感情と血と撮った人の想像力と理想が佐藤泰志の小説の魅力的な淡白さの行間にぎゅうぎゅう詰めにしてある感じだった。
素直にスクリーンの中に気持ちが入っていって、静かな宇宙に漂うきりきりの不穏さや緊張感(2001年宇宙の旅を観ていた時のような緊張感)から愛情の暖かみまでじっくり感じられました。見終わったあとはあー、映>>続きを読む
極彩色とラテンなリズムの中に神話のモチーフが混ぜ込まれたという感じ。全編を通して流れるあのリズムのせいか、とても不思議で浮ついたな感覚を与える映画だったと思う。
悪魔と契る芸術家を表すのならば所作や言葉の選び方などの表現にもっとふくよかさが欲しいと思ってしまいました。
話も登場人物も昭和っぽさが漂うロケーションもとても良い、それから役所広司が最高に良かった。静かな日常の底のほうで流れている愛に起因する狂気、それが一瞬にして表出してくるシーン、乱闘のなか剃刀を手に取り>>続きを読む
憂鬱なようで軽妙で、セクシーなようでそうでもない。ピュアな肉欲を持つということの方が愛することより難しいのかもしれない
映画館で観ているとき、ほぼ満席のシアターがたびたび笑い声に満ちるようなフランクさで暖まっていて、そういう場の空気もあいまって下劣でコミカルな演出を2倍くらい楽しめた。久しぶりにあーー面白かった!って感>>続きを読む
分断されたイメージと音楽の連続が人間の生のままの感覚に近いものを感じさせる。知覚されたり思考される沢山の現象が体の内側で統合されて一つの観念になるまえの感覚が体の外側に現れてきた感じ。
生の空疎さや虚構が全ての行為の根底にあって、空虚な生活を痛みだけを通して自分の人生の一部にするということが主題だとすればそれに相応しい表現だったのでは。おもしろかったな〜
視覚的にも楽しめるしヴィトゲンシュタインの思想の断片から構成される台詞を通して彼の哲学に触れるきっかけとなるよいメディアではないかと思う