Junさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

DEAD OR ALIVE 犯罪者(1999年製作の映画)

3.7

オチを知ってしまうと色々とどうでもよくなってしまうのだけれど、それでもなんとかギリギリのラインで許容してしまえるのは随所に光る演出が見て取れるからだろうか。冒頭のけたたましくも性急なカット割りが見せつ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

映像クオリティの高さは申し分なく、青春時代に原作を読んで熱狂したファンの方であれば迷わずに足を運ぶべき作品だと思う。作者である井上雄彦氏がファンに届けるサービスとしては極上の仕上がりだと言える。しかし>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

4.2

実在の事件をモデルに物語が構築されていることもあり、人間ドラマと並行してドキュメント番組を追っているような楽しさがある。実際の未解決事件は一体全体どのような真相なのやら…。
仮初めの決着へ至る経緯はや
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.7

これまで自分の観てきた新海誠監督作品のイメージと言えば、主要キャラクターたちを取り巻く環境が個々人の手を離れて肥大化していき、解決となる落とし所のみキャラクターの目線、或いは日常のワンシーンに帰結する>>続きを読む

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

国際テロ組織「アルカイダ」を率いるウサマ・ビンラディンの殺害に至る経緯から結末までを描いたサスペンス。
私の知る関連事実と言えば各メディアが報じる断片的な記事の集まりでしかなかったが、作品に触れたこと
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湿地(2006年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

タイトルから連想されるように陰湿で華美とはかけ離れた内容の北欧ミステリー。
原作小説が「このミステリーがすごい!」に選出されているだけのことはあり、濃密で奥深いストーリーが堪能できた。ただ時系列の飛び
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.5

広角に捉えた雪原の美しさとは裏腹に、白人社会とネイティブ・アメリカン社会が抱える闇を内省的に描き出している。画面から漂う緊張感にやがて身も凍る真実が浮かび上がる様が実に切なく、スリラー映画としても丁寧>>続きを読む

エンド・オブ・ステイツ(2019年製作の映画)

3.3

ダイハードな主人公が活躍する部類としては、手堅い演出と迫力のあるアクションが楽しめる好シリーズ。と思っていたのだが、3作目にして失速した感が否めない。主人公が犯人とされる定番パターンはいいにしても、嵌>>続きを読む

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)

3.7

アフガニスタン紛争の中で実際に行われたレッド・ウィング作戦を基に描かれた作品。

タリバン兵に囲まれてからの壮絶な戦闘描写は、過酷だったと語られる史実も頷ける熱量の高さを見せつけてくる。画面越しに伝わ
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ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

3.8

潜水艦を題材としながらもネイビーシールズの活躍も並行して描く等、エンタメ要素をふんだんに盛り込んだアクションスリラー。潜水艦映画としてはこの点をどう捉えるかで評価は分かれるところ。地上の画が差し挟まる>>続きを読む

テリファー(2016年製作の映画)

2.9

シリーズ新作の話題をやたらと耳にするこちらの作品。噂の物言わぬピエロは不気味だがペニーワイズを凌ぐほどではない。スラッシャー映画としては清々しいまでに内容がスカスカだが、70〜80年代風スプラッター映>>続きを読む

劇場版マクロスF〜サヨナラノツバサ〜(2011年製作の映画)

4.5

詰まるところシーソーゲームでしかない政治的な局面はややご都合主義な感は否めないが、尺を思えば致し方ない。それよりもTV版とは異なる腑に落ちる落とし所にトライアングラーを着地させた点を評価したいし、物語>>続きを読む

劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜(2009年製作の映画)

4.4

大胆な設定改変の幾つかには驚きもしたが、私はこの作品に関してはTV版よりも映画を評価している。尺の制限からキャラクターの心理描写など削がれた面は大きいが、時間の経過をさらりと描きながらも、シリーズの根>>続きを読む

SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁(2016年製作の映画)

4.5

原作準拠の時代設定に置き換えた番外編かと思っていたらきちんとシーズン3の4話目だった。ドラマシリーズで描かれたものと原作の要素をリミックスしたような内容はハイセンスであり、見応え十分。2人の掛け合いが>>続きを読む

シャーキュラ 吸血鮫(2022年製作の映画)

1.2

面白くない映画と批判される映画はまだ映画の体裁を保っている。これはどうか? ホームビデオ×学芸会だ。ポロニア監督作品を観ると映画らしい映画の素晴らしさに改めて気付かされる。ありがとう現代のエド・ウッド>>続きを読む

ウォーリー(2008年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ゴミ処理ロボットのロマンチックで壮大な冒険譚。だけれどシニカルな風刺に満ちた寓話。
ほとんど無声映画のような前半、片言の言葉と表現豊かな動きが見ていて楽しい。ウォーリーとイヴのボーイミーツガールなそれ
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.4

自分にないものを欲しがり、みんなが誰かに憧れを抱いている。
主人公以外にも様々な視点から物語が綴られるので、多角的に魅力が感じられる佳作だと思う。格言も胸に響くものが多いし、何なら人生をより良くしてい
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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.0

普通に接することこそが実は一番難しいのかもしれない。作品を観終えてそんな考えがふと頭を過ぎる。フィリップとドリス、軽妙に交わされるふたりの会話を見ているだけで実に楽しい。笑っているシーンが本当に生き生>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.7

社会に置ける聾唖の掘り下げや隠れ持った才能を開花させるアウトライン、或いは生まれた時から与えられた役割が有るという設定で言えば他に思い起こす作品も数えられるけれど、今作ほど家族の絆を丁寧に描き出した作>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.1

