ここまでピンと来なかったディズニー・アニメーションは初めてかもしれない。
3DCGここに極まれりといった鮮やかな美術と、リン=マニュエル・ミランダの音楽は間違いなく素晴らしい。
ビビッドなピンクを>>続きを読む
奇妙な余韻の残る映画だった。
「有害な男らしさ」をそのまま人の形にしたような主人公が、周囲の人間を蝕んでいくところはある意味見慣れた表現だったが、そこからみるみる男の孤独が浮き彫りになっていき、果ては>>続きを読む
ここ最近で一番楽しみにしていた映画。
IMAX鑑賞必須の、うっとりするような戦場スペクタクルが繰り広げられていた。
戦闘シーンであれだけの人馬を稼働させながら、カメラが11台とはもはや少なく感じて>>続きを読む
短編ながら胸が震える作品だった。
わずか15分足らずの尺で、100年分の作品に登場したキャラクターを次々と登場させ、さらには個々を象徴させるような動作とセリフを与える。
このスマートすぎる構成力とユ>>続きを読む
シチリア島で悪魔祓いを得意とするカタルド神父と、そこに救いを求める人々を追ったドキュメンタリー。
彼のミサを待つ人が、教会に詰めかける場面から本作は始まる。
他に行く宛てがなく、窮地に立たされている>>続きを読む
2時間じゃ足りない!もっと観ていたい!
笑って慄く劇薬のようなエンターテインメントだった。
タイトルに『首』とつけるだけあって、首の切断面から蟹が這い出すシーンから始まり、終始日本刀で首を落とす場面>>続きを読む
うだつの上がらない中年オヤジ2人が、酒とタバコをバカスカやりながら今は亡き元恋人との思い出を振り返る、なかなかどうしようもないストーリーなのだが、何故だか嫌いになれない。
いやむしろめちゃくちゃ面白か>>続きを読む
まさか『アイリッシュマン』に引き続いてまだスコセッシ監督の新作が観られるとは。しかもロバート・デ・ニーロを主演に抱えて。
御歳80歳を超えるスコセッシの作る画面や演出は、2023年の現代においても最>>続きを読む
またまた順番ぐちゃぐちゃに観ている『コワすぎ!』シリーズ。
今回は、花子さんの登場や首を吊るビジョンなど、ビックリかつジワジワ不気味なシーンが多くて良かった。
そこにタイムリープや友情物語も加わり>>続きを読む
デヴィッド・フィンチャー監督待望の新作は、寒々しい色彩と痛烈に美しい構図の中で、ポーカーフェイスのマイケル・ファスベンダーが四苦八苦する奇妙な作品だった。
本作に登場するセリフの半分は、マイケル・フ>>続きを読む
優生思想を基に起きてしまった戦後日本における最悪の殺人事件と、誰しも直面しうる人を、ものを生み出すことの苦しみを連続的に捉えた作品。
主人公が置かれた環境や、事件が起きる前の職員同士でのやり取りにフ>>続きを読む
チャプターの出し方や、とあるキャラクターたちの爽快な描き方からして、タランティーノ作品へのオマージュを感じた。
本作は全体としてゴア表現にてらいがなく、主人公の元特殊部隊員コルピは退却中でヤケになっ>>続きを読む
映像と音楽は間違いなく雄大で神秘的なのだが、扱うテーマがどう考えても『ブレードランナー』と変わりなく、既視感を覚えざるを得なかった。
そもそもAI暴走系のストーリーには没入できないことが多い。
『2>>続きを読む
『ALWAYS 三丁目の夕日』と『ジョーズ』を掛け合わせたような作品で、ライトに楽しめる作品だった。「熱線出たー!」「蔵之介いけー!」と応援上映をしたくなる。
渾身のVFXは迫力満点で素晴らしく、伊>>続きを読む
ホロコーストで犠牲になった600万人のユダヤ人のうち、3分の1が銃殺で亡くなったこと、それを実行した部隊には一般人も含まれていたこと、さらに一般人には銃殺を実行せずとも身体的な罰は与えられなかったこと>>続きを読む
本作を観た回に妊婦の方がいたが、お腹の子に障らないか非常に不安である。
私たちが不動のものと信じている家が色を変え、隆起し、人や豚の姿に変貌していくことが、どれだけ精神衛生を脅かすかを痛感した。「不>>続きを読む
ロアルド・ダール原作の物語をウェス・アンダーソンがNetflixで短編映画化した作品。
『ファンタスティックMr. fox』を筆頭に、ロアルド・ダール作品とウェス・アンダーソンは本当に作品性が合う。>>続きを読む
チェコ語は本当に難しそう。
聞き馴染みのある言葉がひとつも無い。
チェコにとっては外来語であるはずの「アリス」すら「アリス」に聞こえなくて困った。
