ヤマナカさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

パリ20区、僕たちのクラス(2008年製作の映画)

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スカムを観てからフランスの学校教育に興味を持ったので観た。
何ら根本的な解決にいたらない終わり方をしたが、これからもこのクラスは様々な不和を孕みながら続いていくわけだからそれも当然のことなのかもしれな
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ムーンライト(2016年製作の映画)

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ジャネール・モネイが出てるのをクレジットで知る。(最初リアーナかと思った)

砂浜のシーンで石川啄木の「頬伝う涙拭いて一握の砂を示しし人を忘れず」を思い出すなど。

アラジン(2019年製作の映画)

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全体的に楽しくてかわいい、そして踊りも歌もよい。ただアラビアなのかインドなのかよくわからない衣装やらデザイン設定にぞんざいな西洋視点のオリエンタリズムを感じてしまう、、、

モーリス(1987年製作の映画)

4.5

ヒュー・グラントの身のこなしが洗練されていて、最後なんて口ひげがプルーストのようだった。

映画的シーンとして、草原で寝転ぶふたり、ギリシア語の翻訳クラス、クリケットの試合、またラストの窓から外を見る
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バーダー・マインホフ 理想の果てに(2008年製作の映画)

4.5

映画の中で印象的に映し出されるマインホフのある種の苛立ちが、どこかでカルト的テロリスト集団になってしまった彼らの「行動」が資本制社会や強権的国家がふるう暴力のやり方となんら変わらないのだということを彼>>続きを読む

ハワーズ・エンド(1992年製作の映画)

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ブルームズベリーグループのフォースターだけあって、シュレーゲル姉妹がやはりヴァージニア・ウルフらと重なる。
ウルフはもちろん、フォースターやイヴリン・ウォーなんかの小説をゆっくり読みたい、そしてイギリ
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ジャイアンツ(1956年製作の映画)

4.3

エリザベス・テイラー、ロック・ハドソン、ジェームズ・ディーンというスター中のスターが揃い踏み。

いかにも共和党支持というテキサスの保守的な大地主(ハドソン)に嫁いだ東部出身の女性(テイラー)はかくも
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スタア誕生(1954年製作の映画)

4.5

あの素晴らしい映画を観たときに湧いてくる、陶然として自然と笑みがもれてくるような幸福を感じながら、ジュディ・ガーランドの歌声を反芻している。なぜか江利チエミの歌だと思っていた「スワニー」の小気味よいス>>続きを読む

オルフェ(1950年製作の映画)

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やっぱり恋人だからなのか、ジャン・マレーの美しさが際立っている。ドワノーの有名な写真で知ったジュリエット・グレコを発見。

コクトーにとっても詩作は差出人不明のラジオ放送からやってくるものを拾うような
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パッション(2004年製作の映画)

4.3

ヨーロッパ=キリスト世界2000年の芸術的想像力の源泉を撮りたいというのは、映画人の欲望としてよくわかるし、なかなか優れた作品になっていると思う。手をすすぐ水、白い布、土の肌ざわりがうつくしい。

D
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読書する女(1988年製作の映画)

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モーパッサンで気絶してしまう少年、マルクスとレーニンが好きなブルジョワのおばあさん、デュラスよりセックスがしたいおじさん、みんな魅力的だが、全体としてなんだか物足りない。読むあいだの尺が短いから?

恋愛日記(1977年製作の映画)

4.0

ロクでもない内容で、タイピストの女が言うように「不快」と言ってよいかもしれないが、電話とタイピングによって物語が心地よく進むやり方が愉しい。

窓からデルフィーヌが本を投げ捨て、それをベルトランが取り
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危険なメソッド(2011年製作の映画)

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キーラ・ナイトレイの文芸もの(プライドと偏見、アンナ・カレーニナ)の中でも一番すごい。発作、白い布、ワンピース

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

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ミャンマーのことを考えようとしていつもつっかかりを感じるのは、光州事件と何も変わっていないと思ってしまうからなのだが、この映画は40年という歳月から何とか記憶を引き出そうとするときに、かなりの英雄的脚>>続きを読む

