Junさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

合衆国壊滅 M10.5(2004年製作の映画)

3.4

B級C級ディザスタームービー群に並んでいればスルーしてしまいそうなタイトルではあるが、これは中々に出来が良く拾いもの。TVムービーライクに無遠慮にエピソードを刻んで見せていくスタイルが功を奏しており、>>続きを読む

H・P・ラヴクラフト 潜み棲む恐怖/ヘモグロビン/ブレーダーズ クライチカ(1997年製作の映画)

3.6

モンスター映画のように思わせて、その実ゴシックホラーな吸血鬼映画のようなテイストの作品。

奇病に冒されたジョンの出生の謎に迫る展開や彼を支えるキャスリーンとの悲恋は味わい深いが、映像作品としては致命
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ホワイトハウスの陰謀(1997年製作の映画)

3.8

ホワイトハウス内部で起きた殺人事件の真相を探るサスペンス・アクション。原題の1600はホワイトハウスの所在地を指し示すもの。

謎を解き明かしていく過程に真新しさはないが、ホワイトハウス内で起きた事件
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ゆりかごを揺らす手(1991年製作の映画)

3.9

ある1人を迎え入れたことから家庭が崩壊してゆく様に恐怖を覚えるサイコ・スリラー。最近個人的に観たものだと『エスター』(1作目)もこの類に数えられるが、こちらはどんでん返しがあるでもなく、秘密を共有した>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.8

個人的にはあまり馴染みのない題材であったが、実話に基づいたエピソードはとても興味深く楽しめた。観る前は、誰もが知る結果へ至る過程にカタルシスが得難いのではないかと考えていたが、交渉や駆け引きのスリル、>>続きを読む

特捜部Q 知りすぎたマルコ(2021年製作の映画)

3.9

キャスト・スタッフを一新して製作されたシリーズ第5作。或いはリブート版第1作と呼ぶべきだろうか。フラットな気持ちで評価したいところではあるが、やはりこれまで積み重ねてきたものが失われてしまった感が強く>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.0

1作目で真相が明かされているのでどう前日譚を描くのかと興味深く眺めていたら、中盤で意外な切り返しを見せぐっと引き込まれた。なるほど、そう来たか。前作同様、歪な愛の物語と捉えると途端にサイコパスなヒロイ>>続きを読む

ある用務員(2020年製作の映画)

3.8

あらすじの割に随分と遠回しな展開をするなとややストレスの掛かる前半を過ぎると、後半は学校内を舞台に激しく立ち回るアクションシーンが全開でとても楽しい。殺し屋全員集合からのバトルロイヤルが最高にアツい…>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.2

口コミで話題が広がるのも納得な楽しい楽しい殺し屋稼業ニートフルアクション・ムービー。

主人公二人のだらりとした同棲生活の緩さとキレのあるアクションの振り幅が物凄い。クスッと思わず笑ってしまう日常描写
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ハイ・クライムズ(2002年製作の映画)

3.6

軍事法廷を舞台としたサスペンス。容疑をかけられた夫を救うべく立ち向かう女性主人公が一般の弁護士であり、軍法に詳しい海兵隊出身の男を相棒に奮闘する姿がスリリングに描かれている。演じるアシュレイ・ジャッド>>続きを読む

ホースメン(2009年製作の映画)

3.6

ヨハネの黙示録の四騎士になぞらえた連続猟期殺人事件を描いたサイコスリラー。事件の真相が明かされ解決しても尚、根本的には何も進展していない世情を思うと悲痛な気持ちを抱かされる。90分というタイトな尺でま>>続きを読む

恐怖人形(2019年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

存在感マシマシの日本人形に襲われるホラー。と言えば聞こえはいいかもしれないが、特に怖くはない…笑

人間の所作が感じられると冷静に眺めてしまうなと考えていると、明かされた真相を見てなるほどなと。ただ理
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

