赤手袋が強烈な印象のユペール他、ベルレアンやデュクロといったキャストの力もあって悪くはないとはいえ、ラストの投げだし方は後期のシャブロルとしてはやや毒がない。
『アミスタッド』が好きな人には本作は少し地味すぎるかもしれない。スピルバーグにとっての法廷が、雄弁を披露する「名優」に皆が感嘆して聞き入る場だとすれば、バーネットはそれを、どれだけ弱い者に対しても等価>>続きを読む
どんでん返しに次ぐどんでん返し、時として挟まれるユーモア(グレタ・ギュント)、夜の場面で際立つ撮影、素晴らしいキャスト(アーレン・ダールは相変わらず美しい)...ということで、深く感動するとか二度と忘>>続きを読む
正義漢が卑劣な男たちに腹を据えかね次々と復讐していく話で、『逮捕命令』『悪の対決』『断崖の河』といったドワン後期の傑作に比べると複雑な葛藤を欠く印象。
とはいえ闇に深く浸された画面、ラスト近くの雪山の>>続きを読む
若い女性を主人公に据えた同時期のサスペンスの典型的なプロットを踏襲しつつも、明かされる「真実」のばかばかしさは予測不能。最後の「安心だと思っているのか?」には吹き出しそうになる。
幻影に憑かれることで>>続きを読む
性病エクスプロイテーション・フィルム。絶望した女が部屋で一人とる行動をじっくり追っていくシーンがプレミンジャー(『天使の顔』『悲しみよこんにちは』)を喚起する、と言っては褒めすぎだろうか?
冒頭から性の匂いが漂うドロドロした雰囲気で、『バグダッドの盗賊』のような活劇ではなく『サムソンとデリラ』のような悲劇的メロドラマになっている。
クライマックスの王の帰還から簡潔なセリフへの流れが美しい>>続きを読む
歌がたっぷりの愉快なコメディで、盗賊に捕まって閉じ込められた部屋でそのコスチュームに着替えて鏡の前で銃を撃つ真似をするルピノ(18歳くらい)が可愛い。
盗賊が銃殺のため白い壁の前に主人公を立たせるとき>>続きを読む
ラストの展開が甘いのにはややがっかりだが、まあ上手いし、エキゾチシズムは楽しめる。パステルの祭司がいい。
この時期のドワン監督作の多くと同様、主人公の男が善人か悪人か分からない(悪人だったのが最後に善人になったり、善人だったのが一つのきっかけで残虐になるパターンも)ことでサスペンスが醸成される。
追跡劇の>>続きを読む
身体障害を抱えた女性を主人公に、弱さと痛みを抱えてなお愛することをめぐるメロドラマとしての本作の記憶は、『危険な場所で』によって継承される(そもそもフォレストとルピノが似ている)。力強く美しい。有名な>>続きを読む