ヤマナカさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.5

ドミニク・サンダの喫煙シーンが永遠に続いてほしいと思う。
ベルトルッチの布に対するオブセッションがひらひらと画面を往復してゆく、、、

楊貴妃(1955年製作の映画)

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溝口のカラー作品、なかなかの違和感。
長安の祭りの雑踏なんてルノワールの映画みたいだった。奉公人の出で立ちから始まり、宮廷を去ったあと、再び帰ってきた料理屋の台所で冒頭の装いと打って変わってクリーム色
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

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石ころひとつで一生遊べる

と語った画家の熊谷守一。
山崎努と加瀬亮が写真を撮り合うシーンがよい。

或る夜の出来事(1934年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

古き良きハリウッドの知恵と粋が結晶した名作の中の名作、冒頭で海に飛び込むエリーに不意をつかれ、バスでの軽快なやりとりにわくわくし、「ジェリコの壁」が主役の二人に絶妙な距離を用意する。ピーターがエリーを>>続きを読む

エタニティ 永遠の花たちへ(2016年製作の映画)

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植物、恋愛、生殖が重要な連関をなしている。フェミニズム的には産む女の描き方がしんどいところだが、、、

ショパン、ラヴェル、ドビュッシーがめくるめく流れ、植物と白いブラウス、栗色の髪、映画的な肌の感触
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アポロンの地獄(1967年製作の映画)

4.0

新年映画初め。
パゾリーニのオイディプス王ということで期待しすぎたところがあるが、スフィンクスを倒したあとの人々の群れの移動、そしてそのまま王位につく流れがにぎやかかつ充実した映像。
ギリシアというか
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ホリデイ(2006年製作の映画)

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たぶんthe holy dayとかかっているからクリスマスの話なんだろう。

キャメロン・ディアスが陽キャすぎてついていけるか心配だったけど、相手がジュード・ロウで良かった。ケイト・ウィンスレット演じ
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大統領の料理人(2012年製作の映画)

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物語的因果に注意が払われない代わりに、料理にすべてが賭けられていてよい。
子牛の骨付き肉のロースト、牛ロースのパイ、ブイヨンの沸く鍋、オーブンの中のフルーツタルト、フォアグラ、「おばあちゃん風」のクリ
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

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戦争映画好きじゃないけどぐんぐん引き込まれた感じ。
エクーストの街で照明弾に照らされるシーンがチャレンジングだったな、ギリシア的なセットというか。

志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

4.0

吃音で話せない女の子と音痴で歌えない女の子の出会い。
「あの素晴らしい愛をもう一度」は良い選曲。
海辺の街の爽やかさが素敵で、画面のつくり方も丁寧で好感がもてる。吃音当事者の描き方もすごく自然だと思う
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私は、マリア・カラス(2017年製作の映画)

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彼女の「ノルマ」しか聞きたくない!「椿姫」も彼女のものだ!

数々のインタビューがけっこうおもしろい。パゾリーニとかなり親しい友人だったんだね。

説きふせられて(2007年製作の映画)

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あのオースティンの退屈で甘美な小説を読みたく思った。
最後のアンの走りっぷり!!!

チャタレイ夫人の恋人(2015年製作の映画)

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ふだんコミュニスト名乗ってるけど、割合イギリスやフランスのブルジョワ文化が好きなので、楽しかった。
炭鉱で夫を亡くしたボルトン夫人とチャタレイ夫人が心を通わすシーンが印象的。
ジェームズ・ノートンとリ
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1900年(1976年製作の映画)

5.0

5時間超えの破格の映画、DVD2枚組を散歩の途中で見るだけ〜と思って立ち寄ったツタヤで借りてきてしまったのがはじまり、ベルトルッチの『1900年』だ!とよく見ずに借りてしまった、ベルトルッチの映画だっ>>続きを読む

祇園の姉妹(1936年製作の映画)

4.5

あらゆる小路と建物の影、そこから光に照らされて出てくる人物の姿が惚れ惚れするような美しさをたたえている。

京都弁のせりふまわしのおもしろさも楽しい。「どうしたんや姉さん、目ぇからそない不景気なもん出
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

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別に「サイコ」ではないと思うので、宣伝コピーが不可解、感情の描写をなるべく廃した画面の集合を「サイコ」と呼べるのか。
人間関係にしても、この共依存関係を「サイコ」と呼べるのか。
ドランの髪型がいいな。
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希望のかなた(2017年製作の映画)