優雅にクラシック音楽が流れるドライブシーンで突如デスメタルに転じる冒頭が提示しているように、前触れ無く日常に暴力が挟まれる様子が平然と描き出されている。平穏な一家が巻き込まれる不条理な支配に救いは一切>>続きを読む

おかしなおかしな大追跡(1972年製作の映画)

4.0

名匠ピーター・ボグダノヴィッチが遺したスクリューボール・コメディの傑作。

サンフランシスコのホテルを舞台に4つの同じチェック柄の鞄が集まってしまったことから巻き起こる珍騒動。馬鹿馬鹿しくもテンポの良
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

劇的なドラマが待ち受けているでもなく、けれど人間味に溢れた物語は観ていて堪らなく愛おしく感じられる。擬似親子を演じる実の親子だなんてウィットに富んだ演出であり、可能性が捨て切れない点も心憎い。紙の月の>>続きを読む

エスター(2009年製作の映画)

4.1

エスターが招かれてからの日常風景が徐々に歪んでいく様に身の毛がよだつ。湖の氷上を捉えた映像をはじめ、緊張感を刺激するカットが随所に挟まれた演出が実に巧い。ジャンプスケアに頼らない恐怖の煽り方は、この作>>続きを読む

キャビン(2011年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

「死霊のはらわた」のようなオーソドックスなホラーと思わせて実は…な二重構造を持つ世界観。新鮮な発想は楽しませてくれるが、危機的状況下にあっても管制室の人間たちがお気楽に騒いでいるのには失笑を漏らせばい>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

映画化の報せを目にしたときは多岐に渡る物語にどう対応するのかと危惧したが、それは杞憂に終わった。東京編を中心に、2時間の尺を使いとても上手くまとめられている。脚本を担当しているのが原作に携わっているN>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.8

「海底47m」(2017年)の高所版とでも呼ぶべきアトラクションめいたシチュエーションスリラー。海底が暗く淀んだ閉塞感に満ちていたのに対して、こちらは圧倒的に開けた絶望漂う尖塔。似た題材ながらまったく>>続きを読む

崖っぷちの男(2011年製作の映画)

3.7

ワンシチュエーションから物語が広がる系スリラーの中でも大胆な展開が魅力的な作品。並べ立てた登場人物たちに余すことなく役割を付与し、まとめ上げた脚本が良い。その分、そんな無茶な…といったご都合主義感もな>>続きを読む

ザ・スタンド 連続殺人犯の元カレと妄想症に悩む私(2018年製作の映画)

3.9

凄惨な事件を経て生き延びた後からヒロインの物語が始まる異色スリラー。ネタに走ってしまったジャケットデザインと邦題には頭を抱えたくなるが、間違いなく良作である。幻覚と現実の判別に惑う前半から徐々に姿の浮>>続きを読む

AVP2 エイリアンズVS. プレデター(2007年製作の映画)

3.4

前作のラストカットから地続きで物語が展開されているにもかかわらず、がらりと作風の変わったシリーズ2作目。日常に紛れ込んだ驚異が次第に顔を覗かせて…なアウトラインはパニック映画のセオリーに即しており、否>>続きを読む

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

4.2

オーソドックスな追跡劇に山火事を絡めたプロットが素晴らしく、王道でありながら変化に富んだシチュエーションと攻防が堪能できる。俯瞰して捉えるとまるで90年代娯楽映画のような大味なテイストだが、随所に光る>>続きを読む

エイリアンVS. プレデター(2004年製作の映画)

3.6

エイリアンとプレデターという二大キャラクターの対決を描いたVSシリーズ1作目。両キャラクターの個性を存分に生かした描写や盛り込まれたオマージュが楽しく、シリーズファンならば観て損は無いだろう。監督自身>>続きを読む

ニューオーリンズ・トライアル(2003年製作の映画)

