YAEPINさんの映画レビュー・感想・評価

YAEPIN

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陰陽師0(2024年製作の映画)

2.4

予告の映像が重厚そうだったので観たが、シンプルに面白くなくて観ているのがしんどかった。

演出とストーリー構成があまりに陳腐で盛り上がりに欠け、小学生向けかと思ってしまうが、それも小学生に失礼かもしれ
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ブリング・ミンヨー・バック!(2022年製作の映画)

4.4

民謡クルセイダーズは名前くらいしか知らなかったが予告が魅力的だったので鑑賞。

民謡とラテン音楽を組み合わせるのはかなり特異な試みだと思ったが、1930-50年代では頻繁にその類のレコードが出されてい
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

初めてのアキ・カウリスマキ。

うだつの上がらない人々が、バーでうだつの上がらない会話をしている様子がただ映されるあたり、ジム・ジャームッシュと似た雰囲気を感じたが、『デッド・ドント・ダイ』が引用され
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オーディション(2000年製作の映画)

4.1

どんなに贔屓目に見ても呆れるほどの男尊女卑主人公に唖然としながらも、ホラー映画としては面白かった。
変なところで急にカットが切れて、夢と現を行き来する構成が不気味だった。
ゴア表現で言えば、SAWシリ
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オーメン(1976年製作の映画)

3.5

なんだかんだで初めて鑑賞。
『エスター』のように「悪魔的な子供」の話かと思いきや、本当に「悪魔の子供」ということでよりオカルトチックだしパワーも強大である。
一方、様々な悪行は彼の意思というよりそう生
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.4

プロレスはほとんど観たことがなく、アイアンクローがどんな技かも知らない状態で観たが、恐ろしく悲しく、興味深い物語だと思った。

中盤くらいまでは、今度プロレス観に行ってみようかなーくらいで気楽に構えて
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.3

善良な人々しか登場せず、音楽も映像も美しい映画だったが、予告以上の情報と目新しさがほぼ無くて驚いた。

演技も含めて、2人の男性陣には惹き込まれた。
特に主人公の夫は不憫で仕方がない。
円満に過ごして
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.8

情報量の多さとIMAXの爆音と絶望感とで頭が痛い。
正直観る前の自分に戻りたい。

破壊を伴ったとしても創造することが止められないのなら、人類は本当に自滅してしまうのではないかと思ってしまう。
ちょう
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i ai(2022年製作の映画)

3.8

全編通して、ベタすぎる展開と編集、歌詞やライブMCをそのまま読んだようなセリフの連続で、てらいなく言えば「ダサい」のだが、棘のように刺さって抜けない作品ではあった。
ちゃっかりステッカーを買い、サント
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エイリアンVS. プレデター(2004年製作の映画)

3.6

『エイリアン』も『プレデター』も1作目しか観ていないが、対決しているところはやっぱり観てみたい。

ゆえにエイリアンの生態には詳しくないが、あの生物はネコ科なのか???爪が武器だし、高い物陰に潜んで上
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トンソン荘事件の記録(2020年製作の映画)

3.4

突然正気を失った男性が、勤務先の宿に連れ込んでいた彼女を滅多刺しにした殺害事件を発端に、事件の調査にあたった撮影班が怨念に取り込まれていくホラー・モキュメンタリー。

怨念の元凶である殺人・焼身自殺事
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

私はIMAXで上映が始まる前のプロモーションムービーが大好きなのだが、そこで紹介される「針の落ちる小さな音も、ジェットエンジンの大轟音も」という表現は、この映画にまさにぴったりだと思った。
砂粒がキラ
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.7

びっくりしたあ〜〜めちゃくちゃ面白かった…...!

リュック・ベッソンの闘う女性大好きぶりは、もう分かったよ〜と思って『LUCY』以来観ていなかったし、本作の予告も全く触れていなかった。
さらには、
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死なない頭脳/美しき生首の禍(1962年製作の映画)

3.4

首だけで、さらに髪の毛まで覆われた状態でこんなにも美しいヴァージニア・リースはすごい。
ぱっちりとした目、優雅な曲線の眉毛、すらっとした鼻で、本当に均整の取れた顔立ちだ。
ともすれば肉体があった時より
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「A」(1998年製作の映画)

3.9

地下鉄サリン事件直後のオウム真理教に密着したドキュメンタリー。

教団は殺到するテレビ局の取材にはかなり厳格に統制をとって対応しているにもかかわらず、森達也とプロデューサーはよくここまで内部にまで立ち
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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

4.4

本作には、ゾンビ映画の元祖というイメージしか持ってらず、まさかこんなにも痛烈な社会批判と胸糞展開が用意されているとは思わなかった。
見た目のショッキングさだけでなく、ロジカルで鋭い視点を持って作られた
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英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

3.6

すごく久々に観るピーター・グリーナウェイ。

絵画のように均整の取れた構図と様式的な演技、奇妙なクラシック風の音楽にうっとりとしながら鑑賞した。
とはいえ、イギリス貴族らしい比喩たっぷりの回りくどい会
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リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング(2023年製作の映画)