何度も繰り返される「ウサギ」が「クラーリク」みたいな>>続きを読む
『コワすぎ!』シリーズは気になったタイトルから適当な順番で観てしまっているのでお作法がよく分からないが、工藤ディレクターはこんなにオラオラ炸裂なのか。
河童編ではそこまで気にならなかったが、本作では横>>続きを読む
河童をテーマにしたホラーモキュメンタリーなんて成り立つのか?と気になって観たが、色んな意味で面白かった。
まず河童を、見えそうで見えない配置とハイスピードの移動によって気味の悪い存在に仕立てあげてい>>続きを読む
黛敏郎の音楽が何より本作の精神性を表現しているようだった。
勇ましく底抜けに明るいが、明らかにアメリカ国家や軍歌を彷彿とさせ、米軍基地のある横須賀を象徴するようである。
以前横須賀に旅行した時に通っ>>続きを読む
最近HIPHOPを本格的に聴き始めたのでついに鑑賞。
エミネムより、彼の母親の恋人役で出演しているマイケル・シャノンの方が年下と知って驚愕したが、この映画が公開された20年前で既にエミネムの地位が確>>続きを読む
何故かこれだけMarkしてなかった。
アンディ・ガルシアにうっとり。
アメリカ映画の歴史に常に高い評価をもって輝く映画、という印象だったが、これほどまでに多層的な物語が描かれているとは。
あらすじだけ読んで法廷ドラマが中心かと思いきや、語り手は弁護士アティカスの娘であ>>続きを読む
かなりポカーンとしてしまったが、それは地球環境の人工化が、まだあまり自分事として捉えきれていないからかもしれない。
作品としては15年後くらいに再評価されそうだ。
ジャンルとしては「ボディー・ホラー>>続きを読む
関東大震災に際して発生した朝鮮人への虐殺と、福田村事件について、議論すべき点がかなり網羅的に提示された映画だったと思う。
全体的には説明的な台詞が多かったが、福田村事件は「日本人が間違って殺された」>>続きを読む
前作から1年半で新作が公開されるとは!とても嬉しい。
本作はカラッとした黄色い大地にパステルブルーの空が映える、砂漠の町での物語だ。
ビル・マーレイがトム・ハンクスに変わっただけで、キャスト陣はほ>>続きを読む
降りたくても降りられないジェットコースターに2時間縛りつけられているような気持ちになる映画だった。
それなりに覚悟はしていたものの、体調にかなり響いた。
それでも滑り込みで鑑賞できてよかった。
本作>>続きを読む
工夫の凝らされた、非常に面白いオカルト・ホラー映画だった。
多くのモキュメンタリー・ホラーでは、撮影隊が怪異に「遭遇」してしまう体が取られ、それにより無理のある画角や「撮影隊はなぜ無事なのか」「この>>続きを読む
本作はホラーではなく、ほとんどスリラーサスペンスと言っていい。
前作『リング』で貞子がビデオテープをもって拡げた呪いは、解剖の結果腫瘍となって顕現していることが分かる。
(とはいえ『リング』の続編で>>続きを読む
久々に、純粋な気持ちでウットリできるラブコメ映画だった。
同時に、シスヘテロのストレート男女が主人公のおバカに楽しめるラブコメは、もう新たに生まれえないのではないかとも思ってしまう。
英国王室以外で>>続きを読む
まず、本作の製作にマテル社本体が参加し、自社製品の歴史と社会に与えてきた影響について主体的かつ自己批判的な形で分析している姿勢が素晴らしい。
調べたらマテル社のCEOが本当に男性で笑ってしまったが、だ>>続きを読む
『ヴァチカンのエクソシスト』から、今度はアンソニー・ホプキンス演じるエクソシストを観る。
全体的に寒々しくくっきりしたコントラストで画面が彩られ、冒頭から死が漂う。
観客を激しい怪奇現象で驚かすとい>>続きを読む
超絶アクション×おバカ設定の映画。M:Iシリーズってこんなにアホだったっけ…?🤣
2023年になってもカセットテープや変装マスクのお家芸を続けていたり、AIの侵略を恐れてデータをワープロで手打ちして>>続きを読む
スクーターに乗って現場に向かうラッセル・クロウがかわいい。
日本のスクーターお坊さんみたい。
本作は、ラッセル・クロウの強靭さと茶目っ気を組み合わせた演技、そして言語能力の高さによって支えられている>>続きを読む
自己顕示欲の強い田舎娘がガスガス人を殺していく、という内容以上のものを本作から感じられなかった。
前作『X』を観ていない方が画面の新鮮味を楽しめたのかもしれない。
あるいは前作と本作の意図を十分に汲>>続きを読む