4.0

陪審員を巡る法廷の裏側を描いたサスペンス。情報戦、心理戦の応酬、果ては不法侵入に端を発するチェイスシーン等、まるでスパイ映画を観ているような楽しさがある。それでいて根幹は裁判の主題となる銃乱射事件に絡>>続きを読む

L.A.ギャングストーリー(2012年製作の映画)

3.8

毒をもって毒を制すを地で行く嘘のような実なストーリー。筋運びが軽快なので内容の重々しさと描写に反して観やすく、この手で定番の仲間集めとその個性的なメンバーが楽しい。早撃ち名人の老いたカウボーイをロバー>>続きを読む

コンジアム(2018年製作の映画)

3.1

シチュエーションに特化したホラー作品。POV形式で繰り広げられる恐怖体験は、お化け屋敷に入ったかのような臨場感が有り楽しく、複数のカメラで視点を切り替えるのも創意工夫が見て取れる。が、仰々しく設定を語>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

極力音楽すら廃した画は全編に渡って緊張感に満ち溢れており、ただならぬ不安の渦に身を置いたかのような心持ちになる。幸せと呼ぶにはあまりにアイロニカルな光景に胸が押し潰される思いだ。ラストはそう来たか…と>>続きを読む

ノットジラ(2020年製作の映画)

2.0

事前の評判から少し期待値を上げすぎたか…。この馬鹿げたノリに付き合うには78分ですら長く感じてしまった。
何とも言い得ぬ愛嬌を感じるノットジラの造形(隠す気のないチャックよ笑)、ミニチュアや俳句を駆使
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Z Bull ゼット・ブル(2018年製作の映画)

3.5

いっそ清々しいバカ映画だがB級映画としての醍醐味が詰まっていて良い。キャラクターの個性も有り、兵器会社の設定を活かして後半に様々な武器や謎のロボットを惜しげなく登場させるのも楽しい。ただ笑いはブラック>>続きを読む

ゾディアック(2006年製作の映画)

4.1

長尺が気にならないほど事件の展開、登場人物たちのドラマに夢中になってしまった。現実の真相は今もまだ闇の中だが、事実は小説より奇なりとはまさに言い得て妙であり、真実と思しき物語に手が届いたとき背筋が寒く>>続きを読む

Mako 死の沈没船(2021年製作の映画)

2.1

珍しいエジプト産サメ映画。本国3週連続興行収入1位!…という謳い文句に惹かれて期待をすると痛い目に遭う。というか私が痛い目を見た。
ストーリーの骨子やキャラクター設定は見て取れるが、そのどれもが機能し
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オーディション(2000年製作の映画)

3.7

ラブストーリーのような温い前半部を超えると急転直下、訪れるのは狂気を身に纏ったヒロインに恐怖する時間だ。グロテスクな面ばかり言及されがちだが、山﨑麻美という女性の内面を思えば悲哀に満ちた愛情とも取れな>>続きを読む

スナイパー(2002年製作の映画)

3.6

邦題の悪影響で過小評価されているといった印象。主役の名前を見てアクションシーンが売りの映画と勘違いされても仕方がないか…。
実際にはワンシチュエーションの刻一刻と変化する状況を楽しむスリラー映画であり
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DEAD OR ALIVE 2 逃亡者(2000年製作の映画)

3.9

血生臭い荒稼ぎとは裏腹にイノセントな心を宿した堕天使が二人。ノスタルジックに描かれた孤児院のパートと殺し屋稼業のコントラストが叙情性溢れるドラマに昇華されており、二人の生き様が胸を打つ。きつねうどんを>>続きを読む

デッド・オア・アライブ/監獄の街(1998年製作の映画)

2.2

ショッピングモールを舞台に繰り広げられる脱獄犯たちと主人公の闘い。まぁいつものダイ・ハードな亜流作品です。マッチョでムキムキなミッキー・ロークと好き放題に暴れまわる俺たちのダニー・トレホが拝めるので私>>続きを読む