六四二さんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

六四二

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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.2

無垢なあの頃に
私はもっとボーッとしていただけだけれども、120分の間だけ戻れた気がした。
島田高校3年生それぞれの、卒業までの一日を見事なまでに抑制しつつ、みずみずしく描いた傑作だと思う。

スケッチ・オブ・ミャーク(2011年製作の映画)

3.4

映画で歌われる歌は信仰や労働、その土地=宮古(ミャーク)に根ざしてひっそりと歌い継がれている。
歌い継がれていけば良いが失われてしまう危機が迫っている。登場する老人達、画面の中で達者でいらしたが例えば
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呪呪呪/死者をあやつるもの(2020年製作の映画)

3.3

WWZを思わせるアスリートのような身体能力で迫るゾンビ達。大多数の人がそうなると思うが、追い詰める側すなわちゾンビ軍団に肩入れするはずだ。
新しいアクション表現といえるアイデアが面白い。最近のマトリッ
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.6

公開規模が大きい割に難しい映画に仕立てられている。監督の実験的精神と、制作陣の理解というか勇気の賜物かと思う。
オールドボーイや親切なクムジャさんの監督と知って、そういえば演劇的な見せ方や、畳みかける
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呪餐 悪魔の奴隷(2022年製作の映画)

3.2

前作より先に続編のこちらを見てしまった。冒頭、ある場所で異常な光景の出現を見せるのだが、それがなかなか良い。一作目を先に見た方が楽しめる。

悪魔の奴隷(2017年製作の映画)

3.4

ホラー映画の幕内弁当のようだ
ちょっとずつ色々入っているお馴染みのオカズに混じってブリ照りや銀皮が入っている!オリジンに敬意を表すならサテかバビグリンというところだろうか
傘さして… とか、天上を見て
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ここに幸あり(2006年製作の映画)

3.8

人の生き方の一つの型として
ヴァンサンがインプットされてしまった。
ケチケチしない、ギスギスしない
クヨクヨしない
同じカテゴリーに浜崎伝助氏がいらっしゃる

パラム パラム パラム(2018年製作の映画)

3.8

けっこう笑わせてもらった。
時々いいことを言うのも織り交ぜて
見事なバランスに調整されていて退屈しない。このジャンルは韓国に敵わない。

義兄弟 SECRET REUNION(2010年製作の映画)

4.2

見れていなかった「義兄弟」を劇場で見ることができた。ソンガンホが若い!
前線の南北兵士がこっそりと交流をやる「JSA」や「高地戦」を見て、この国に固有の事情の重さを理解つつ不謹慎ながら映画ネタの宝庫だ
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蝶採り(1992年製作の映画)

3.8

題名が謎だ。何の情報も得ていないのでわからない。映画で語られているならうっかり見落としている。
フランスの田舎のシャトーに住む男爵家の老婦人。一族の長であるこの老人が亡くなったことで遠くに散っていた一
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ある映画作家の手紙。白黒映画のための七つの断片(1982年製作の映画)

3.3

監督がジョージアからパリに来て初めて撮った習作集のようなスナップアルバムのような作品だ。
監督のイタズラ心が感じられる。

トスカーナの小さな修道院(1988年製作の映画)

3.3

字幕の付かないドキュメンタリー
タイトルの通り、5人の修道士が居る教会を中心に、集落の日常を映しだす。彼らが誦するグレゴリアンチャントや、環境音がたいへん心地よい。
続けて同じ監督の作品をいくつか見て
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ジャンルだけロマンス(2021年製作の映画)

4.0

ラブコメ基調だが内容は深い。確かに邦題のとおりだ。このガサツなおっさん達をずっと見るのかと思うと序盤少し不安になった。綺麗なおばさまがなぜこのおっさんに執着し、ユジンが心を寄せるのか?お話が進むに連れ>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.9

無人の野をいくみたいに見えるミーガンに、声なき者の声を掬い上げる記者の資質があるのか?
そんなアンチの目で見始めたが、獲物を追い詰める頃には被害者女性の動静に自分も一喜一憂し、御大の襲来ではミーガンガ
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.8

