

イルマーレ(2006年製作の映画)

3.0

・タイトルがかっこええなと思い視聴。思った以上に楽しめたが、本作における「イルマーレ」感の薄さについては如何ともし難い。

・気持ちええやろ?というシナリオライターの声が聞こえてきそうな伏線回収。いや
>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.0

・「いい作品だった」以上の感想が出てこないのは、俺側の問題なのか。「ラストに鳥肌がたった」というレビューを読んだ時など、己の感性の摩耗を痛烈に思い知らされた。

・この作品においては肯定する気にも批判
>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

3.0

・おい、なんだこの結末。ふざけるな。結末を評価しているやつが多いのも腹が立つ。余韻を残そうとしているかしらんが、胸が痛くなった。誰も救われねぇ。

・観るタイミングを間違えてしまった。アクション映画を
>>続きを読む

凶気の桜(2002年製作の映画)

2.5

・一言で言うなら「いいところが沢山あるクソ映画」

・オープニングすごくないか? 東映のロールバックからトイレのシーンにつなげ、陰茎の存在を予感させたあとにハサミの音を入れる。男なら一瞬、ヒヤッとする
>>続きを読む

さよなら歌舞伎町(2015年製作の映画)

1.5

・残念すぎる作品

・新宿の吹き溜まりを切り取って、アングラ感のある群像を並べて、一丁上がりってか? 21世紀の日本のダークサイドを舐めんなよ。

・興味のないひとり語りをひたすら聞かされるのは苦行で
>>続きを読む

ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

4.5

・多幸感がキーワードらしいが……すごいな。確かに幸せなんだよ。見ていて癒されてしまった。現世よりよほど良い。そう思ってしまった俺は潔癖症なのだろうか。

・カルトとは違うように思う。カルトという言葉に
>>続きを読む

>|