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.0

向かいのアパルトマンにSSが突撃し、Steh auf立て!と命じるが、当然ながら立つことができない車椅子の男をバルコンから突き落とすシーンが最も効果的な映画的シーンだった。ワルシャワ蜂起を窓から見るシ>>続きを読む

ノルウェイの森(2010年製作の映画)

4.3

キズキ役の高良健吾がすぐに死んじゃうけど、最高にきらきらしている。もっと見せてくれよ〜、あと早稲田のキャンパスが結構しっかり映る。

トラン・アン・ユンの映画は画面を植物で埋めようと欲望しているが、そ
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ストーンウォール(2015年製作の映画)

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この映画に対するコメントで、主人公が白人の男に設定されていることへの違和感が表明されていることに同意する一方で、なぜか(現代の?)日本の状況と比較して「暴力はよくない」などと言ってしまうことが非常に暴>>続きを読む

ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

4.3

「ブロークバック・マウンテン」へのオマージュがうかがえるんたけど、こちらのほうが映画の作り方が丁寧で美しいので、ブローク〜の映画的拙さを炙り出してしまうという切れ味の鋭い批評的映画。

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

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くっついては別れ、映画の進行を遅らせる俳優やスタッフたちに関して言われた「恋は映画の敵」という言葉をトリュフォーが良いタイトルだと褒めるところ、彼のユーモアと知性が現れていてすごく良かった。

シングルマン(2009年製作の映画)

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あらゆる物が亡くなった恋人のことを思い出させるということの悦びと絶望

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

5.0

本当に素晴らしい映画。
ジムもジュールもカトリーヌもみんな大好きだ。
特に山荘のシーンはすべてが愛らしく、遠景のなかの恋人たちのようすに魅了される。
自転車のシーン、3人で走って鉄橋を渡るシーン、セー
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シャネル&ストラヴィンスキー(2009年製作の映画)

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冒頭ハルサイの初演シーンにかなり力が入っていて、ニジンスキーの若さが迸っていた。やはりシャネルのオートクチュールは素敵だ。

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

4.5

唐十郎みたいな赤テントのサーカスが好き。河童やズーウーもかなりツボ。ジュード・ロウとエディ・レッドメインがかっこいい。

あとグリンデルヴァルトのVisionに原爆のキノコ雲が出てきたところがかなり驚
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黒猫・白猫(1998年製作の映画)

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やはり脳のふだん使わない部分を刺激される映画だった、痛快!

花様年華(2000年製作の映画)

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二人の妻・夫の姿が見えないことやカットの切り替わりの多さ、屋台へ向かう階段でのすれ違い、部屋で向かい合う男女が小説の話しかしないこと、すべてがじれったい、

トニー・レオンがカンボジアの寺院の柱の窪み
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夜と霧(1955年製作の映画)

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ドイツ語だとNacht und Nebelというねぶるような頭韻が印象的な音を生み出すタイトルである「夜と霧」の翻訳不可能性について。そしてヒムラーの「生産的に処分しろ」という撞着語法について。

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.5

観たあとで、自分はこれまでどう生きてきたか、そしてこれから自分がどう生きていくかというこを考えなくてはならない映画というものがいくらか存在していて、そういった映画のうちの一つに数え入れるべき映画である>>続きを読む

リトル・ブッダ(1993年製作の映画)

4.3

僧衣の紅がその質感もふくめて、映画の通奏低音となるような、下地をつくっていて、そこに種々の布やヴェールが折り重なって第二のスクリーンを生み出すという、きわめてベルトルッチ的な画面。

物語内物語として
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青い棘(2004年製作の映画)

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これベルトルッチが撮ったらもっと良かったのにな〜なんて思わずにいられない。アウグスト・ディールの朝タバコが良すぎて。ドイツ語が心地よい。

月曜日のユカ(1964年製作の映画)

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アンナ・カリーナとかに負けてない、加賀まりこ。黛敏郎の音楽もかわいい。サイレントのお相撲さん。

メアリーの総て(2017年製作の映画)

4.0

ふだんなんとなしに読んでいる男の詩人たちが抑圧していたものや、彼らの持っていたであろう暴力性が、パーシー・シェリーやバイロン卿の姿をとって現れているところにぞっとせざるを得ない。
『フランケンシュタイ
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