予想外の展開に驚く
ラストの長回しとテーマ音楽が心に残る

白い牛のバラッド(2020年製作の映画)

3.5

映画と関係のない事をつらつらと…
極刑に値する犯罪が起きた時、検証考察すべきは死刑が抑止力とならなかったことのはずだ。
死刑のない文明国と死刑のある野蛮な国とでは凶悪犯罪の発生率はいかほどの違いがある
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依存魔(2019年製作の映画)

3.3

ヒロインが病んでいなければ、大林作品のようでもあるし、ボニー&クライドのようでもある。
三部作の他作品も見たい。

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.5

少年は何者かになるために故郷を発ち、学び、成長する。そんな古来不変の型を気持ちよくやって見せてくれている。
最近見た映画の中では際立って「希望」を感じさせてくれるものだ。
多くの人に見て欲しい。

すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

3.3

コメディ仕立てになっているのでカラッとしてまぁ気楽には見られる。
フランス人気質のゆえか、もめても何しても我を押し通す老人に最後まで苛立ちが募った。最期の善行とか修羅場とか、そういうモノが入っていない
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.6

映画の主役は「労働」である。
貧しい農民夫婦は時間のほとんどを耕作その他の労働に費やしている。淡々とそれを映し出す。
それは我々がホイチョイな生活と引き換えに失ったものだ。自力で生きていく術とガッツと
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母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

4.0

テキーラのごときメキシカンシネマで
甘さなど微塵もない
暴力と不条理に対する諦観がメキシコ国民の心の底にはびこっているかのようだ
最後のカットが何を意味するのか
問題のラストカットである

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.8

フランスらしい風刺のきいた幻想的アニメ
個々の絵や表現はアーティスティックだがストーリーは類型的ともいえるものだった。
どこかで見たようなシーンや雰囲気、アイデアがところどころで出てくるのはこの作品に
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夢の裏側 ドキュメンタリー・オン・シャドウプレイ(2019年製作の映画)

3.5

シャドープレイより前にこっちを見た。
中国で自由に映画を撮るのは難しいのだということが
よくわかる。

シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

4.0

中国でこれを作って公開させた制作サイドに頭が下がる。同時上映された「夢の裏側」を見ればいっそうその思いが強くなる。

仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

3.5

豊川悦治の坊主頭がいい。年相応の役がキマッておりこれまでの印象とガラッと違う。梅安と天海の件がどうも淡白過ぎてもったいない。

対峙(2021年製作の映画)

4.5

じっと見ているのが辛くなるほどの極度の緊張感と居心地の悪さから感情の爆発を経て、衝撃的な結末を迎える。見終わった後はクタクタになっている。

ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

3.6

ステンドグラスの宗教画のような
美しい絵を見ているだけで幸福だ!

キツネとウサギ(1973年製作の映画)

3.9

単なる子供向けの作品には思えないのだが…
何かのメタファーなのだろう
ニワトリがヤル気があり強くて頼りになったというのはどういう?

話の話(1979年製作の映画)

3.9

なかなか、初見では難しい
ごんぎつねを想起した

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.2

おどろおどろしい雰囲気に好みが分かれるところだろう。こっちとスクリーンの間に薄い膜がかかっているように現実感が減殺され、醒めた感覚になる。
その分安心して見られる。
マッチョな肉体が好物の人にはこの映
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パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

4.0

大好きな韓国ノワールのお気に入り枠に入りました。
主演にパク・ソダムを起用したのが最大の魅力のポイントで、あのベビーフェイスの普通っぽい雰囲気の女の子が激しいドライビング&アクションをタフにこなすギャ
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.1

いかにもアイルランドの島らしい。
海と断崖と草はら。物語の季節は春だが冬はどんな様子だろう。
限られた場所、限られた人々の日常により自然と演劇的空間が形成される。時おり劇伴も入ってくる。
微笑ましい小
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