物語の着地が最後まで読めず、幕引きの軽妙な良さと後味の悪さが絶妙なブレンドで印象深い。
ある意味で制裁の対象に自身も含まれていたのかとも考えられ、そう思えば結末も腑に落ちた。感情の渦を宿したキャリー・
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僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

3.8

転生を繰り返す犬目線の物語。一途でブレないベイリーの姿には心打たれる。ラッセ・ハルストレム監督作品は押し付けがましさがなく印象が淡い反面、胸にすっと涼しげな風が吹き込む良作が多いイメージ。デニス・クエ>>続きを読む

ファミリー☆ウォーズ(2018年製作の映画)

3.0

インディペンデント映画らしい露悪的でエログロなバイオレンスが全編を彩る怪作。地獄絵図を煮詰め重ねて高まるボルテージは凄まじいが、汚い・不快・気持ち悪いの三拍子が揃っているので人に薦めるのは中々に憚れる>>続きを読む

アルティメット・ディシジョン(2001年製作の映画)

3.6

爆発、銃撃戦、沖縄、ハラキリ、核、日本刀、棒術、チェーンアクション、因縁の二人…とにかく何でも有りなカオティックなアクション映画。メインとなる敵アジトに潜入してからは火気厳禁な設定からマーシャルアーツ>>続きを読む

ウィジャ・シャーク2(2021年製作の映画)

2.5

そう何回も上映されると好奇心に抗えず池袋へ足が向いてしまったよ、ウィジャ・シャーク2…。

本作を以てサメ映画は新たにミュージカルのスキルを手に入れた。だから名作か?面白いか?と問われても反応に困るが
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

4.0

シリーズ完結編としては申し分ない出来ではないかと思う。個人的にブルーの活躍がもっと見たかったなぁ等、希望を挙げればキリがないけれど、新旧作の登場人物たちをフルに用いてよく描ききったなと感心させられる。>>続きを読む

海上48hours ―悪夢のバカンス―(2022年製作の映画)

3.0

無難に楽しめるオーソドックスなサメ映画。トンデモ要素に頼らずにサメの恐怖を描いた点は評価したい。だがあまりに意外性に欠ける。たまたま手にしていたアイテムが活躍するような工夫があれば、見る目も変わったの>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

5.0

最も洗練されたフィルムは何かと訊かれたならば、私は「ラ・ジュテ」を挙げると思う。全編スチール・カットで構成された一人の男の記憶を辿るタイムトリップからは、それだけ鮮烈な印象を受けた。静止画特有の画と画>>続きを読む

ジュラシック・シャーク(2012年製作の映画)

1.3

過剰なばかりで意味を感じさせないエフェクト処理、スローモーション、だらだらと緊張感のない展開。サメ周りの描写を含めて全てが雑。まぁ監督が『ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』のブレット・ケリーな時点で推>>続きを読む

シャーク・ショック(2017年製作の映画)

2.1

⚡電気×🦈サメ=「シャーク・ショック」
デンキウナギならぬデンキザメが売りの割にあまり設定が生かされていないような。笑いを取るタイミングがみんな死ぬ間際でシュール。シャークネードでお馴染みのフィンの奥
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おこんじょうるり(1982年製作の映画)

5.0

人形特有のユーモラスな動きや温かみを感じさせる造形が素晴らしく、奥行きのある美術や細やかな所作は観る度に新たな発見に満ちている。悲劇とも取れる結末ではあるが、多幸感に溢れた婆さまとおこんの姿は何度観て>>続きを読む

箪笥<たんす>(2003年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

これはホラー映画の皮を被った悲哀に満ちたミステリといった印象を覚える。ミスリードを誘う幾つかの演出は判然としないが、作品全体に漂うじっとりねっとりとした雰囲気は楽しい。詰まるところ、現実と虚構が織り成>>続きを読む

マイリトルゴート(2018年製作の映画)

4.6

グリム童話の一編「狼と七匹の子山羊」をモチーフに、ネグレクトの逆、行き過ぎた愛情が描かれている。それも人間と子山羊、どちらの視点も織り交ぜた上でだ。アイデンティティを喪失した子供たちのやり取りに見る優>>続きを読む

ザ・インタープリター(2005年製作の映画)

4.2

国連通訳者として働くシルヴィア(演:ニコール・キッドマン)がアフリカの小国マトボの大統領暗殺計画を耳にしてしまったことから起こるサスペンス。監督は手堅い演出で娯楽作を多く世に送り出したシドニー・ポラッ>>続きを読む

グレート・ホワイト(2021年製作の映画)

2.9

イントロにサメがドン、主要キャラクターの紹介から場面移動、サメの襲撃、そして漂流。と、他の要素は何も要らないと言わんばかりのシンプルな構成のサメ映画。有象無象のユニークサメ映画が跋扈する今だからこそ、>>続きを読む

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.6

理不尽で痛ましい出来事を超えて訪れる開放感は、何ものにも代え難い。刑務所内の独特なコミュニティで育まれる友情に胸が熱くなる。多くを語る必要がない程の名作。言葉の数々が記憶に残る。

スパイダー(2001年製作の映画)

3.8

捻りの効いたストーリーラインが魅力的なシリーズ第2作。
蜘蛛に擬えた表題に帰結する顛末に得心が行き、誘拐事件から広く展開される筋立てには関心させられる。
緊迫感のあるシーンが適度に挟まれているので飽き
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