4.2

『ル・ポールのドラァグレース』に出場したクイーンたちが、こぞってリトル・リチャードの仮装をしていた理由が分かった気がする。

彼のことは"Tutti Frutti"と底抜けに明るい話し方くらいしか知ら
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.8

カニバリズムをポップに描き、かつ社会風刺も織り交ぜ絶妙なバランスで仕上がった作品。

肉屋の夫婦が衝動的にヴィーガンを殺してしまい、ひょんなことから?その肉を食べたらあまりに美味しくて、ヴィーガン狩り
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.3

本作の公式サイトに掲載されていたプロモーションビデオの編集が怖すぎて、劇場で180分耐えられるわけない!!と思っていたが、映画自体は怖いというより気が狂いそうであった。
鑑賞後の疲労感が物凄い。

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.1

観終わってすぐの感想として、この主人公が男性で、転落死したのがその妻だった場合、陪審員たちも観客も夫の無実を信じるのがかなり難しかっただろうと思った。
その夫が成功したキャリアを持ち、恐らく家事分担は
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.8

スピルバーグの監督した初版『カラーパープル』は観たことがなく、本作の予告に1回触れただけで情報をほとんど仕入れずに鑑賞した。

それもあってか、初めの1時間半くらい、主人公の置かれた環境があまりに酷く
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ザ・フライ(1986年製作の映画)

4.2

この映画をきっかけに、ジェフ・ゴールドブラムとジーナ・デイヴィスが結婚に至ったなんて信じられない。
2人で過ごしてても、世にも恐ろしいハエ男の姿が頭を過ぎってしまいそうだ。

皮膚が裏返ったヒヒから始
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.6

『女王陛下のお気に入り』でも思ったが、エマ・ストーンのイギリス英語の上手さに驚く。『ラ・ラ・ランド』の主人公と同一人物に思えない。

本作は、実験的に脳を移植された女性が外の世界に飛び出し、人間社会に
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.1

ついこの間、『花腐し』で歌う綾野剛を観て感激していたのに、続けて『紅』を絶叫する姿を観られて非常にハッピーだ。
彼は普通に歌うま俳優なのではないか?

綾野剛と齋藤潤くんは、原作の2人の馬鹿馬鹿しくも
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ジャングル・ブック(2015年製作の映画)

3.7

オープニングのディズニーロゴがまさかの2Dアニメーションで驚いた。
エンドロールも含めて、トラディショナル・ディズニーアニメーションへの敬意が感じられる。

私は1967年制作のディズニー『ジャングル
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.3

変な映画………。

「パートナーがいない人は矯正施設に入れられ、45日間でカップル成立出来なければ動物にされる」というコンセプト以上の情報が入ってこない。
奇想天外な物語で予想もつかないので観ている間
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.4

原作を読んでいたある日、「高橋一生こそ、尾形役をやる為に生まれてきた人物なのでは?」という思い立ち、それに乗じて理想の『ゴールデンカムイ』実写版キャストリストというキモいメモを作っていたが、本作のキャ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.8

日々同じように仕事に通い、それがより良いものとなるように工夫を凝らすが、一分一秒が刺激的で楽しい訳でもない。
凡庸で穏やかな日々の中には、すぐに通り過ぎてしまうようなささやかな喜びや、忘がたいほどの怒
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バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.3

考え抜かれた一分の隙もない構図が続き、とても1930年代の作品に思えない。
ヒッチコック恐るべし…。

なんとなくの事前知識はあったものの、真相を知ったときにはハッとしたし、密室で殺人が起きるより密室
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

2.6

2024年ファースト映画館。

なのだが、悲しいことに全く乗り切れず、無の感情のまま過ごしてしまった。

スタンダードサイズで低めに固定され、静かで整頓された構図の画面が続く。
静かながら素っ頓狂な演
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.4

バーンスタインはさることながら、ブラッドリー・クーパーのなんと多才なことか。

バースタインのパーソナリティにそこまで明るいわけではないが、彼の楽曲を聴いて浮かんでくる通りの、激しく愛情深くエキサイテ
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猿の惑星(1968年製作の映画)

4.4

前に観たと思っていたが、オチ以外ほとんど覚えていなかった。
後世のシリーズ化から、普通にエンターテインメント要素の強い作品だと思っていたので、ここまで痛烈な皮肉が込められているのに驚いた。

宇宙飛行
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チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

3.6

顔と決め台詞だけ知っていたチャッキー。

ゆーても人形だし撃退できるのでは…?と思っていたが、皆なすすべなく陰惨な殺され方をしていく。
それにしても大の大人が揃っているのだからもう少し何とかできた気も
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

4.6

誰しも生きる上で夢を持つことが重要である、という明快かつ真っ直ぐなストーリーに、これでもかというほどディズニー・アニメーション作品のセルフオマージュが鏤められた、まさに100年の歴史を祝福するにふさわ>>続きを読む

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.1

ここまでピンと来なかったディズニー・アニメーションは初めてかもしれない。

3DCGここに極まれりといった鮮やかな美術と、リン=マニュエル・ミランダの音楽は間違いなく素晴らしい。

ビビッドなピンクを
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