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難民センターの夜、ベランダでタバコ吸う三人の並びとか、レストランのデザインとか、良い。
スキンヘッドのネオナチってステレオタイプなのか。

スーパーの女(1996年製作の映画)

4.5

伊集院光が刺身をおろし、小堺一機が広報を間違え、三宅裕司が白菜を売るってだけでおもしろいが、惣菜部のあき竹城、レジ打ちの松本明子、鮮魚部の原日出子らと副店長宮本信子が連帯して職人の男たちを動かしていく>>続きを読む

バトル・オブ・ライジング コールハースの戦い(2013年製作の映画)

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やっぱりクライストの小説をドイツ語で読むときの愉しさは消し飛んでいたけども、映像描写が丁寧だし、役者の演技もよかった。フランスに舞台を移して「ミシェル」になってたコールハースをマッツ・ミケルセンが演じ>>続きを読む

食べる女(2018年製作の映画)

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キョンキョンが観たくて観た。食欲と性欲が結びつくってのはよくあるけど、セックスのときに料理の話を延々とつぶやくユースケサンタマリアとそれを快楽に変える沢尻エリカが笑える。
全力ダッシュしてとびつく広瀬
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愛する時と死する時(1958年製作の映画)

4.5

最初の防空壕で居並ぶ人々を順にカメラが追っていくという運びが良かった。

とっても映画的なふたりのロマンスが、たとえばシャンパンを飲み干してグラスを割るシーンやライラックの匂いに照れるジョン・ギャヴィ
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しとやかな獣(1962年製作の映画)

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好きな映画ではないし、悪趣味だと思うけど、若尾さんと山岡さんが素晴らしい演技をしている。船越英二の顔色の悪さも印象的だし、ミヤコ蝶々の喋りが異常に浮いている。
この時代の映画のジュースが非常に不味そう
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人情紙風船(1937年製作の映画)

4.3

ちゃきちゃきの江戸っ子の宴会の楽しさ!やっぱりオヤブンとシンゾウのやりとりが一番キマってたな。

源氏物語(1951年製作の映画)

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脚本が原作と違うところもそうだけど、何より京マチが凄いので、「須磨」が面白いのが新鮮。

参内する源氏を御簾ごしに女たちがながめるシーンのカメラ📹が良い。

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

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映画的に惹かれる画面というのはそんなに無かったが、最後に形見の服を抱き締めてたシーンがしんどかった。

パディントン(2014年製作の映画)

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びっくりするくらいつまんないけどパディントンらぶ。

田園に死す(1974年製作の映画)

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高校生のときにわりあい熱心に読んだ寺山修司の歌集『田園に死す』の本人による映画化とあって、期待しすぎたところがある。

基本的にはエロ・グロ・ナンセンスの猥雑、俗悪な画面が続き、辟易としてしまうが、黒
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

エッチすぎてびっくりしたけど、なかなかよくできた映画だったので良かった。

たくさん食べ物が出てくるわりに、ラ・フランス以外美味しくなさそうというのがすごい。

最後、ロラン・バルトの書いていたこと(
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フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

4.5

でっぷりと肥ってもカッコいいジャン・ギャバンがいけ好かないジジイを演じているが、ジャン・ギャバンなので問題ない。

下町の様々な人間が通りで活動している様子やカフェの一幕、キャバレーの客などの市井の人
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黄金の馬車(1953年製作の映画)

4.3

カミーラの笑い方が好きだし、貴族のあしらいかた(「舞台の作法をお教えしましょう」)が粋だった。
すべて舞台の幕の内で起こったことなのに、最後は舞台から閉め出されてしまうのがぽつりと悲しい。
ルノワール
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犬神家の一族(1976年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

相変わらず、途中訳のわからないつまらない映像が流れる市川節はともかくとして、高峰三枝子、草笛光子らの芝居を楽しめたし、サスペンスとしておもしろかった。

スケキヨってスケキヨじゃないんだという知見も得
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パターソン(2016年製作の映画)

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エミリー・ディキンソンを最近よんでるので、おっ、と思ったり。
詩のノートも昔書いてたけど、またやろうかな〜とか。

あと、双子の謎が残った。